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戦争編 第10話 後 奥の手でございますか?

 「アサ、待って…」

 早いよ…。いや、私が遅いなのか。仕方ない、奥の手を使うしかないか…。氷魔法で床を滑りやすくして。

 「ぎゃっ!」

 盛大に転んだ。痛い。けど、転んだ私を置いて行っちゃうアサじゃない。ほぉら!振り向いてくれた。

 「リ、リリーナ、頭に、血が…待って、傷跡残さないポーションが」

 「捕まえた」

 「リリーナ!?」

 この技は相手が自分のことを大切に思うほど効果があるんだ。

 「放して、まずポーションを」

 「だーめ!放したらアサ行っちゃうでしょ」

 「分かった!どこにも行かないからーっ!」

 「本当?」

 「うん」

 奥の手、大成功!

 「大丈夫、跡残ってないわ。よかった」

 「ありがとう。ごめんね、アサ、先のは嘘だから」

 「う、うん…。でもリリーナ、どうしてあんな嘘を?」

 「アサに私に向けて魔法撃ってもらえたかった」

 「どうして?」

 「私も魔法バリアを使えるようになったことをアサに見せたかったから」

 「え、使えるようになったの!?どうして?」

 「角が馴染めて来たから。今は角の魔力で魔法バリアを展開することが出来るようになった。私はもうアサが思ってるほど弱くはないよ」

 「それはよかった。でも、それはつまり私はもうリリーナにとって利用価値がなくなったと言うことね」

 「そんなことあるわけないじゃないか。アサが側にいてくれたから、私は寂しい思いせずに済んだのよ」

 嘘つけ!私はすずしろだった頃から一人は慣れっこのはずだ。

 「リ、リリーナ!大好き!」

 「アサにはいつも感謝してるよ」

 よく言うよ、アサを死霊術で人形にしたかったくせに。

 「よかったぁ!リリーナに付き纏う面倒な人だと思わせたらどうしようかと」

 「そうなことないよ。側に居てくれて本当に嬉しいの」

 実は一人の方が楽なのよね。アサが私に向けた好意を保たせながら側に縛るのは結構疲れるのよ。いつ裏切られても大丈夫なように心の構えをしたり、愛想を振る舞ったりするのは本当に疲れるのだ。本当はアサを死体として側に置きたかった。けど、アサはスズナお母さんだった。それに…。とにかく、私は取り返しのつかないことをしない主義なんだ。

 「でも、リリーナ、私、人を一杯殺した…。私の手、いや、心は汚れ切ってる。そんな私がリリーナの側にいる資格なんて…」

 あ、はいはい、慰めてほしいよね。

 「アサは奪った命の数倍、いや、数十倍の命を救うことになるから大丈夫。アサがしたことは間違ってないよ。さあ、そろそろ作戦を始めるのよ。皆と合流しよ」


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