戦争編 第4話 前 昼ドラでございますか?
「ダンタリオン、ようやく会えた」
「マモンどうやって謝れば…でも、僕にはどうしてもこれが必要なんだ」
「落ち着いて、別に怒ってないわ」
「それなら、もうちょっとこれを貸して欲しい」
「ダンタリオン、答えて、あなたは家宝のために私に近ついたの?」
「違う!」
「私ね、ダンタリオンがいなくなった後色々考えたよ。もし、ダンタリオンが最初から私を騙そうとして、今まで言ってくれた言葉もしてくれたことも全部大嘘だったら、私…」
そこで涙を流すマモンをそっと抱きしめるのね。やるじゃん。
「嘘なもんか!僕はマモンのことが大好きだ」
あ、うざい。もう帰っていい?いいよね。
「紛争区域のあっちこっちを探しまわったのよ!もしかしたらダンタリオンが軍に入ったのではなく、家宝を売って姿を消したと思うと、心が…」
「すまない。辛い思いさせた」
辛い思いさせられたのは私よ!て言うか軍に入ったのはただの憶測か。あっちこっち付き合わされたこっちの身にもなれって話だよ。
「でもこうやってちゃんとダンタリオンに会えた。嬉しい」
「僕もマモンに会えて嬉しい」
「じゃあ、一緒に帰ろう」
「…それはダメだ」
「…どうして?どうしてなのよ!」
「僕はマモンを含める魔界の皆を守りたいんだ!」
「そんなの他の人に任せればいいじゃない!ダンタリオンは元々戦闘に長けてる魔人じゃないでしょ!」
「僕はマモンからこれの存在を知って、昔捨てた夢をまた見るようになった。これさえあれば僕も皆を守れる、英雄になれるんだ」
盗人が英雄になりたいのか。笑える。
「私より夢が大事なの?」
「そうじゃないよ。戦争が終わるまで待って欲しんだ。戦争が終わったらマモンの側に戻るから」
「でも、死ぬかもしれないじゃない」
「僕は生きる!生きてマモンと添い遂げるっ!」
「あくまでも戻ってくれないのね」
「だから、戦争が終わったら…」
「戦争いつ終わるの?」
「それは…」
「分かった」
「分かってくれるのか」
「戦争が終ったらダンタリオンが戻ってくれるよね。つまり私も軍に入ってさっさと戦争を終わらせればいいのね」
と、言い放ってマモンは私と桜子の屋敷に帰った。本気で言ってるのか?どういう脳回路してるの?
「クレスの妹、先の話聞いてたよね」
「う、うん」
「私はクレスの元で戦いたい」
マモンの戦闘力は未知数なんだけど、ちょっと自己中で強引なんだよ。桜子に迷惑かけそう。
「でも、クネスは黒竜騎士だからいつもドラコンさんとだけ戦ってるよ。味方は却って邪魔になるから」
「そうか。じゃあ、君でいいよ。クネスと近い権限持っているよね」
あ、これ、もしかしなくてもやっちゃった?




