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獣人編 第12話 後 世界でございますか?

好きだと認めるのね。そんなわけねぇだろう、このブス、って言わせるつもりだったけど。今日で初めて会ったんでしょう。そう簡単に人を好きになれるのか?

今の私は多分もう誰かを好きになることが出来ないと思う。羨まし…くはないけど。

困ると言ってるのに…。面倒だから適当なこと言って諦めさせるか。

「待って! どうすればリリアちゃん…」

「ぎゃー」

何? この湧き上がる嫌悪感と恐怖感は。

「とりあえず、手を離してもらえない?」

どうして? 腕が掴まれたくらいで、こんな…。

「あの、僕…」

「離してっ!」

もしかして、私、男性恐怖症になってる?いやいや、普通に男性と会話出来るし、軽いボディタッチなら全然大丈夫だし。でも流石に考えすぎたというわけでも無さそう。自分で言ってもあれなんだけど、私、メンタルが結構強い方だと思うんだぁ。少なくとも、腕が掴まれたくらいで声を荒げて離して、なんて言う私ではないはずだ。

こいつ、これ以上私の時間を無駄にするつもり? それにしても、こいつの考え方、日本人と似ってるかも。周りに同調していい人を演じる。まあ、これが一番楽な生き方でしょうけど。世界が変わっても、人は変わらないのね。


この三日間、割と楽しかった。この国について色々知ったし、拠点にいた時はしんどかったけど、ここにいた時は旅行気分で楽しかった。

夫婦には悪いんだけど天涯孤独の設定だったので迎えが来るのは不自然。だから手紙を残してアサと魔界に帰る。

「アサ、いい加減に離してもらえるかな」

「だーめ。リリーナエネルギー補給しないと」

「そんなエネルギーないわよ」

アサに抱きしめられるの意外に嫌いじゃないかった。私、異性にも同性にも興味ないけど、案外アサと結ばれるのは悪くないかもしれない。思えば今まで修羅場をくぐってきたけど、アサがいなかったら…。

「ね、リリーナ、今でも遅くない。何処か誰も私達のことを知らない国に行こう、2人で」

アサの気持ちも分からなくもないけど。

「いやだ」

「どうして? そんなに私のこと嫌い? どんなに頑張っても、私じゃ、リリーナの心を動かせないの?」

「そうじゃなくて。アサには分からないの? 平凡な生活はいやなのよ。ねぇ、私達、折角魔法のあるこの世界に来たのよ。日本にいた時、こう思ったことない? 学校と社会が私達の世界の全部。こんな世界が狭いすぎるって。思ったことあるよね、私達はただ、生きてるから生きるって。でも、今は違う。桜子は魔界を統べる5人の中の1人だよ。私達はこの世界の中心にいるのよ」


魔界に帰って、魔界が宣戦布告されたと聞いて、ちょっとワクワクする私だった。


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