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獣人編 第5話 後 誘拐でございますか?

 こっそりセレンと連絡を取ったけど、この国は結構富強で、揺さぶるのは難しい。魔界と戦争したくないと主張する人もいるけど、奴隷を解放するまで戦争を止める気はなさそう。


 この国の人にとって奴隷なしの生活は考えられないでしょうね。だから、獣人が頼れるのは本当に獣人だけ。


 「同胞諸君、来週からブレイク公爵が辺境の会談に出席するとの情報が入った。ブレイク公爵を拐い、奴隷制度を完全に廃止させるんだ」

 「おおー!」


 これはやばい。公爵さんを拐ったら本当に戦争になる。ただでさえ、ライオンズハートのヘイトがカンストしてるのに!


 早く報告しないと!


 「はあ、勘弁してよ…。ねぇ、リリーナちゃん、何とか阻止出来ないかな?」

 「無茶言わないでください」

 「分かった。場所と時間を教えて」


 獣人の皆さん、ごめんなさい。


 「セレンさん」

 「なぁに?」

 「公爵を拐ったら、本当に奴隷制度を廃止させらるのですか」

 「無理だね。だって、奴隷制度は既に廃止してるのよ。違法なんだよ。それなのに、衛兵は奴隷商人を捕らえようとしない。獣人奴隷はもう暗黙の了解になってる。今更公爵1人拐ったところで何も変わらないでしょうよ」

 

 皆がそう、ちょっとでも希望があったら、リースクや失敗を考えずに突っ走る。誰にとっても不幸な結果になるだけなのに。


 「ご苦労だった、また何か動きがあったら報告…、あ、いや、教えて」

 「はい」


 さて、ロッティとちょっと話してみようか。とにかく仲間が欲しい。


 「ロッティ、公爵の件どう思う?」

 「公爵を捕まえば奴隷制度を廃止させる、私も役に立ちたいな」

 「ロッティ、私、心配してる」

 「うん? 何を?」

 「ロッティも知ってるでしょ。ライオンズハートは王宮に自爆テロを仕掛けたことがあるのよ。奴隷商人が襲われたばっかなのに、公爵が会談に出席するなんて、タイミング良すぎと思わない?」

 「そう言われてみれば…。でも、このチャンスを逃したら…」

 「ねぇ、ロッティ、私もこのチャンスを逃したくない。でも、ライオンズハートで冷静にいられるのは多分私達だけだよ。もし本当に罠だったら、私達が皆を死なせることになるのよ。それに、ロッティも知ってるよね、この国で奴隷は禁止されてるって。なのに、衛兵は助けに来ない。公爵を拐ったところで、また誤魔化されるだけだよ」

 「アイちゃん、大丈夫だよ。私達に任せて」


 あ、ダメだわ。理屈が通じないわ。それなら…。


 「もうっ! どうして聞いてくれないのよぉ! ロッティだけは聞いてくれると思ったのにぃ! なんてよー! 聞いてよぉ! 私だって、ライオンズハートのために真剣に考えたのにぃ!」



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