戦争編 第7話 前 不仲でございますか?
どうして私は人間なんかと一緒に行動してるのか。リリーナ様は尊敬すべきお方だ。この魔界に置いては実力が物を言う。リリーナ様はスネーク家の養子だ。つまり、リリーナ様は竜騎士ではない。けれど、五大貴族の養子にされた。きっと、すごく強いでしょ。
リリーナ様は他の魔人とはどこかが違う。考え方と言うべきか、価値観か違うと言うべきか。基本的に、魔人は自分より強い魔人に服従するだけど、リリーナ様は実力以外にも尊敬できるところがある。例えば、私が納得いかなかったことがあっても、ただ服従させるではなくて、ちゃんと理屈で納得させる。何より、資料を拾ってくれた。この私を選んでくれた。私は必要だと言ってくれた。
リリーナ様の言うことはなんても聞くと決めた。でも、まさか人間と行動を共にすることになるなんて。リリーナ様の言葉は正しい。私も納得出来た。でも、やはり嫌なことは嫌だ。
「アサ様、この地図をご覧ください」
あ、言葉通じないんだった。
「地図ですって?まさか進軍ルートから兵糧庫の位置を割り出そうとするわけじゃないでしょうね」
リリーナ様、やはり人間を好きにはなれないよ。それにしても、この人間、魔人語話せるんだね。
「他にいい方法があるとても?」
「愚問ですわね」
「ご説明願います」
「ついてくれればわかります」
何処に連れていくつもり?まさか、魔人影のないところで私を…。
「まず目的地を教えなさい」
「ですから、ついてくれればわかります」
「教えてくれるまでどこも行かないから」
「では、お一人で魔界に帰ってはいかがでしょう?わたくしは一人で参りますから」
「そんなわけには行きません。リリーナ様を失望させるわけには…」
そう、リリーナ様は私を期待してる。リリーナ様の期待を応えせれば。
「黙りなさい。リリーナの名を易々と口にしないでくださる?」
先からなんなの?
「私が何か嫌われるようなことでもした?どうして突っ掛かるの?どうして私がリリーナ様の名を口にしじゃダメなわけ?私の自由でしょ!」
「したでしょ!リリーナの前で人間嫌いなんて連呼してリリーナを困らせたでしょ!それに、あなたのせいで…」
あっ!それは悪いことをした。
「ごめんなさい」
「わかってくれればよろしいのよ」
「で、何処に向かっているのですか」
「情報屋を会いに行きます。人間のやり方、お見せいたしますわ」




