戦争編 第8話 後 復讐者でございますか?
「そもそも私がこの面会を承諾したのは、この手紙がアイちゃんの匂いがしたからだ」
なるほど、そういうことか。ならまずは誤解を解かないとね。あとアイへの好感度を継げたい。
「顔を見せてもらうか」
「ぎゃっ…」
ベール取られた。
「やっぱアイちゃんじゃないか…」
ロッティは私を見つめてから抱きしめた。
「ごめん、守られなくて…」
「ですから、私はそのアイちゃんではありません、顔見ってわからないのですか」
「何言っての?アイちゃん、もしかして記憶喪失?」
「いい加減にしなさい。私はそのアイさんではないのです!匂いではなくちゃんと私の顔を見なさい」
「顔も角もアイちゃんと同じじゃないか。あと怒っても、怯えても無表情なところも」
無表情?演技派の私が?あはは、ありえない…。
「はぁ。分かりました。そのアイさんだと思ってくれて結構です」
「喋り方がちょっと違うな。アイちゃんはもっと砕けた話し方してた」
「わかった。これでどう?」
「そうそう!」
私はそっとロッティの頭を抱きしめた。
「大丈夫、私の心臓の音が聞こえてる?私はちゃんとここにいるよ」
「…アイちゃん!…アイちゃんっ!」
「はいはい、泣かないの」
「本当にアイちゃんじゃないの?」
「残念ながら」
「でも、匂いも、声も、顔も角も雰囲気も、アイちゃんとしか…」
「そうね。私は親の顔を知らない。もしかしたら、私には兄弟がいるなのかもしれない」
「本当にそうだとしたらこの出会いは奇跡だ!ところで、どうして最初顔隠した?」
あっ…。
「それはね。そうしないと、み、皆が私だけを見てしまうから…。もう、言わせないで…」
苦しい言い訳だ。ナルシストだと思われてしまうし。恥ずかしい、マモンが人間語分からなくて本当によかった。
「それはそうとロッティさん、そろそろ本題に入ろう」
「本題?どうせ戦争に参加して魔界のために戦うとか言うのでしょ…私はブレイク公爵を殺してアイちゃんの仇を取らなければならないのだ」
「仇を取ってどうする?死んだ人は喜ばないよ」
「私の気持ちも知らないでよくそんなこと言えるよね!アイちゃんはね、天使みたいな優しい子なんだ!アイちゃんとライオンズハートに入ったあの日私は誓った!何があってもアイちゃんを守ると!なのに、あの子を死なせた…私の名を呼んでたあの子を…死なせた」
ちょっと過剰演出しちゃったかな。ロッティが復讐に囚われちゃったよ。




