魔王覚醒編 第2話 前 承諾でございますか?
「はぁ、分かった……最後に聞くけど、本当に恋人じゃないとダメ?家族や親友じゃダメなの?」
「ダメ!」
「分かった。じゃあ、キスする?」
「する!」
リリーナは目を閉じましたわ。キマシタワー!あ〜ついに、ついにこの時が!
違います。これは……覚悟を決めた表情ですわ。リリーナは我慢していますわ。
「リリーナ目を開けて。もういいの」
「え?アサ?」
「リリーナがしたくないことをさせたくないの」
本当はリリーナを押し倒して滅茶苦茶にしたい、わたくししか考えなくなるくらいに……けれど……。
「う……?」
リリーナから!?しかも、抱きしめられてますわ!!
「次は何がしたい?」
「リリーナ〜でも、どうして……?」
「好きとか、恋とかはまだよくわからないけど、これ以上、アサが苦しむ顔見たくない。これは恋じゃないかもしれないけど、きっと愛情だと思う。これでも構わないのなら付き合おう」
「リ……リリーナ」
「ちょ、ちょっと!どうして泣くの?」
わたくし……泣いて……。
「じゃあ、次何する?」
「膝枕!わたくしがリリーナに膝枕して差し上げますわ!」
「あ、でも、その、興奮すると敬語になるの、やめてほしい」
「う、うん、気をつける」
「で、私が膝枕するではなく、アサがしてくれるの?」
「うん」
「分かったわ」
うわ、髪サラサラ!角似合ってますわ!クリスマスのトナカイコスプレみたいですわ!リリーナはすずの時と同じ、赤ちゃんみたいに横向きで寝てますわ。本当に可愛らしいですわ!
「すず!ただいま!元気?」
わたくしの幸せのひと時がーっ!あー、この屋敷から出って行くってリリーナを説得出来ていれば……。いや、少々お待ちください。
「あら〜クネスさんではありませんか。お久しゅうございますわ」
「あ、すずのお母さん、お久しぶりです」
「すずのお母さん?誰のことを言っているのかしら?わたくし、しろの恋人なんですけど」
「ちょ、アサ……はぁ……」
「こここ……恋人!?」
「あらクレスさん、どうかなさいましたか?日本語忘れてしまいましたか?左様でございますよ。わたくしとしろ、付き合うことになりましたの」
「だって、女同士で、しかも前世は親子でしょ!そんなのおかしいの!」
「全然おかしくございませんー」
「すず!すずはこれでいいの?女の子同士だよ!しかもすずのお母さんだよ!いや、すずはそんな子じゃない!迫られたから仕方なくオーケーしちゃったよね」
こいつ!絶対に殺して差し上げますわ!その舌を引っこ抜いて殺して差し上げますわ!




