魔王覚醒編 第4話 前 死に方でございますか?
いやー、どうしよう? 本当にどうしよう?
「ごめん、桜子には悪いことをした」
「謝って欲しいわけではない」
そうね。桜子には悪いけど、きちんと断らなくちゃね。
「ごめん。でも私、本当に桜子に気持ちを応えなれない」
「どうしてよ?はぁ、分かった。でもずっとそばにいて」
「うん。約束する」
これで一件落着?
それから、私はロッティを訪ねた。
「アイちゃん、じゃないや。リリーナちゃん!会いたかったよ!」
あ、モフモフ。
「ちょーっとぉ、離れてぇ」
「あ、ごめん」
「あの、ロッティにお願いがあって、ね」
「リリーナちゃんのお願いなら何でも聞くよ」
「ロッティさんありがとう。実はね、魔王様が深い眠りから覚めたの」
「魔王って、あの?」
「ええ。で、魔王様はセレン様を反逆罪で捕まったの。牢に潜入してセレン様からわけを聞いて欲しいの」
「分かった、任せて」
やった!引き受けてくれた!
「ありがとう!」
「あ、そうだ。アイちゃん、シャーリーに顔を見せてよ」
シャーリー?あ、あー、馬の半獣人。あ、いや、ちょっと待って。リリーナはシャーリーを知らないはずよ!
「シャーリーとはどなたでしょうか?」
「本当にアイちゃんじゃないんだね」
「え、あの、どういう?」
「あ、ごめん。今のは忘れて」
で、ロッティと一緒に屋敷に戻ったけど……。その途中……。
「リリーナちゃん……」
その眼差しは知ってる。
「アイちゃんじゃないって分かっているのに」
昔のアサのとおんなじ。多分、ううん、きっと私のことが好きなんでしょ。今は利用させてもらうよ。
でも本当にいいのか?人の心を弄んで。ロクな死に方出来ないわよ。まあ、今心に余裕がないのは本当だし。気づかなかったことにしよう。
次はマモンとソニアだ。マモンに魔王について何も言っていない。ただソニアと兵を貸して欲しいと頼んだだけ。誰にも言わないようにお願いもした。マモンはソニアとソニアが管理してた兵を全部私にくれた。元々私の兵だと言った。
ソニアは私のために働けて嬉しいって言った。今それ聞いても嬉しくないかな?本当にどうしよう?流石に良い人演じすぎたかな?まあ、ソニアはロッティと違って単純に私を敬ってるだけでしょ。
ソニアに全てを話したけど、ソニアはたとえ魔王に叛くことになっても構わないって言ってくれた。
ロッティに私は本当はメイドではなくスネーク家の養子だと話した。偽名も使ってないし、多分大丈夫。
で、桜子は会議から戻ってきた。
「すず!すず、大変だ!」
「何?」
「すずの言う通りに大佐との接触を避けたのは良いんだけど、大佐も反逆罪で捕まった!」




