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戦争編 第2話 前 返事でございますか?

 前世を含めて今まで一番幸せな時間が過ぎました。この三ヶ月本当に幸せでしたわ。邪魔な桜子もおりませんし。あのドラゴンもただのペットにすぎないことをわかりましたし。

 この三ヶ月、リリーナと魔界中旅しました。あのペットがいれば、一時間で行けないところなんてないですもの。けれど、一番幸せだったのはやはり誕生日パーティーでしたわ。

 リリーナが何を貰ったら喜ぶのか、悩んだ末に熊のぬいぐるみを作りました。しろがぬいぐるみに憧れてたのは気付きました。買ってあげようとも考えましたが、しろならきっと喜ぶより、無駄金を使わせたことを悲しむでしょうから。けれど、今は違うのです。わたくし達はもうお金の心配をしなくて済みます。まるで神様がわたくし達から奪った全部を返してくれたみたいですわ。しろもご機嫌になられた。桜子はワンピースを差し上げたのですが、わたくしにはわかりますわ。ぬいぐるみを受け取った時、リリーナの満足そうな顔! あ〜、思い出すだけでもゾクゾクしますわ。

 それと、リリーナは返事を下さったのです。

「ねぇ、アサ、この間の話なんだけど…」

「…うん」

「ごめん」

「り、理由を尋ねてもよろしいかしら?」

「私、アサをそんな目で見ることは出来ない、かな…」

「さよう、でございますか…」

「あのさ、アサ、ちょっと聞いていい?」

「何でしょう?」

「アサは私と付き合って何がしたいの?」

「え?」

「今の関係のままじゃダメなの?」

「ダメというわけでは…」

「手はいつでも繋いでいいし」

「キスは?」

「え、えーと、2人きりになったら…」

あら? リリーナはキスが嫌で断ったわけではありませんの?

「キスしてもいいのにどうして付き合ってくれないの?」

「…それは」

「桜子が好きだから?」

「違うよ」

「じゃあ、どうして…」

「人を好きになるのが怖いの」

「どうして?」

「気持ちが踏みにじられるのが怖い…。信じる人に裏切られるのが怖い」

「わたくし、そのようなこといたしませんっ!」

「ごめん、もうこの話やめよう」

「待って、リリーナ。私を信じて、私は…っん!?」

唇、感触…。

「ごめん、アサ、一人にさせて…」

「う、うん」

リリーナの反応からして、どうやらリリーナはわたくしだけではなく、誰とも付き合えないらしいですわ。これでリリーナが誰かに横取りされる心配はなくなりましたが。

ゆっくり時間をかけてリリーナをわたくしのものにしましょうか。


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