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金色の九尾ll アンダーワールド  作者: ブレイブ
四章三部アンダーワールドよ!私は帰って来た!
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八十三話

盗賊団アジト付近

盗賊団のアジトの近くまで来た二人は岩場に身を隠し、盗賊団アジトの様子を伺っていた。

「北と南にある入り口に見回りが三人、四つある全ての見張り台に二人ずつ、これじゃあノコノコと姿を現してあのアジトに乗り込んだら、あいつらに囲まれて面倒臭い事になっちゃうわね、さぁてどうする?お狐さん」

あちらは多数こちらは二人、囲まれれば苦しい、その為敵にバレずに中に侵入し盗賊達を各個撃破したいが、この厳しい監視体制では中に入り込むのは不可能だとリースは判断した、その為リースは明日奈が何か中に入る方法を思い付いていないかと思い明日奈にどうするか聞いた。

「うーん」

リースにどうするか聞かれた明日奈は顎に手を当てて中に入り込む方法を考えるが。

「思い付かないわね」

思い付かなかったようだ。

「そう、ならもう突入しちゃう?あんたとあたしならイケるでしょ」

「ええ行っちゃいましょう」

隠れてアジトに進入する方法を考えるのが面倒臭くなったらしい二人は、正面から突入する事に決めたようだ、そして立ち上がると武器を抜いた。

「それじゃあ行くわよ、お狐ちゃん」

「ええ!」

明日奈とリースは盗賊団アジト北入り口に向けて走る。




盗賊団アジト北入り口

走って来る明日奈とリースを見付けた盗賊達は直様笛を吹き敵が現れた事を仲間に知らせる、すると別の所でも笛が鳴り始めた、どうやら敵が来るとこうして笛を吹き合い敵の出現を仲間達に知らせると言うシステムのようだ。

「聴いた?敵が一気に来るよ!気を引き締めて!」

「フン!言われなくても分かってるわよ!」

「何よ!せっかく心配して言ってあげてるのに!」

「余計なお世話ですわ、お子様お狐ちゃん」

「あら?あんたは私より叔母さんじゃない」

「なんですって!?」

仲の悪い二人はこんな時でもすぐに喧嘩を始めた、睨み合い罵り合う二人に盗賊Aは若干戸惑ったがすぐに気を取り直し斬りかかるが。

「ウオオ!」

二人は盗賊Aの方を見もせずに罵り合いながら盗賊Aの攻撃をかわすと盗賊Aに同時に蹴りを叩き込んだ、蹴りを叩き込まれた盗賊Aは吹っ飛び建物の壁に激突すると気絶する。

そしてそれを見た盗賊Bと盗賊Cが距離を取り矢を放つが。

「フン!」

「セイ!」

リースと明日奈は余裕で矢を剣で弾くと盗賊二人を殴って気絶させた。


二人は盗賊二人を気絶した後も喧嘩を続けている、そろそろ殴り合いの喧嘩になりそうになってきた頃砦のようになっているアジトの壁のあちこちが開き中から砲台が出て来た。

「・・・」

「・・・」

それを見て流石の二人も喧嘩を止め黙る、そして砲台に注意を払う。

「撃て!」

砲弾を撃てとの号令がアジトに響いた、すると一斉に砲撃が開始される、それを見た明日奈はリースの服を掴み自分のすぐそばに寄せると両手を左右に広げ歌を歌う。


『光よ!壁となり敵の攻撃を防ぎなさい、防御の歌!』


明日奈が歌を歌い終えると光の壁が明日奈とリースの四方を囲むように現れた、そして光の壁は明日奈とリースを爆撃から守った、そして砲撃が終わると明日奈は手を天にかざしてから次の歌を歌う。


「氷よ!槍となり私敵を貫け!氷の歌!」


明日奈が氷の歌を歌い終えると明日奈の四方八方を囲むように氷の槍が現れた、そして明日奈が天にかざした手を振り下ろす、すると氷の槍は次々と砲台を貫き破壊して行く。

「・・・、お狐ちゃんあんたそんな事出来たのね・・・」

「まぁ出来るようになったのは最近だけどね、ほら出て来たわよ!」

砲台を破壊され砲撃手段を失った盗賊達がアジトの中から出て来た、次は数で押すつもりのようだ。

ウオオ!と盗賊達が一斉にこちらに駆けて来る、それを見たリースは明日奈にマスクを渡し付けるように言うと四方から駆けて来る盗賊達に向けて何かを投げ自分もマスクを付けた、リースが投げた物は地面に落ちるとプシューと煙を出した、そしてその煙を吸った敵は一斉に倒れて行く。

「何したの?」

「あたしお手製の催眠薬入り小型爆弾よ」

「へぇ」

リースから小型爆弾の話を聞いた明日奈はその効果を見て欲しいと思った、これからもこう言う依頼は受けるはずそれならばリースの催眠爆弾はかなり有効である。

「ねぇ、それちょーだい」

明日奈ちゃんの渾身のおねだり、狐の耳をペタンとさせ首を少し傾げる、が発動した。

「嫌よ」

そしてくれと言われて簡単に渡さないのがリースと言う女である、ちょーだいとおねだりして来た明日奈の頼みをあっさりと拒否し舌を出した。

「・・・」

「そんな事よりもこいつらのボスが居ないわ、多分中に居る筈、アジトの中に入るわよ」

リースはボスが居ないという事を明日奈に伝えるとアジトの内部に繋がる扉に向かって歩いて行く、明日奈はそんなリースの背中を拗ねた顔を浮かべつつ追った。



アジト内部

アジトの内部にはリースの催眠爆弾の煙は入って来てないようだ、その為明日奈とリースの目の前にある、この明らかに盗賊団のボスが居そうな大きな扉の向こうにも煙は入ってない筈なので、中でボスはピンピンとして侵入者である明日奈とリースを待っている筈である。

「ねぇ一個で良いからちょーだい」

「い・や・よ、ほら扉開けるわよ」

外でリースが睡眠爆弾を使ってから5分経っていたが明日奈はまだリースに睡眠爆弾クレとおねだりしていたがまた拒否された、拒否された明日奈は耳をペタンとさせさらに拗ねる、リースはそんな明日奈を無視し扉を開けた。

「!」

「ッ!」

リースが扉を開けると中から丸太が飛んで来た、明日奈とリースはそれぞれ左右に飛び丸太をかわした、中から飛んで来た丸太は明日奈とリースの背後の壁を破壊すると落ちて行った。

「ガハハ!俺様のいきなりの丸太攻撃をかわすとはやるなお主ら!」

明らかに大きな物を投げましたと言うポーズをしている盗賊団のボスらしき巨大な男はガハハと笑っている、そして投げましたポーズから戻り普通に立つとドシドシと部屋の中にある丸太置き場に近付くと二本取り両手で構える、どうやら彼は丸太を武器に戦うようだ。

「・・・」

明日奈はそれを見て、丸太を武器にして戦う人なんて初めて見たわ、と思っていた。

「さてと戦おうではないか!小娘共よ!」

そして大男な盗賊団のボスは丸太を振りかざし明日奈とリースにドシンドシンと近付いてくる、そのスピードは意外と速い。

「ガハハ!」

そして明日奈とリースをリーチに収めた盗賊団のボスは両手の丸太を同時に振るった、明日奈とリースはその攻撃をかわしたが、盗賊団ボスの攻撃は簡単に壁を破壊した。

「・・・すご」

「当たったら一発で負けるわね、こりゃ・・・」

明日奈とリースが盗賊団ボスの攻撃力に呆れていると盗賊団ボスは次の攻撃を放って来た、二本の丸太による縦振りの同時攻撃だ、二人はまた左右に飛んでその攻撃をかわす、そして盗賊団ボスの今度の攻撃は床を破壊し床に大きな穴を開けた。

「ヤッ!」

今度は盗賊団ボスの攻撃に呆れず即次の行動に移った明日奈は盗賊団ボスの顔に蹴りを放ったが、盗賊団ボスはその攻撃を物ともしない

「ガハハ!効かん!」

そして重力に従って落ちる明日奈に丸太による攻撃を放った、明日奈はその丸太による攻撃を刀で防ごうとしたが防ぎ切れる訳もなく丸太の攻撃を受け地面に叩きつけられた。

「お狐ちゃん!」

それを見たリースが盗賊団ボスの後ろから接近し盗賊団ボスの足を剣で突き刺した、足に痛みを感じた盗賊団ボスはリースを見ると丸太を横振りに振るう。

「くっ!」

リースはその攻撃をしゃがんでかわす、そして丸太の攻撃を受け頭から血を流し目に光が無い明日奈がゆらりと立ち上がると、そのままボスに向けて下からの斬撃を放った。

「おおっと、ガハハ!危ない」

だが盗賊団ボスは身軽に明日奈の攻撃をかわした、攻撃をかわされた明日奈は更に追撃を行う。

「フン!」

ボスは迫る明日奈にクロス攻撃を放ったが、明日奈はそれをあっさりとかわした、そしてそのまま盗賊団ボスの顔を蹴り上げた。

明日奈に顔を蹴り上げられた盗賊団ボスの顔が上にあがる、それを見たリースは盗賊団ボスの左腕を剣で突き刺した、左腕を刺された盗賊団ボスは左手で持っていた丸太を落とす。

「ガハハ!」

盗賊団ボスは左腕が使えなくなっても怯まない、使える右腕での攻撃を放った、その攻撃は盗賊団ボスの左腕から剣を引き抜き距離を取ろうとしていたリースに命中する。

「グハッ!」

丸太で殴られたリースは殴られた衝撃で血を吐きつつ吹っ飛び壁に激突しする、盗賊団ボスは壁に激突したリースにトドメを刺そうとドシンドシンと近付いていく。

「・・・」

攻撃を放ち倒れていた明日奈が再び目に光が無いままユラリと立ち上がると、盗賊団ボスの背後から一気に攻撃を仕掛ける、それに気付いた盗賊団ボスは後ろに向けて丸太を振るった。

「なんと!」

盗賊団ボスは自身の攻撃をかわしそして丸太の上に飛び乗った明日奈を見て驚いた声を上げる。

「これで終わりです」

そして目に光が戻った明日奈?は刀を両手で構え振り上げると盗賊団ボスの胴体に向けて振り下ろした。

明日奈の一撃は盗賊団ボスの胴体を斬り裂く、胴体を斬り裂かれた盗賊団ボスはユラリと後ろに向けて倒れた。

「・・・」

そして明日奈も盗賊団ボスが倒れた事を確認すると倒れる。

「お狐ちゃん!」

倒れた明日奈にリースが駆け寄る、リースはすぐに脈を確認し明日奈が死んだ訳ではない事を確認すると明日奈を背負いアジト内部から出る、そして手筈通りに静かになった所で倒された盗賊達を回収しに来た近くの村人に依頼が完遂した事を伝えると報酬を貰い、盗賊達の捕縛を頼むと急ぎ近くの町に走って行った。




診療所

「・・・ん」

金色の九尾の瞳がゆっくりと開いた、そしてゆっくりと身を起こしたが頭が痛んだので押さえる。

「あら、起きたのね、お狐ちゃん」

リースはそう言うとホッとした浮かべる、そしてここは何処だと言う顔をしている明日奈に理由を説明する。

「あんたあの戦いの後すぐに気絶したの、だからあたしがわざわざこの町の診療所まで運んであげて治療を頼んであげたってワケ、分かった?」

明日奈はリースの説明を受けて納得した表情でベッドに横になった、どうやらまだ頭が痛むらしい。

「あんたあの戦い殆ど覚えてないんじゃない?」

「うん」

「やっぱり、気絶したまま戦ってたのね」

明日奈は盗賊団ボスの上から叩きつける攻撃を受けた時に既に気絶していた、つまり明日奈は意識がないまま盗賊団ボスを倒したのである。

「なんで立てたのかしらね?」

「うーん・・・」

明日奈はリースの言葉を聞き何故立てたのか考えてみるが思い付かない、気絶したまま戦うなんて技能は持っていないからである。

「不思議ね」

「うん」

そんな二人を見守る桜が明日奈に渡した刀、新月が意味ありげにキラリと光ったのに二人が気付くことは無かった。

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