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金色の九尾ll アンダーワールド  作者: ブレイブ
四章三部アンダーワールドよ!私は帰って来た!
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八十二話

サムロット王国シシッサ山脈

歌を手に入れてから二週間後、明日奈はサムロット王国シシッサ山脈の山頂にいた、ここシシッサ山脈はサムロットの北部と中部を隔てている巨大な山脈である。

「ふふふ、良い眺め」

明日奈はシシッサ山脈の高台からこれまで歩いて来たサムロット王国の北部を眺め、この二週間の間にアイスドラゴンに追いかけ回されたりロボット達の軍団を見つけてなんとか洞窟に隠れやり過ごしたりなど様々な出来事があったが明日奈は無事このシシッサ山脈までやって来た。

「さてと、この山を一気に降りちゃいましょう」

明日奈は軽い足取りでシシッサ山脈の中部に続く道を早足で降りて行く。



シシッサ山脈中部側麓

明日奈はシシッサ山脈中部側の麓の酒場で昼食を取っていた、ここから次の街までこの日で一気に行くつもりだがお腹が空いていては行ける気がししないのでまずは腹を満たしているのである。

そして明日奈が頼んだ料理を半分程まで食べ終わった頃一人の女性が酒場に入って来た。

「ゲッ!」

女性が入って来る様子を見ていた明日奈は顔を見られる前に頭を伏せて顔を隠す、しかしその女性は明日奈のピンと可愛らしく伸びた狐の耳とツヤツヤとした毛並みの尻尾を見付けるとニヤニヤとしながら明日奈に近付いて行き隣に座る。

「やぁやぁいつかのお狐ちゃんこんなところで会えるなんてねぇ」

「・・・」

顔を隠してもあっさりと正体を見破られた明日奈は耳と尻尾も隠すんだったと思いつつ不機嫌そうな表情をした顔を上げ、隣に座った女性を見る。

この女性の名前はリース、二度明日奈と戦い絶対に明日奈を殺すと宣告したバウンティハンターの女性である、この世界アンダーワールドで明日奈が一番会いたく無い相手である。

「こんなところで何してるの?」

「んー?この近くにターゲットが居てねぇ丁度狩って来た帰りよ」

明日奈の質問にリースは意外と素直に答えてくれた、しかしターゲットと言う言葉を聞いた明日奈は眉を潜める。

「・・・ターゲットってまさか」

「あぁ人じゃ無いわよ、今狩ってきたのは魔物、そして私は今はバウンティハンターからは足を洗って冒険者やってるの、つまりあんたとあたしは同業者ってワケ」

明日奈はリースの話を聞きホッと一息を吐いた、どうやら人を狩ったわけではないようだ、そして明日奈はもしリースが人を狩ったと言うのであれば一発ブン殴るつもりであった。

「それじゃあ、私の命を狙うのは止めてくれるって訳ね?」

「えっ?あんたは殺すけど?」

同業者になったのならもう命は狙って来ないだろうと明日奈は思ったが、どうやらまだ狙って来るらしい、明日奈は面倒臭いストーカーが出来ちゃったなぁと思い、思いっきりうなだれた。

「まぁ今は殺さないけどね」

「そ、そう」

リースは殺すと言われ警戒し刀に手を振れている明日奈の右手を横目で見つつ今は殺さないと言った、明日奈はリースの言葉を聞き刀から手を離し左膝に手を置いた。

「それでさぁあんたに頼みたい事があるんだよねぇ」

「何?」

「実はねぇ・・・」

明日奈に頼み事があると言ったリースはその頼み事の内容を明日奈に話し始めた。




ナリョン平原

ここはナリョン平原サムロット王国の中心部である王都はこのナリョン平原の中央部にある、そんなナリョン平原を歩く明日奈とリースはとある場所に向けて歩いていた。

「それでこっちであってるの?その盗賊団がいるって砦の場所は」

「あってるわ」

「そう」

リースが明日奈にした頼み事とは最近この周囲の村や町を荒らしている盗賊団の討伐依頼を手伝って欲しいとの事だった、流石のリースでも一人で大人数いる盗賊団を相手するのは厳しいのでたまたま居た明日奈にこの頼み事をしたようである、そして報酬はちゃんと山分けしてくれるそうだ。

「・・・」

「何?」

「何でもないわ」

明日奈は後ろを歩くリースをずっと警戒している、今は殺さないと言っていたが、この女性を信用し切る事など不可能だ、だから明日奈はリースを警戒する。

「フゥ・・・」

リースはそんな明日奈を見て一度溜息を吐くと一気に明日奈の背後に近付くと明日奈を羽交い締めにし明日奈の首に剣を突き付けた。

「ッ!」

「ねぇ、剣を抜いてないあんたなんてさぁ、こんな風にあたしなら何時でも殺せんの、だからそんな警戒すんな、鬱陶しい」

リースは言いたい事を言うとすぐに明日奈から離れ剣を鞘に戻し、明日奈の前に出てさきに進んで行く。

「・・・」

明日奈はそんなリースの背中を見つめ、そんな簡単にあんたに対しての警戒を解く事なんて出来るわけないじゃないと心の中で毒付いた。


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