魔王覚醒編 第2話 後 モテ期でございますか?
「あ、うん、まあ……」
やっばこんな反応するのね。仕方ないと言えば仕方ないなんだけど。
「すずと二人2人っきりで話したい」
「何?ここでは言えない話なのか?わたくしの恋人と」
アサ……。なんかアサが束縛彼氏みたくなってる。
「すず……」
「アサ、大丈夫。今回はアサが私を信じる番だよ」
「……リリーナ。分かったわ」
はあ、なんか面倒くさくなってきた。桜子と会議室に入った。
「それで、話したいことって、何?」
「すずは、その……同性愛者だったのか?」
「多分違う。どっちかと言いと、私は無性愛者だと思う」
「無性愛者?」
「うん、他人に対して恋愛感情を抱かない人のこと」
あ、話してしまった。まぁ、いいか。
「つまり、すずはすずのお母さんに恋してるわけではないのね」
「そうなるわね」
「あ……私も!」
ん?
「私も!すずのことが……好き!大好き!愛してる!」
「え……ええ!?」
いや、ちょっと待って!お前ら本当に仲がいいのね!同じ日に前世のことを思い出したり、同じ日に私に告白したりして……もー何なの?
「桜子?」
「私、本気なの!」
「そっか。でも、私はもうアサの恋人になったから」
「どうしてよ!すずはすずママのこと好きなわけじゃないでしょ」
「それとは別。私もちゃんと考えた上でオーケー出したの」
「じゃあ私が先にすずに告白したら、すずの恋人になれた?」
「それはないと思う。アサはずっと私の側にいてくれた。アサは貴族の家を捨ててまで私と一緒に魔界にきた。アサがいなかったら私は魔界に辿り着けることはなかったと思う」
そう、ゴブリンキング、ワイバーン、賞金稼ぎ。アサがいなかったら、魔界に来られなかった。
「でも、すずは私に会うために遥々魔界まで来たでしょ!私に会うために!」
「それはそうだけど……でも、アサは私のためなら死んでもいいって!」
「口だけなら何とでも言える!それに、私はすずのために死んでいたよ!前世!」
そう言われたら……困ったな。
「すずはどういうつもりで私の記憶を蘇らせたの?私の記憶を蘇らせといて別の人と付き合うの?」
あっ、私どうすれば……?いやー、何だこれ?モテ期?モテ期なの?今更?同性に?いや、性別は関係ないと思うけどぉ……。
「桜子には悪いけど、私はもうアサの恋人なの。目障りだったらこの屋敷から出る」
「そんなこと言ってるんじゃない!」
ノックの音がした。
「どうした、取り込み中だ!」
「当主様、大変です!魔王様が復活して、セレン様が反逆者として囚われてしまいました」




