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金色の九尾ll アンダーワールド  作者: ブレイブ
四章三部アンダーワールドよ!私は帰って来た!
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八十四話

サムロット王国首都サムロリッサ

ここはサムロット王国首都サムロリッサ、サムロット王国の文字通り中心部であり首都であり王城がある街だ。

怪我が治った明日奈は、怪我の治療をしてくれた診療所の医師や看護師にお礼を言ってから外に出て診療所を出た、そしてその後町を出た明日奈は走ってこのサムロリッサまでやって来たのであった。

「それであなたなんで着いて来たの?」

サムロリッサの城下町への入り口の前、明日奈は隣でゼェゼェと息を切らしている、リースに何故付いて来たのか、聞いた。

「はぁ・・・はぁ、あたしもここのギルドに用があったのよ!だからあんたと一緒にサムロリッサまで行こうと思ってたらあんた走り出すし・・・追い付くのだけでも大変だったわ!」

「あら、ごめんなさい」

明日奈はまだはぁはぁ言ってるリースにそれとなく謝る、その内心は先に言ってくれてたらゆっくり走ったのにと思っている、どちらにしろ走るのは明日奈の中では決まっていたようだ。

「フゥ・・・それで?あんたは何処に向かうの?冒険者ギルドに行くのなら案内出来るけど?」

息を整えたリースは明日奈に何処に向かうのか聞いた、この街サムロリッサはリースの故郷だ、その為リースはこの街なら何処でも案内出来る、だから案内役を買って出てあげることにしたのだ。

「取り敢えず冒険者ギルドね、それでみんながギルドに居なかったら宿屋を回ってみるつもりよ」

明日奈は内心リースって結構良い人なのかしら?と一瞬思ったが自分を殺すと面と向かって言った彼女が良い人の筈が無いと思い直し、この後の予定を彼女に話した。

「そう、ならこっちよ、着いて来なさい」

リースはこっちこっちと手を振りながら冒険者ギルドに向かって歩いて行く、明日奈はその背中を追って歩き始めた。




サムロリッサ冒険者ギルド

明日奈とリースはサムロリッサの冒険者ギルドにやって来た、すると明日奈に向けて何者かがいきなり飛び付いて来て明日奈は押し倒される。

「明日奈!久し振り!」

「メリア」

いきなり明日奈に飛び付き押し倒して来たのはメリアだった、メリアはその目に涙を浮かべている、それを見た明日奈は彼女を優しく抱き締める。

「私、ずっと心配してた、やっと会えて本当嬉しい!」

「私も嬉しいわ、メリア、またいっぱい一緒に冒険しましょうね?」

「うん!」

そしてメリアは嬉しそうな顔を浮かべつつ明日奈の上から離れた明日奈に手をひらを向ける、明日奈はその手のひらを嬉しそうに取り立ち上がった。

「みんなも久し振り、ごめんね?心配かけて」

そして明日奈は仲間達に心配をかけた事を謝った、しかし仲間達は笑顔で別に良いと許してくれた。

「そんな事より明日奈、子供は無事産まれたのか?」

ウィリアムに明日奈が何故元の世界に帰らなくてはならなかったのかを聞き、そしてギルダーツに何故彼等と一緒に明日奈が居なかったのかを聞いていたシュルクは明日奈に子供達が無事に産まれたのかを聞く。

「えぇ、無事に産まれたわ」

明日奈はシュルクの問いかけに幸せそうな表情を浮かべつつ答えると、ポケットからワールドセイバーの端末を取り出しそしてその端末の写真アプリを起動させ、その中に保存されている娘達の写真を仲間達に見せた。

「双子ちゃんなのですね!可愛いです!」

白花はその写真を見てうっとりとした表情を浮かべ。

「良かったね、明日奈、無事に産まれてさ!」

メリアは素直に祝福してくれる。

「これは是非抱かせて貰いたいな」

シュルクもその可愛さにやられたようだ。

「・・・」

ウィリアムは何も言わずその写真をジッと見つめている

「ウィリアム?」

明日奈はそんな自身の結婚前の夫にどうしたのか聞く。

「いやすまない、俺たちの子供が無事に産まれてきてくれた事に、感動しちまってな」

ウィリアムはそう言うと涙を流し明日奈を抱き締める。

「ありがとな、無事に産んでくれて」

「うん」

明日奈はただ優しくウィリアム抱き締め返した。

「私達の宝物はあっちの世界で待ってる、だから出来るだけ早くケリを付けて私達の宝物の元に帰ってあげましょうね?」

「おう!」

ウィリアムは明日奈の言葉に力強く返事を返した。



明日奈と仲間達のつもる話を終えた頃メリアが気になっているある事を明日奈に聞いた。

「それで、明日奈ホワイトローズ返した方が良い?」

「ん?あぁ、メリアが持っててくれる?本当にヤバくなったら返してもらう事にするわ」

「分かった」

メリアは既に明日奈に返そうとしていた、ホワイトローズを腰に戻す。

「それでちょっとごめんね」

「?うん」

明日奈はメリアに一言謝り、そして彼女が返事をしたのを聞いてから彼女の腰に装備されている、ホワイトローズに触れた。


『久し振りねホワイトローズ、元気してた?』

『Yes、全機能オールグリーンです』

『そっ、それで暫くはメリアに貴女を使って貰うつもりなんだけど貴女はそれで良い?』

『Yes、メリアはマスター貴女に次ぐ適合者です、確かに私は貴女に私を使って貰いたいと言うのが本心ですが、メリアに使われるのも嬉しいので問題ありません』

『うん、それでメリアにプラチナモードの使用を許してあげて欲しいの、出来る?』

明日奈はホワイトローズをギルダーツに渡す前、今しているようにホワイトローズと話していた、その時に明日奈の許可無しではメリアのプラチナモードの使用は禁ずるとホワイトローズに言っておいた、その為ホワイトローズは今までメリアにプラチナモードの存在すら伝えていなかった、しかし明日奈はそのプラチナモードの使用をホワイトローズに許可した、つまりメリアはプラチナモードを使えるようになるという事だ。

『分かりました、プラチナモードのロックを解除します』

『うん、それじゃ今からメリアがプラチナモードを使えるか試してみよっか、準備は良い?』

『Yes、何時でも行けます』

『うん』


そして明日奈はホワイトローズから手を離し立ち上がる。

「何してたの?」

「ちょっとね、それでメリアちょっと着いて来て」

「なんで?」

「良いから」

明日奈はメリアの手を取るとギルドを出て、街の外に向かう、メリアは何をするのだろうといった、表情を浮かべつつ明日奈に手を引かれて行く、仲間達はそんな二人に取り敢えず着いて行く。




サムロリッサ近隣の平原

平原にまでやって来た明日奈はメリアの手を離すと立ち止まる、ちなみにリースはギルドでまた会いましょうねと明日奈に怪しい笑顔を見せた後、街の中に消えて行った。

「それじゃあメリア、ちょっとホワイトローズ貸してくれる?」

「?良いよ」

さっきはメリアに持っていて欲しいと明日奈は言ったのに何故今返して欲しいと言うのかメリアは不思議に思ったが、彼女は素直に明日奈にホワイトローズを渡した。

「ありがと、それじゃ今からあなたにある事を教えるわ、私の刀を渡すから、刀を構えなさい」

「う、うん」

メリアは明日奈の刀、神月を受け取ると鞘から抜いて構える、そしてその刀から何やら興味津々な視線を感じるような気がするが無視し、明日奈を見る。

「それじゃあ見ててね、ホワイトローズプラチナモード!」

『Yes!マイマスター』

ホワイトローズは久し振りに明日奈に使って貰えて嬉しいのか、嬉しそうに明日奈の言葉に返事を返すとプラチナモードを発動させた、そして白金の光が発生し明日奈を包むと次の瞬間には白金の鎧に包まれた明日奈が居た。

「それ何?私そんなの知らないよ?」

「これはね?プラチナモード、ホワイトローズとそしてその持ち主の能力を最大限にまで高める、ホワイトローズ最強の姿よ」

「そうなんだ、カッコ良いね!」

メリアは何故ホワイトローズがそのプラチナモードの存在を教えてくれなかったのかより、プラチナモードの格好良さに反応したようだ。

「それじゃあちょっと戦ってみよっか、行くよ?」

「う、うん!」

メリアはちょっと戦ってみようと言う明日奈に返事を返すと刀を再び構える、明日奈はメリアが刀を構えたのを見てから、全力で斬りかかる。

「!?」

そして次の瞬間には明日奈はメリアの首に剣を突き付けていた、メリアはその動きが全く見えなかったと驚いた顔をしている。

「これがプラチナモードの力、持ち主は圧倒的なパワーとスピード、そして防御力を得る、このモードは私の切り札だった、でもこれからこの切り札はあなたの物になるのよ、メリア」

明日奈はそう言うとプラチナモードを解き、メリアにホワイトローズを差し出す、メリアは驚いた表情をまだ浮かべているが、ホワイトローズを明日奈から受け取った。

「さぁやってみなさい、メリア、あなたがプラチナモードをこれからは使うのよ!」

「・・・わ、分かった」

メリアは戸惑いつつもホワイトローズを鞘から抜き、構える、そしてプラチナモードを発動させる前にホワイトローズに話しかける

「ねぇホワイトローズ、私がそのプラチナモード、使っても良いのかな?」

『Yesメリア、私の二人目のマイマスター、どうぞお使い下さい、プラチナモードを』

「分かった」

メリアは明日奈の言葉、そしてメリアの言葉を聞き、プラチナモードを使う決心をした、そして

「ホワイトローズ!プラチナモード!」

『Yes、プラチナモードモードM』

そしてメリアは白金の光に包まれた、そして次の瞬間には白金の鎧を纏ったメリアが現れる、しかしその姿は明日奈がホワイトローズを発動させた時とは少し違った。

まず明日奈が使用していた時は左手に盾は装備されていなかったが、メリアのプラチナモードには盾が装備されている、そして腰の部分は明日奈の物はスカートでは無かったがメリアの物はスカート状になっており、その下にはスパッツが装備されている。

どうやらホワイトローズはスピード重視のセッティングをメリア用に行ったようである、明日奈のプラチナモードは防御重視であったのだがかなり速かった、メリアのプラチナモードはそれよりも更に速いが防御力は大幅に劣ると言う事だ。

「良し、無事に変身できたわね、それじゃちょっと戦ってみよっか、メリア」

「うん」

先程とは逆、明日奈は刀を構え、メリアはプラチナローズを構える、そしてメリアはゆっくりと呼吸を整え、呼吸が整った所で一気に明日奈に向けて飛び出した。

「!」

明日奈はその優れた聴力で何とかメリアの居場所を予測しメリアの斬撃を受け止めた、しかし明日奈の目にはメリアの動きは見えなかった。

「メリア、すごい速さね!見えなかった!」

「私も驚いた、凄いねプラチナモードって!」

そして明日奈はメリアに左ストレートを放つ、メリアはそれを盾で受け止めると光速の回転斬りを明日奈に向けて放った、明日奈は左ストレートを放った後に既に回避行動に移っていたのだがもしそれをしていなかったら明日奈は死んでいたかもしれない。

「私も本気で行くよ!鉄よ!鎖となりメリアを拘束しなさい!拘束の歌!」

地面から鉄の鎖が飛び出しメリアの四肢を拘束する、しかし

「やっ!」

メリアはその拘束を難なく破り、明日奈に向けて突進して来る。

「プラチナソード!」

メリアは明日奈との距離を一気に詰めると光の斬撃を明日奈に放った、明日奈はその斬撃を大きく横に飛んで避ける、そして歌を歌い水の槍を宙に出現させるとメリアに向けて放つ。

「ハッ!」

しかしメリアは水の槍を一振りで全て撃ち落とすと、プラチナローズをブラスターモードにし明日奈に向けて構える。

「行っくよ!プラチナローズ、プラチナブラスターフルドライブ!」

『Yes、プラチナブラスターフルドライブ、発射』

強大な魔力を放つプラチナブラスターフルドライブが明日奈に向けて放たれた、明日奈は内心迫り来る強大なレーザーにビビりつつ、歌を歌う。

『光よ!盾となりメリアの攻撃を防ぎなさい!光の歌!』

明日奈の前に斜めに張られた光の盾が現れその盾にプラチナブラスターが命中する、そしてプラチナブラスターはその斜めに張られた盾に添い空に伸びて行く。

「フゥ・・・」

明日奈は空に伸びて行くプラチナブラスターを見送り額の汗を拭く、その間にメリアが迫っている事に気付いては居ない。

「あっ・・・」

「ふふん、私の勝ちだね!明日奈!」

メリアは明日奈の首に剣を突き付け勝利を宣言し、明日奈はしまったという表情を浮かべた、この勝負メリアの勝ちである。

「そ、そうよあなたの勝ちよメリア、それがプラチナモードの力、う、上手く使いなさい」

勝てるのなら勝つつもりだった明日奈が、メリアにプラチナモードの力を上手く使うように言葉に詰まりながら言った。

「うん!」

この後明日奈達はサムロリッサに戻り久し振りに仲間全員で美味しい食事を取ったのだった。

明日奈からメリアにへのホワイトローズの本当の引き継ぎのお話しでした

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