戦争編 第4話 後 人にものを頼む態度でございますか?
ダメだ。心も体も疲れてきた。まずはソファーで横になろう。
「あの、マモンさん、直接に軍に入って見ては?ほら、軍階級を上がれば彼氏さんを見返せるでしょうし」
「私は貴族だ。それなりのプライドがある。命令に縛られたくないのよ」
「ではマモンさんは私の下につくと言うより、私を利用しようとする方が正しいのかな?」
「利用するだなんて!私はただ対等な関係に立ちたいだけよ」
対等?こいつ寝ぼけているの?本当に自己中なのよね。話するだけで疲れちゃうわ。
「あはは、私、対等の意味わからなくなっちゃったよ。そっちはやりたい放題できて、こっちは責任だけを負う。そう言うのが対等だって言うのね」
「じゃあ、この魔力の結晶をあげよう。これは私が百年以上をかけて貯めた魔力の結晶なのよ。家宝ほどの価値はないがどんな魔人でも喉から手が出るほど欲しいものなのよ」
魔族は物欲がないと聞くが普通に物で釣るのね。
「お客様がお帰りになるだそうよ」
「なんてだ」
「じゃあこっちも結晶出すからもう帰ってください」
「…あ、私…そうね、失礼したわ」
彼氏さんよくこんなの耐えられたのね。やっぱり詐欺師なのかな?
「じゃあ、こうしよう。これは私の真の姿だよ。うちは最大限の敬意に値する相手にしかこの姿を見せてはいけないと言う家訓がある。この姿、親以外に他人に見せたこと一度もなかった。私はこの姿で貴方に誓う。クレスの妹よ…あ、名前なんだっけ」
こいつ…。それにしても、翼生えた羊…絵に描いたような悪魔な姿してるのね。
「…リリーナよ」
「貴方に誓う。私達はいつまでも対等であることを。リリーナが私を裏切らない限り、私はリリーナの力になり、リリーナが危険に落ちる時、私はすぐに駆けつけよう。この約束を違えた時、私は自らの手でこの角をへし折って詫びを入れるであろう」
ようやく人にものを頼む態度を分かってきたのか。私もこれで戦争に参加する口実が出来た。お互い利用しあおうじゃないか。




