序章 第11話 転生でございますか?
彼女がニーナとして人生を送っている時に、我はある決断をした、彼女を苦しみの連鎖から解放する為には、こうするしかなかった。
そもそも、彼女がこんな目に遭ったのも、我のせい、だから、我が責任を取る。
でも、信じて、我はただ、あなたをずっと見続けたいだけ、悪気は無かった。ごめんなさい、普通に死んで、普通に転生出来たはずなのに、貴女の大切な友達まで死なせた。新しい友達と笑いながら死ぬはずだったのに、我のせいで葬儀の帰り道で泣きながら死んだ。全部我のせいだ。何より、貴女の魂まで穢れてしまった・・・
そろそろ、彼女が戻る頃だ、覚悟を決めないと!
あっ、戻った、彼女を見るのはこれが最後になるのか・・・
「すずちゃん、はじめまして、あっ、お詫びが先だ、あなたがこんな目に遭っているのは、全部我のせいた。でも、安心して、もうこんな目に遭わなくて済むよ!」
「えーと、先ずは状況を説明してくれませんか?」
「そう・・・だな。すずちゃんは我の暴走に巻き込んまれた、全ては我のせいた!でももう大丈夫だよ」
「よくわかりません、あの、なんであたしまだすずしろとアイの記憶があるの?記憶を承継していないあたしがなんで?それに、なんで点を振り分けする前に転生したの?」
「それは、我がすずちゃんの魂を・・・」
どう話せばいい?我は最低だ、今になってまだ彼女に嫌われたくないとは・・・
「すずちゃん、今までありがとう、そして、ごめんなさい、それと、さよなら・・・」
「え!?ちょ・・・まっ・・・まだ話が・・・」
あの若い神様が光と化し、あたしの体に入った。
「あのアホめ!神たる者が、人間ごときの為に命を捨てただと!?」
「え!?」
「なるほど、運を司る神を受け継いだ貴様が神の言葉がわかるようになったか・・・」
「受け・・・継いだ?なにを?」
「あのアホが貴様を神にした!我から貴様を守る為に!」
「はい?」
「だ!か!ら!あなたが神になれば、我の力すら貴様を強制的に転生する事が出来ない!」
「えーと、あたしが、神になった?」
「先からずっとそう言っている!ただし、神を死なせた貴様を神として迎えるつもりはない!」
「え!?」
状況が全然わかんない、けれど、今あたしが出来る事はない、あたしの運命は、この神様の手に握られている。
「では、あたしはどうすれば?」
「自分で考えろ!」
そんな!?
「えーと、では、あたしを元の世界に戻してくれないでしょうか?」
「ならん!鈴川すずしろが死んだ後、どれくらい時間が経ったと思う?」
「えーと、アイの二十年とニーナの十六年だから、三十六年でしょう?」
「違う、たった二時間だ!貴様が行った世界と他の世界の時間の流れが違うのだよ!貴様は元の世界ではもう死んだ、戻す訳にはいかないのだ、別の世界を選べ!」
そんな、お母さんや桜子とはもう会えないの?待って、桜子はもう死んだ、だから、もう転生したはず、お願い、元の世界に転生しちゃ駄目!
「あの、桜子はどの世界に転生しましたか?」
「裁判長、桜子とはどいつだ?」
「あの方の暴走より、すずしろ様の・・・」
「すずしろ様!?」
「彼女も神になった今、すずしろ様と称呼なさる方かよろしいかと」
「神になった?我が何時あやつを神として認めた?」
「申し訳ございません、では、すずしろさんの代わりに死んで、ボーナスとして15000点を上げたあの人間でございます」
あたしの代わりに死んだ?そんな!?あたしのせいで、桜子が!?
「で、転生しだ世界は?」
「魔力がある世界でございます。」
「あたしもあの世界に転生したいです。」
「よかろう!」
「お言葉ですが、神王様、このまま、すすしろ様・・・コホン・・・すずしろさんが転生したら、運を司る役は空いてしまいます」
「構わん、我が引き受けよう。何が文句あるか?」
「いいえ。」
「もう問題なかろう、さ!ゆけ、しばらく貴様の顔を見たくない!我の目の前から消えろ!」
多分八つ当たりだと思う。あたし、別に悪い事していない!まぁ、理不尽だと言っても何も変わらないから、それより、もう一度桜子と会える、でも待って、もしも、転生した世界も、元の世界と同じくらい大きかったら、どうやって桜子を探せばいいの?
「えーと・・・」
「まだ何か!!!?」
「ひぃぃぃぃぃ!!!」
怖い!でも、聞かなくちゃ!あたしも神様になった、神様同士の話もわかるから、きっと、あたしはもう神様だ!だから、きっと桜子を探す方法があるはず!
「えーと、あたしが桜子を探す方法がありますか?」
「裁判長、桜子とやらの魂データをあいつに渡せ。」
「承知致しました。」
「このデータがあれば、貴様はこの者の魂を感じるようになる。もう用は済んだか?ささっと消えろ!」
「ありがとうございました」
良かった、まだ二時間しか経っていないから、桜子とも同い年、早く桜子を探さねば、待ってて、桜子、今行くから!