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戦争編 第12話 後 価値観でございますか?

 「昔、獣人の里は魔物に襲われた。壊滅寸前の獣人達を受け入れたのは他でもない、私の祖先であった。その頃は獣人を奴隷にしようなんて誰も思ってなかった」

 獣人魔力量少ないのに襲われるのね。

 「だが、獣人は人間に守ってもらうんだから相応な働きをしてもらわないと。そこで問題だ。劣等種である獣人は何をできるのか。魔力が低い、沢山食べる。無芸大食とはまさにこのことだ。当時の国民は獣人達を追い出そうとした。獣人達は何でもするから追い出さないでくれと王に頼んてた」

 これはつまり、獣人が人間の住むところから離れたらまた魔物の脅威に晒されるわけだ。

 「それが獣人の奴隷の歴史の始まりだ。当時の獣人の長は必死に私の祖先に媚を売った。そして、獣人を受け入れると決めたのは他でもない、当時のブレイク公爵だ。その獣人の長が獣人を奴隷にした獣人であり、最初の奴隷商人で、獣人の調教方法を考えた獣人だ」

 昔の獣人達も必死だったのね。今の獣人は魔物の脅威を知らない。この国での獣人の居場所を作るしかなさそう。

 「獣人達は自分の意志で奴隷になったのだ。これは取引だ。こんな獣人を人間と平等に扱うと?」

 「まあ、公爵様がしてること別に間違ってないと思いますよ」

 「おお!わかってくれたか」

 普通に生活できる人はお金で幸福感を得ることは難しい。そこからは承認欲求だと私は思う。

 「例え奴隷にならなくとも、獣人は差別されてしまう。所詮獣人は人間なしでは生きていられない。人間の寄生虫しかられない」

 「そうだ。その通りだ。君有能そうだし、私の下で働くのはどうだ?」

 「加えて、公爵様はこれが正しいとずっと教われてたから」

 「ん?」

 「多くの人の幸せのために、少数の人を犠牲にする」

 「そうだ。だから我が国は他の国に比べて犯罪率が低いんだ」

 「あ、そうそう。結局、魔人がライオンズハートを扇動したのは本当ですか?」

 「それは魔界を侵攻する言い訳だ」

 やはりね。

 「でも、このライオンズハートの反乱はまさに獣人を犠牲にした結果ではないのですか?ご存知の通り、兵糧庫に奇襲をかけたのは獣人ですよ」

 「…」

 「私、別に世直しなんて考えてないし、公爵様を責めるつもりもない。ただ、これが公爵様、いや、この国が選択したやり方が招いた結果なんだよ。ねぇ、アサ」

 「うん」

 「まさか!私を殺したところで、何も変わらんぞ!」

 「この国が変わってくのを見届けなくて残念だったね。おやすみなさい、公爵様」


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