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幹部編 第13話 お誕生日の歌でございますか?

 「私の番、あ、3か…。15踏みたかった」


 はぁ、よかった、15はアサが考えたバカマス。大好きな人に愛を囁く。似たようなマスは何個もある。アサが踏めるとは限らないのに…。いっそ私が15を踏んで、別の人に告白しようか。


 「もうサイコロ振っていい?」

 「まだ駄目でありまぶ」

 「早くサイコロを振りたい」

 「もうすぐでありまぶ」

 「じゃあ、私の番ね。5、はぁ? 本当すずのお母さんのマスだけは踏みたくない」

 「いいセンスでしょ」

 「性根が腐ってる」

 「あら、酷い言われようですぞ。一番進んでるのはあなただからとりあえず頬をつねりながら五マス後退しようか」

 「う…」


 昔桜子がうちに来た時結構嬉しかったのに…。どうしてこんな…。


 「リリーナ、置いて行かないで」


 いや、サイコロに言ってよ。まあ、運を弄ればいい話か。でも私もゲームを楽しみたい。はぁ、仕方ない。すずしろならきっとドラゴンがかわいそうだからドラゴンの運を弄っちゃうでしょうけど、リリーナは利益しか考えないから、運を今のままにする。どうして私こうなっちゃったんでしょ…。友達ごっこでも、アサと桜子とならいいと思ったのに…。


 「1でありまぶ。奇数で休む、偶数でもう1回行動する。あら、3でありまぶ」


 これでいいかな。ドラゴンに勝たせるのは無理そうだけど、びりだけはさせじゃ駄目。


 「すず、相変わらず運悪いな」

 「あはは」

 

 運のことばかり考えてる。もし運を操作することが出来なかったらもっと楽しめたかな?


 「私の番ですぞ。5、三十秒内に他のプレイヤーを笑わせたらもう一回進める」


 どうしてこっちを見る。あれ? もしかして、私以外の皆このマスを踏んだら私を笑わせるの? やめてよ、皆打ち解けよう。


 「アサ、顔怖いでありまぶ」

 「リリーナ、マスの内容は絶対ですぞ」

 「私じゃなくても」

 「リリーナを笑わせるのはこうするしかないですぞ」

 「やめて、痒い。あははは、もう、勘弁して。笑った、もういいでしょ、やめて」


 はぁ、酷い目にあった…。

 

 「じゃあ、もう1回振るですぞ。3、あ、リリーナを抱きしめたかったのに。まあ、いい、まだ頬をキスさせるマスがあるから」


 アサにマスの設計に参加させたのは間違いだったかな? 欲望丸出しなマスと腹黒いマスしか考えてないし。


 「私の番だよね。もうサイコロ振っていいよね」

 「いいでありまぶ」

 「やった。3か。うー」

 「ドンマイ。まだまだ逆転できるマス沢山あるでありまぶ」


 双六をやるのがこれが初めてなのに、本当に運が悪いね、ドラゴン。


 「私の番。1、やった。ねぇ、すずのママさん。このマスが踏みたかったか。残念。すずー、大好きよ。すずは私が守るから。このゲームが終わったら私の今のお母さんに合わせて、うちの養子にするから」


 アサ顔怖い、自分が考えたマスなのに。


 「養子か。でも、今の母さんはまだ生きてるでありまぶ」

 「大丈夫、名ばかりの養子だから。別に私の母さんの子にならなくてもいいから」

 「それならいいんだけど。次は私でありまぶ。2、ドラゴンさんと同じマスでありまぶ。よろしくね」

 「うん、ずっと一緒にいようね」


 うん、少なくともこのゲームでは一緒にいられるよ。次のゲームからはこっちが用意する死体と遊んでもらう。ドラゴンは私が蘇った死体を干渉できないからそれなりに楽しめると思う。


 「私の番ですぞ! 3、出ろ! 出ろ!」


 27、一番後ろのプレイヤーに頬にキスさせるか。でもアサ、一番後ろにいるのは私だけじゃないのよ。


 「あ、5か。どうして自分が作ったマスに踏めないの? 折角リリーナが一番後ろにいるのに」

 「私はいやよ、お前の汚い頬にキスだなんて」

 「こっちから願い下げですぞ。リリーナ以外の生物は私に触れないで」

 「「イーっ!」」


 子供かっ!


 「29は他のプレイヤー全員三マス進むですぞ」

 「ドラゴンさん、歌える?」

 「歌ったことない」

 「じゃあ一緒に歌うか。何を歌う?」

 「先の唄歌おう」

 「お誕生日の歌でありまぶ?」

 「うん」

 「ドラゴンさん、お誕生日いつ?」

 「もう覚えてないよ」

 「じゃあさ、私と同じ日にしようか」

 「リリーナと?」

 「うん」

 「そんで来週一緒に祝ったら楽しいと思わない?」

 「うん! うーん!」

 「じゃあ歌うね」


 あ、怠い。そうか、心の中ではドラゴンのこと友達だと思ってないからか。


 「ドラゴンさん、歌上手いね」

 「リリーナ、愛してる!」

 「なっ! エリック、お前…」


 これ、アサに聞かれたら面倒なことになりそう。


 「ドラゴン語も話せるし、私の竜騎士になってよ」

 「すず、絶対にならない方がいい」


 魔人語…。


 「うん、分かってる」


 分かっているけど、どう断ればいいのか…。


 「ご当主様、お客様がお見えです」

 「今は忙しいと伝えて」

 「それが…」

 「やあ、クレス、取り込み中?」

 「ゴーストか。何の用」

 「魔獣のクエストがクリアさてたと聞いてすぐここに駆けつけた」

 「お前のことだし、祝ってくれる、なんてありえないよね」

 「当たり前だろう。そんなことより、緊急会議だ、今すぐそいつと付いてこい」


アサ:3→4→9→13→16→21→24→29

ドラゴン:1→7→10→13

桜子:1→6→11→14→15→18

リリーナ:2→4→8→10→13


1.自己紹介する(リリーナ)

3.ゲームが終わるまで変な語尾を付けて話す(リリーナ)

5.もう一回行動する(桜子)

7.一番前のプレイヤーが一回休む、次の行動まで土下座をする(アサ)

9.サイコロを振る。出た目が奇数なら一回休む。偶数ならもう一回行動する(アサ)

11.他のプレイヤー全員一回休む(桜子)

13.歌を披露する(リリーナ)

15.大好きな人に愛を囁く(アサ)

17.他のプレイヤー全員三マス後退させる(桜子)

19.一番前のプレイヤーが頬をつねりながら五マス後退させる(アサ)

21.三十秒内に他のプレイヤーを笑わせたらもう一回進める(リリーナ)

23.大好きな人を抱きしめる(アサ)

25.自分以外のプレイヤーを指定してそのプレイヤーと位置を入れ替わる、その後、そのプレイヤーと一回休む(桜子)

27.一番後ろのプレイヤーに頬にキスさせる(アサ)

29.他のプレイヤー全員三マス進む(桜子)



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