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戦争編 第3話 審問でございますか?

勇者擬きの魂をフォニサウルスという生き物の死体に入れた。フォニサウルスは大きなエリマキトカゲみたいな魔物だ。特徴として他の生き物の泣き声を真似することが出来る。魂の記憶と肉体の記憶両方持ってるから喋るはず。

「おはよう、勇者擬きさん」

「お前誰だ?ここは何処だ?俺は死んでベースに戻ったはずだ。何だこれ、俺の手に、鱗が生えてる。どうなってるんだ?お前、あの角、人間ではないなぁ、何もんだ?」

「つまり、今の状況について説明して欲しいのね」

本名名乗っていいのか。

「私はすず・スネークって言うの」

「スネーク、黒龍騎士の…」

「うん。そうだけど、今はそれが重要ではない。自分の体をよく見て」

「鱗、足も、どうなってるんだ?」

「あなたはクネスに殺された。その瞬間、私達側の司祭が貴方達側の司祭より先に貴方の魂を捉えてこの魔獣に入れたの。その魔獣の知力は低いが、声真似が出来るからちゃんと喋れるはずよ」

「バカな、あの術は我が国の司祭しか使えないはずだ!そうか!大佐かぁ…大佐はここにいないはずだ!何故だ」

「ちなみに、自殺でも無駄よ。その肉体は既に死んでたから。でも、痛みは感じるはずよ。痛覚をちゃんと働くようにしたから」

「忌々しい魔人めぇ!」

「あら、私達のこと言えるほど国柄がいいわけ?」

「お前如き魔人が我が国を語るな。俺の国の何を知ってるんって言うのだ」

「色々知ってるよ。奴隷商人が獣人をどう扱うのか、子供でも遊び気分で獣人に石を投げるのも」

「獣人の体はとっても丈夫だから問題ないんだ。それに、獣人が人間様に頼ろうとしなければ奴隷にならなかったはずだ。獣人が選んだ道だ」

「ふふっ、その言葉待いたわ。今の貴方の体も獣人並みに丈夫なんだよ。だから私が貴方に何をしても、文句言わないよね」

「お前、何する気だ?」

「ふふふ、何しようかなぁ」

「この魔女め!」

「あはは?私が?おかしいなぁ。あなたの国の人が獣人にしたことと同じことをするって言っただけじゃないか。あ、でも、あなたの言うとおり、あれは獣人が選んだ道。だから、それ相応の結果が付いてきた。じゃあ、貴方の国はどう?獣人をあんな風に扱って、報い受けないとダメでしょ。あと、魔界に攻めて来たことも、ねぇ」

「…」

「魔界の資源が欲しければ最初から言えばいいのに。下手な言い訳してさ。ライオンズハートが起こしたテロを魔界のせいにするなんて」

「いや、魔界が煽動しただろう」

「そう聞かされたのか」

「実際そうだろう。ライオンズハートは魔界の支援を受けてテロを起こしてると聞いたぞ」「真実のほどは分からないけど、そもそも獣人をあんな風に扱わなければ煽動しただけ無駄で話よ。ライオンズハートを壊滅寸前まで追い込んで、理由なしに魔界に宣戦するとか恥ずかしくないのか」

「違う、魔界が獣人を煽動したから、我々は魔界に罰を下すんだ。我々は正義なんだ」

馬の耳に念仏するつもりはない。この国の人が何を考えているのが知りたかっただけ。あの公爵のことだし、洗脳はしっかりしたでしょ。それに、魔人についての知識も乏しいし、獣人も子供の時から人間として見てないし。

「俺をどうするつもりだ」

「う〜ん?どうしようかな?捕虜も奴隷もそんなに変わらないと思うよ」

「や、やめろ!俺は人間だぞ」

「ふふっ。私はあなたの国の人達とは違うから別に何もしないよ?ただ、レプリカを使えるのはあなただけだから、戦争が終わるまでここにいて貰うよ」

そうか、兵士達は自分が侵略してると思ってないのね。やるじゃない、公爵さん。

「すず、お疲れ様、すごいね」

「私はすごくないよ。桜子こそ、ドラゴンさんの能力を忘れじゃダメなのに。ドラゴンさん泣いちゃうよ」

「あはは、反省反省。でも本当にすずが居てよかった」

「もう、大袈裟なんだから」

「ねぇ、すず、ずっとここにいて。側にいたいの」

「ダメ〜」

「え、どうして?すずと一緒に過ごした誕生日、最高に幸せだったよ」

「ダメよ。マモンの恋人を探さないと」

「そんなのほっとけばいいじゃん」

「桜子の幼馴染みでしょ」

「え?私より、私の幼馴染みの方が大事?」

「なにそれ」

どうして私の側こんなのばっか?

「冗談だよ」

「あ、そうそう。マモンさんは何と言うか、桜子しか信用しない感じ」

「マモンが…」

「だからちょっと手紙書いて欲しいの」

「うん。マモンは任せた」

屋敷の戻ったら、捨てられたことを知らない犬のように待ってるマモンの姿があった。

「待ってた。クネスは?」

「お姉様は戦争のことで手一杯なので、マモンさんのことは私に任せました。ご心配なく、私もお姉様に近い権限を持っていますよ」

「戦争…そうだね、皆魔界を守ろうと必死なのね」

彼氏さんのことでも思い出したの?

私達は魔界の紛争区域を片っ端から回ってようやくマモンさんの彼氏さんを見つけ出した。

「マ、マモン、僕は…」

さて、どんな茶番を見せてくれるのかな。


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