九十話
五つ目の遺跡5階
メリアが白いロボットに向けて斬撃を放つ、その斬撃は白いの胴体を深く削り取った。
「うん!私の攻撃も!」
「通じるわね!行くわよ!メリア!」
「うん!明日奈!」
プラチナローズによる斬撃がロボットに通ると分かった二人はハイタッチをしてから、二人で二体のロボットに向けて走る。
「やっ!」
明日奈とメリア先に攻撃を仕掛けたのはメリアだ、自分のリーチに黒いロボットを収めたメリアはプラチナソードを発動させ攻撃する。
「!」
黒いロボットは手に持つ大剣でメリアの攻撃を受け止めるが、メリアの攻撃は強烈であり、ズズズと後ろに滑りながら後退する。
「後ろがガラ空きよ!」
そんなメリアを白いロボットが後ろから攻撃する
『鉄よ!鎖となって敵を拘束しなさい!』
しかしその攻撃は明日奈の歌により現れた鉄の鎖が腕を拘束する事で防がれた、そして明日奈は拘束により動けなくなった、白いロボットに蹴りを加える、明日奈に蹴られた白いロボットは吹っ飛び壁に激突した。
「く〜やるわね!」
壁に激突した白いロボットは立ち上がると背中から30体のビットを出し一斉発射する、ビットの銃口から飛び出した銃弾はビームのようである、そしてそのビームの標的は黒いロボットの攻撃を加えるメリアの背中に向かっているようだ。
「やらせねぇ!」
しかしそのビームはシュルクが斧でビームを弾く事で防がれる、そしてビットのうちの一体が落とされた。
「俺たちはビットの相手をするぞ!」
どうやらビットを落としたのはギルダーツのようであり、そしてビットの相手を彼等でしてくれるようだ。
「明日奈」
「ええ、みんなのおかげで背中を狙われる心配は無いわ、だから私達は」
「うん!あの2体に集中、だね!」
メリアはそう言うとプラチナローズをブレイカーモードに変形させる、どうやら大剣と打ち合うのなら大剣と言う考えらしい。
「ハッ!」
明日奈は黒いロボットの上を取ると全力の振り下ろし攻撃を加える、その斬撃は強烈であり、黒いロボットは片膝を着く。
「今だ!」
黒いロボットが片膝を着いたのを見たメリアは黒いロボットを串刺しにしようと突きの構えのまま黒いロボットに突っ込む。
「させない!」
その攻撃は白いロボットの蹴りがメリアに命中した事により当たる前に邪魔をされた、しかしメリアはその蹴りを盾で防いでおり、足が地面に着くと飛び上がり白いロボットの顔を全力で蹴った。
「チィィ!」
顔を蹴られた白いロボットは倒れる、それを見た明日奈は白いロボットの胴体に取り付くと刀を逆手で持つ。
『光よ、私の刀に力を、光の歌』
明日奈は光の歌を歌うと光を刀に纏わせた、そしてそのまま白いロボットの胴体を突き刺した。
「やった!」
メリアは明日奈が白いロボットに刀を突き刺したのを見て喜ぶ、明日奈も立ち上がると黒いロボットを見据え、刀を構える、しかし
「あなた、甘いわね」
「!」
明日奈の背後で声がした、明日奈は慌てて振り返ろうとするが遅い、背中に熱い感覚が広がる、斬られたのだ。
「姫様!」
白花が明日奈が斬られたのを見て悲鳴を上げる、そして背中を斬られたの明日奈は痛みを堪えて何とか振り返るとそこに居る者の姿を見て目を見開く。
何と人型のロボットが居たのだ、そしてその人形は見た目は顔は人間と変わらず、体は機械と言う姿だった、そしてその人型は女性型のようだ。
「ふふふ、その反応驚いているようね」
「・・・」
明日奈は大型のロボットが機械の兵団のリーダー格だと思っていたが、その中には人型が居た、明日奈はまさか大型の敵が搭乗型のロボットだとは思って居なかったので驚いている。
「ええ、驚いたわ」
「ふふふ、さぁて続きやりましょうか」
白い人形は背中に装備しているダガーを抜くと明日奈に迫る。
「くっ!」
背中がかなり痛むせいで意識が朦朧としている明日奈は、左手で銃を構えると発射するが、白い人形はそれを全てダガーで弾いた、そして明日奈の懐に潜り込むと、膝蹴りを明日奈の腹に向けて叩き込む。
「グッ!」
「ふふ」
そして左手から銃を落とし、後ろに後ずさりする明日奈を狙い白い人形は斬撃を放つ。
「明日奈!」
その斬撃はメリアがプラチナローズで受け止める事で防がれた、しかし黒いロボットがメリアを蹴り飛ばす。
「くっ!」
壁に激突した明日奈を助けようとメリアはすぐに立ち上がる、そしてすぐに駆け出すが、そんなメリアが見たのは
「・・・あ」
腹を白い人形のダガーにより刺し貫かれ倒れる明日奈の姿だった。
「おい」
「大丈夫、殺してはいないわ、ほら連れ帰りましょ」
そう言うと白いロボットは明日奈に抱き抱える。
「させない!」
敵は明日奈を連れ去ろうとしている、と判断したメリアは明日奈を連れて行かせまいと全力で白い人形に迫ろうとするが黒いロボットに阻まれる。
「どけぇ!」
黒いロボットに行く手を阻まれたメリアはプラチナローズをプラスターモードに変形させると顔に向けてレーザーを放った、そのレーザーは黒いロボットの顔を破壊するが、黒いロボットへ顔を破壊されつつもメリアを地面に叩き付け、そして押さえつける。
「行け」
「ええ、そうさせて貰うわ」
白いロボットは黒いロボットの言葉に従い、転移しようとする、しかし
「なっ!?」
明日奈の体から炎が発生し、白い人形はその熱さに思わず明日奈を地面に落としてしまった。
「・・・」
そして地面に落とされた明日奈は目を閉じたまま立ち上がる、いつの間にか狐の耳と尻尾は消えていた。
「明日奈?」
メリアは目を閉じたままの明日奈に声をかける、その声に反応してか、目を閉じたままの明日奈がスッと目を開ける。
「目を覚ましてみれば、いきなりこんな状況、機嫌が悪くなってしまいますわね」
明日奈?は不機嫌そうにそう言うと手を横に振るう、するとその身は赤いドレスで包まれた。
「お前は誰だ」
明日奈の雰囲気の違いに気付いたウィリアムがその正体を聞く。
「私?私は、炎の魔神、アリーシャ・メル・ベリクリオスですわ、以後お見知り置きを」
見知らぬ男に名を聞かれた、アリーシャ・メル・ベリクリオスは自身の名を名乗ると、白い人形の隣に一瞬で移動する。
「えっ?」
人形はその動きに全く反応出来なかった、アリーシャはその反応に満足気に笑うと、その首を右手で掴む。
「あっ、グッ!」
「ふふふ」
首を掴まれ苦しむ白い人形の様子を見て微笑んだアリーシャは白い人形に灼熱の炎を放つ。
「あぁぁぁぁ!」
「あらあらいい悲鳴ですわね、でもどれだけ鳴いても、私の生まれ変わりであるこの身体をこんなにしたお前を許しませんわ、焼け死ね!」
アリーシャはそう言うと炎の出力を更に高め、そして白い人形を消し炭にした。
「機械の身体だとしても呆気ない物ですわね、つまらない」
白い人型を殺したアリーシャは黒いロボットの方に向くと、地面を蹴り飛ぶ、そして黒いロボットの胴体に強烈な蹴りを加えると地面に降り立つ。
「手を」
そして驚いた表情を浮かべている、メリアに手を伸ばす。
「う、うん」
メリアはその手を取り立ち上がる。
「ふふ」
アリーシャは立ち上がったメリアの頬に触れると耳元に口を近付け囁く。
「後で私の物にしてあげますわ」
と、そう囁かれたメリアは顔を真っ赤にして尻餅を着く。




