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金色の九尾ll アンダーワールド  作者: ブレイブ
四章三部アンダーワールドよ!私は帰って来た!
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八十一話

第39遺跡

明日奈が広場の中に入るとすぐに後ろの巨大な扉が閉まった、どうやらこちらが勝つか、こちらが死ぬかまでは扉は開かないようだ。

「・・・」

明日奈は静かに目の前に居る存在を見据えている、この第39遺跡の歌を外敵から守る天使の姿をした守護者を。

「・・・侵入者には死を」

天使の姿をした守護者は剣を抜くと明日奈に向けて斬りかかってきた、明日奈は既に抜いていた刀で応戦する。




「・・・」

天使は無表情のまま明日奈の目前まで来ると剣を振り上げ振り下ろす、明日奈はそれを左に避けてかわしすぐに天使に蹴りを放ったが天使は上に飛び上がる事でそれをかわした。

宙に浮かんだ天使は羽を振るい羽をこちらに飛ばして来た、その羽は様々な色の光を放っており恐らくは様々な属性を含んでいるのだろう。

明日奈はこちらに突き進んで来る羽を刀で叩き落としながら天使に向けて駆ける、そして天使の真下まで来ると、剣を下手に構える。

「光よ!私の刀に光を灯し聖なる力を与えなさい!光の歌!」

そして明日奈が刀を下から上に振るうと光の斬撃が天使に向かって飛んだ、天使はそれをかわしたが、かわした先に明日奈が居た。

「ふっ!」

明日奈は天使の顔に全力の蹴りを喰らわせた、蹴りを受けた天使は吹き飛ばされ地面に落ちる、明日奈は光の板を宙に出現させるとそれを蹴り天使の元に迫る。

「・・・」

地面に落ちた天使はすぐに立ち上がり迫る明日奈を見据えると光のレーザーを放った。

「チッ」

現在空を飛ぶ手段を持たない明日奈はレーザーをかわす事が出来ずレーザーに当たってしまった、そしてそれにより板を蹴る事により付けた勢いが消えてしまい明日奈も地面に落ちてしまった、落ちた明日奈はスタンと地面に着地すると天使を見据え刀を両手で構える。

「・・・!」

天使は羽を羽ばたかせると低い高度を維持したまま明日奈に向けて突っ込んで来る、明日奈はそれをバックステップをして後ろに下がりつつ魔法銃で魔法弾を撃つながら邪魔しようとするが天使は明日奈が撃つ銃弾を全て余裕でかわしている、そして天使は明日奈の目前まで来ると剣を振り下ろした。

明日奈は天使の剣を刀で受け止めようとしたが受け止めきれず、吹き飛ばされた、天使は吹き飛んだ明日奈に更に追撃を加える。

「・・・終わり」

天使はまだ宙に浮いている明日奈の真上に来ると剣を振り下ろした、明日奈はその天使の剣を左手に魔力を集める事で掴むとそのまま天使を地面に叩き付けた。

そしてようやく吹き飛ばされた勢いが消えた明日奈も地面に落ちてズザザと地面を滑る。

「ッ!」

明日奈に地面に叩き付けられた天使は既に立ち上がっており、まだ立ち上がれていない明日奈に向けて羽を飛ばして来た、明日奈は短く歌を歌いシールドを貼ることで羽を防いだ、そしてもう一度歌を歌う。

「木よ!その堅き根で敵を拘束しなさい、木の歌!」

明日奈が歌うと地面から根っこが飛び出して来て天使の腕や足に巻き付き拘束した、拘束された天使は無理矢理拘束を振り解こうとしているが拘束を振り解けない、業を煮やした天使は羽で剣を持っている左腕を拘束している根を叩き斬ると、後は腕や足を拘束している根を斬り落とす。

「セェイ!」

根を斬り落とされる事は分かっていた明日奈は天使が根を斬り落としている間に天使との距離を詰めていた、そして天使に向けて振り上げていた刀を振り下ろす。

「・・・っ!」

天使はサッと左に身をかわしたがそれでも明日奈の剣は天使の左の羽を捉え、天使の左羽を斬り落とした、天使の左羽を斬り落とした明日奈は今度は横振りに剣を振るうが天使はそれをしゃがんでかわし明日奈に向けて突きを放った。

その突きは明日奈の左肩に命中した、明日奈は天使に腕を斬り落とされる前に後ろに下がり天使の剣を腕から引き抜くと自分も突きを放ち、天使の左足を刺した、左足を刺された天使はバランスを崩し倒れそうになるがなんとか踏み止まり、下から剣を振り上げた

「くっ!ハァァ!」

天使が振り上げた剣は明日奈の腹を斬り裂いた、明日奈はその痛みを堪え天使の胸に剣を突き刺した。

「・・・ッウウ!」

明日奈の刀は確かに天使の心臓を刺し貫いた筈だか天使はまだ絶命していないようだ、天使は明日奈の頭を潰そうと両手で明日奈の頭を掴み力を込めて行く。

「・・・」

明日奈は天使に頭を潰される前に刀を離し天使の頭の右側に魔法銃を突き付けると引き金を引いた、バーンと音と共に頭を魔法弾で撃ち抜かれた天使の体が宙を舞う、そしてバタリと天使の体が地面に落ちる。

明日奈は倒れた天使の元に左肩を抑えながら近付いていく、そして天使が絶命している事を確認するとペタリと尻餅を付きハァァと息を吐いた。

「勝ったぁ」

そして地面に寝転ぶと治療の歌を歌い傷付いた体を癒した。




傷を癒した明日奈は立ち上がり尻尾を九本から一本に戻してから立ち上がる、そしていつの間にか開いていた奥の部屋に向けて歩いて行く。

「・・・」

奥の部屋の内部には台座があり、その上にはプレートがある、明日奈は台座の目の前に来るとプレートを手に取りバックパックに入れた。

「さてと、町に戻ってギルドマスターに歌を手に入れたって事を報告しないとね」

明日奈は部屋を後にするとミアの村に向かった。





ミアの村宿屋

ミアの村に戻った明日奈は冒険者ギルドに向かい歌を手に入れた事をギルドマスターに報告した、そしてギルドマスターから仲間達に連絡がついた事も教えて貰えた。

どうやらミリア達のチームは現在このサムロットの南に居るようで、ギルダーツ達ワールドセイバーはサンダーラに居るようだ、そしてウィリアム達はこの国サムロットの中心地の街で明日奈を待つと言い通信を切ったそうだ。

「ふふふ、早くみんなに会いたいわね」

暖かいお風呂を満喫している明日奈は大切な仲間達に会える日を楽しみにしつつ尻尾を嬉しそうに揺らしていた。

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