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本編 第2話  ヒモでございますか?

 お父さんがいなくなってからも三年の月日が経った。私は三歳になった。


 あれから、いろいろ実験を繰り返した。けど、虫だとスケールが小さすぎて、ろくな実験ができなかった。それでも、成果は確かにある。


 正確さが上がって、今や薄い皮一枚からでも運を抜くことが出来るよ。


 さらに、目標が持っている運の総量が分かるようになった。どれだけの運を抜けば赤黒くなるか、あるいは不幸になるのかが分かる。でも、不幸の程度は人で試さなければ分からない。かと言って自身を、またはお母さんとフランカを実験台にする訳にもいかない。


 赤黒くなってから死ぬまでの時間について、虫五匹を飼って確認した。何も致命的なファクターがなければ、ちょうど72時間後に死ぬ。


 赤黒くなる条件を二つほど突き止めた。一つ目はなにか自分自身を死なせる選択をした場合。二つ目は運がすべて抜けた場合。


 自分を死なせる選択は、例えば、危険なモンスターが生息しており、行けべ絶対に殺されるような森に、行くと決めたら、赤黒くなる。


 赤黒くなった後に黄色に戻そうとする難しさも分かった。これは破れた風船を膨らませるようなものだと想像すれば分かりやすい。だから、そういった選択をした後、思いとどまることができても、確実に運が減る。


 この力のことは置いてといて、生活についてまとめよう。私は一歳くらいで喋り始めた。それで『ママ』って言った時、お母さんが泣いてた、フランカも涙目で、こんな場面を見た私も泣きそうになった。感情って、本当に伝染するものだね。


 お母さんは朝から晩まで働いており、昔と変わらず、私の面倒はフランカが見てくれてる。正直言って、お母さんよりも、フランカとの感情のほうがが深い。


 そろそろお母さんが帰る時間だ。


「お帰りなさいませ、奥様。」

「お帰りなさい、お母さん。」


 お母さん、隣の男誰なの?


「君がリリーナちゃん? かわうぃーね」


 『ちゃん付けしないでよ、気色悪い』って言いたいけど、三歳の子供がこんなこと言わないから、ここは我慢しよう。


「リリーナ、この人はヒモオさん。ヒモオお兄さんで呼んでね」


 お兄さん?どう見てもおじいさんだけど、老け顔だし。あっ、背も低い。私、外見で人を評価するのは好きじゃないはずだけどな。こいつがキモ杉謙信だからか? 私、器量が小さくなったかも。


 それは置いといて、すずしろだった頃、ずっとお母さんを幸せにしてあげたかった、だからお母さんに好きな人ができたら、私のことは構わずに幸せになってほしいって言ったのに。


 セレナお母さんに対しても同じ気持ちよ。元はと言えば、私のせいでお父さんが……。


 ここは無邪気な子供らしく!


「よろしく、ヒモオおに・・・兄さん」

 うわっ……気持ち悪い、どうやら、私はこの人のこと、生理的に嫌いだ。


「いい子でちゅね、リリーナちゃーん~」


 気持ち悪い、触らないで。ダメよ、ここは子供らしく、頑張って、私、笑って!


「はは……ははは」


 やばい、笑いの練習しとけば良かったのに。


「この鶏肉美味しいよ、あん~」

「セレナもどうぞ、あん~」


 駄目だ、虫唾が走る。我慢よ、我慢すれば、あっという間だ。


「また明日ね、リリーナちゃん。」


 え!?明日?勘弁して!!


 ようやく消えてくれたか。


「ね、リリーナ。もし、ヒモオお兄さんがお父さんになってくれたら、嬉しい?」

「わかんない」


 三才の子供に聞いてもなぁ。


「そうだね、リリーナはまだあの人の良さがわからないよね、彼は立派な夢を持っている素晴らしい人なのよ。大丈夫、明日からフランカと一緒にヒモオお兄さんもあなたの世話をするから」


 うわー、マジで言ってるの……。いや、ちょっと待って。


「お母さん、ヒモオお兄さんのお仕事は何?」


「えっ、あ、明日から、あなたの世話をするのが彼の仕事よ」


 なるほど、無職か。


 それでも、お母さんが幸せになれたらそれでいい、とは思うけど。


「おはよう、リリーナちゃん。」


 うげっ、最悪の目覚めだった。


「ね、君、名前は?」

「フランシスカと申します。」


 え!?フランカじゃないの、あー、フランカは愛称だったか。


「フランシスカちゃん、美人っていつも言われていない?」

「かわいいだなんて……」

「見る目ないな、こんなに綺麗なのに」


 これ以上、私に嫌わせないで。


 フランカも、顔赤いよ。


 昼はフランカと、夜はお母さんとイチャイチャイチャイチャ。フランカもフランカよ! なんであいつがお母さんとイチャイチャしてるところを見っても、平気にいられるのよ!


「フランカって呼んで」

「フランカも俺の事、ヒモって呼んで」

「ヒモ!」

「フランカ!」

「ヒモ!!」

「フランカ!!」

「ヒモ!!!」

「フランカ!!!」

「ヒモ!!!!」

「フラ・・」


 この2人ふさげてる!


 ほら、お前の舌から運を抜いた。喋ると舌を噛むわよ。


「痛っ、くそ、舌噛んだ。」

「血が……!」


 力を悪用しないって決めけどね! 赤黒くならなくても、大怪我する可能性があるのに、なんえ私はこんな……。


 これからはどんな事があっても、考えてから行動しよう。


 まず運を返そう。


「血は止まった。まだ痛い?」

「痛いよ、フランカがちゅうしたら、よくなるかもよ」


 我慢よ、私、我慢。力使わなくでも、子供には子供のやり方があるのよ!


「お母さん、お帰り、ちゅ~」

「どうしたの、突然ちゅするなんて」

「フランカとヒモオお兄さんもこんなことしてた」

「え!?本当なの? リリーナ、嘘ついちゃダメよ」

「嘘じゃないもん」


 子供の真似って案外恥ずかしいものね。


「フランカ、これはどういうこと?」

「お……奥様、これは、その……そう、ヒモ……ヒモオさんが舌を噛んだから、私が血を止めてあげただげです。リリーナ様がそれを見間違って、誤解したんです」

「そうだったのね」


 信じちゃうの? 恋は盲目って本当みたいね! 怖っ! でも、これ以上は無理ね。私はあくまでも三歳の子供だし。


 って、この二人、どんどんエスカレートしていく、何服を脱いでいるのよ!止めなきゃ!


「フランカ、腹減った。」

「え……あの、今すぐ準備したしますね」


 仕方ない。私はフランカについて、台所まで行った。


「フランカ、耳貸して。」

「はい」

「私ね、フランカのこと、好きよ。フランカがクビされたら、私は泣いちゃうかも。言ってる意味、分かる?」


 なるべく冷たい声で言ってみた。結構危ない事をしているとはわかっているけど、大切な二人が、悪い男に騙されたくない。


「お嬢様!?」


 あの後、フランカは気を付けているけど、あのヒモが強引過ぎで、フランカが断りきれなかった。

 仕方がない、切り札を使うしかない。


 お母さんの運を上げたから、今日は帰りが早いのよ。


「フランカ、愛しているのはだけよ」

「私も、でも、お嬢様が見ているかもしれないのよ」

「大丈夫だよ、リリーナちゃんはまだ子供じゃないか?」

「でも、お嬢様は時々、子供らしくないことを」


 え!?私が!?上手く子供を演じたと思うけど。


「大丈夫よ! なにがあった俺が守ってあげるから! さぁ、服を脱いで。」


 鍵を開ける音がした。


「ただいま」

「やばい、なんでこんな時間に帰ってくるんだよ。フランカ、服を着る時間がない。隠れろ!」


 フランカは服を持って、私の部屋に来た、私を連れて押し入れの中に入った。


「ヒモオさん、どうして服着てないの?」

「運動、そう、二人は散歩に行ったからさ。俺もなにか運動したくてさ。腕立て伏せしてたよ。でも服が汗臭くなっちゃうし、脱いだわけさ」


 どうする? ここでチャンスを見逃したら、フランカが汚されちゃうわ。


「お嬢様、お願いだから、声出さないでね」


 フランカは下着で私の口を塞ぎ、服で私の手を縛った。


 動けない、一体どうすれば……うん方法なら一つあるけど、自爆みたいなものよ。私はリリーナであって、自爆魔じゃない。


「そうだ、二人だし、でデートしちゃうわない?」


 あっ! 行っちゃうよ。もうこれしかない。


 集え、部屋中のGよ! 赤黒くなったGが、裸のフランカの背中に登り、フランカは裸のまま押し入れから飛び出した。


「いやぁぁぁ!ゴキブリ!!」

「……Gがぁっ!」

「ゴキブリ!?いやぁぁぁ!」


 裸のフランカとお母さんがテーブルの上に登って抱き合った、縛られている私は気絶した。

恋は素晴らしいです、けれど、ちゃんと相手を見極めることが一番大事です、付き合ったばかりのカップルは相手に優しい、でも、時間が立ったら、酷い本性が表す事もあるかもしれません、ですから、結婚を早まらないこと。悪い人程口がうまいですから。

 

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