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金色の九尾ll アンダーワールド  作者: ブレイブ
四章三部アンダーワールドよ!私は帰って来た!
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七十六話

天上界

未来と今日香を産まれてから一ヶ月の月日が流れた。

「ふふふ、寝ちゃったわね、未来、今日香、お休み」

明日奈は眠った未来と今日香の頭を撫でてから、側に置いておいた木刀を持って立ち上がり庭に出ると素振りを始めた。

この数ヶ月、医師に安静にしていろと言われたり未来と今日香のお世話をしたりと体を動かす暇が無く体が鈍ってしまっている、明日奈は鈍った体を元に戻す為素振りや神狐と模擬戦をしたりしている。

「おぅおぅ、可愛い孫達は眠っておるのか」

明日奈がブン!ブン!と木刀を振っていると館の奥から神狐がやって来た、神狐は未来と今日香の頬に尻尾の先をチョンと当ててから明日奈の元にやって来た。

「さてと、明日奈よ今日も付き合ってやろう」

「うん、お願い」

そして神狐と明日奈の模擬戦が始まった。


明日奈と神狐は少し離れた位置に立って向かい合っている、そして同時に駆け出した。

「ハッ!」

「セェイ!」

駆け出した二人は互いに一気に距離を詰めるとコン!と木刀がぶつかり合う音を庭に響かせる、そして同時に後ろに飛んで距離を取るとまた木刀をぶつけ合う。

明日奈は突きのモーションから横振りに切り替えた攻撃を神狐に放ったが神狐はあっさりとそれを受け止め一度剣を引いてから強烈な横振りの斬撃を放った。

「ッ!」

明日奈はその斬撃に反応し何とか剣で防いだが、木刀を持った腕が神狐の斬撃に耐え切れず跳ね上がってしまった、神狐は慌てて剣を構え直そうとしている明日奈の首に木刀を突き付けた、この勝負神狐の勝利である。


「ふふん、まだまだじゃのう、明日奈」

模擬戦に勝利した神狐はニヤニヤと明日奈にまだまだだと言った、模擬戦に負けた明日奈は勝ち誇る神狐を見て拗ねた顔をする。

「明日奈様!」

神狐に何か言い返そうとしていた明日奈だったが、言葉を発する前に玲狐に呼ばれたのでそちらを見ると、どうやら未来と今日香が目を覚ましたようで泣いてしまっているようだ。

「あらあら、どうしたの?未来、今日香」

同時に泣き始めてしまった我が子の元にやって来た明日奈は、今日香より激しく泣いている未来を抱きあやす、今日香は神狐が抱きあやしている

「うーんおしめは濡れてないわね、ふふふ、お腹が空いたの?」

明日奈はそう言うと未来に母乳を与えてみた、すると未来はすぐに泣き止み母乳を飲み始めた、どうやらお腹が空いていたらしい、そして明日奈は玲狐に未来を渡してから、神狐からまだ泣いている今日香を受け取った。

「今日香もおしめは濡れてないわね、ふふふ、二人共私に似て食いしん坊ね」

そして明日奈は今日香にも母乳を与えた、すると今日香もすぐに泣き止み、どうやらこちらもお腹が空いていたようだ。


明日奈は泣き止んだ二人を籠タイプのベビーベッドに寝かせるとニコニコと嬉しそうに二人の様子を眺める。

「お前の子は可愛いのぅ、明日奈よ」

「そうね、本当に可愛いわ」

明日奈はスクスクと成長する二人の娘の姿を見て幸せを感じ幸せそうに微笑んだ。



ワールドセイバー地球支部

翌日、響に魔導通信を感じた通話により呼ばれた明日奈は未来と今日香を乳母車に乗せ地球支部にやって来た。

「あらおはよう、明日奈、久し振りね」

地球支部の受け付けで金色の九尾が地球支部にやって来たのを見つけたとある女性が金色の九尾に挨拶をした。

「ええ、久し振りねリサラ」

リサラとは地球支部の受付嬢であり、明日奈の友達の一人である。

「それでその子達が貴女の?」

「ええ」

「可愛いわねぇ」

「でしょう?」

「と言う事で抱かせなさい」

「良いわよ」

明日奈に許可を貰ったリサラは細心の注意を払いつつ今日香を抱いた。

「良いわねぇ、赤ちゃんって、私も結婚しようかしら」

「私まだ結婚してないけどね」

「そういやそうだったわね」

明日奈はまだウィリアムとの結婚式を挙げていない、予定より大幅に遅れてしまうでだろうが、アンダーワールドの解放が済んだら彼との結婚式を挙げる予定である。

「ねぇ明日奈、彼が居なくて寂しいんじゃない?」

「うーん、この子達が居るから寂しくはないかな、早く会いたいとは思うけどね」

「ふぅん、幸せそうで羨ましいわ、この幸せ・・・者め!」

リサラはそう言うと今日香を乳母車に戻してから明日奈の横っ腹を指先でツン!と突っついた、明日奈はいきなりの指先での攻撃にピクンと体を反応させてしまう。

「あら?やる気?」

「ええ、やる気よ、かかってきなさい」

そして二人のこしょばせバトルが始まりかけたその時、リサラは後ろで不穏な気配がしたので振り返る、そこには。

「リサラちゃん?何時まで遊んでいるのかしらぁ?」

かなり怒った顔をしたリサラの先輩が居た

「えっと、いや、その、明日奈が・・・って居ないし!」

明日奈も悪いとリサラは言おうとしたが、明日奈は自分も怒られる前にさっさと娘達と共にエレベーターに乗り込んでいた、そしてエレベーターの中でヒラヒラとリサラに向けて手を振っておりそして扉は閉まりエレベーターは上に向かった

「この、裏切り者ぉ!」

この後リサラは上司にタップリと怒られた




チーム29

明日奈は乳母車を押し、チーム29の部屋にやって来た、そして部屋の中に入ると中には響とワトソンが居た、現在チーム29はウィリアム、ギルダーツ、ミランダがアンダーワールドに、明日奈は子育て中と大半のチームメンバーに居ない為活動休止中である、その為響とワトソンは地球支部内部の業務の手伝いを主な任務としている。

「こんにちは響、それで何の用なの?」

明日奈は早速響が自分をここに呼んだ理由を聞く。

「君に次の次元の狭間が何処に何時現れるのか知らせようと思ってね」

「やっぱりね、それで何時なの?」

どうやら響は明日奈に次、次元の狭間が何処に何時現れるのかを教える為、明日奈をここに呼んだらしい、明日奈は早速いつ次元の狭間が現れるのか響に聞いた

「三ヶ月後の第532世界、火龍の丘だ」

「なんか熱そうなドラゴンがいっぱい居そうな所ね?」

「実際に火龍だらけの丘だよ、火龍の咆哮とかして来るかもね」

「そう・・・」

明日奈はなんでそんな面倒くさい所にと思ったが、アンダーワールドに行く為には次元の狭間を通らないといけない為、我慢する事にした。

「それで君はアンダーワールドに行くのかい?」

「うーん・・・」

響にアンダーワールドに行くのかと聞かれた明日奈だが素直に行くとは言えなかった、何故なら二人の子が居るからだ。

「その子達が居るしすぐに行くとは言えないか」

「うん・・・」

未来と今日香がアンダーワールドに行っても安全な方法があるのなら明日奈も素直に行くと言えるが、そんな方法簡単には見つからない筈だ、なので明日奈は何とも言えない反応しか出来ない。

「君のお母さんなら何か良い方法を知ってるんじゃないかい?」

「そうね、多分お母さんなら何か良い方法を知っているでしょうね、後で聞いてみるわ」

「うん、それじゃ次の次元の狭間が開くのは三ヶ月後の火龍の丘だ、忘れないでくれよ?」

「分かってる」

明日奈は次の次元の狭間が現れる場所を教えてくれた響にお礼を言ってから立ち上がり、チーム29を出た。




アンダーワールド、第四十二遺跡

メリア、ウィリアム、シュルク、白花の四人は現在ワールドセイバーとは別行動を取り、歌の一つがあるかもしれないと噂される第四十二遺跡に居た、現在はメリアが見事に罠に引っ掛かってしまい発動した罠、沢山の魔物に対処しようとしている途中である。

「うぅ・・・ごめんなさい」

「まぁ仕方ねぇさ、なぁシュルク?」

「そうだ、落ち込む必要は無いぞ、メリア」

『そうですよメリア、私が居るのですから大丈夫です』

「よしよし」

仲間全員に慰められるメリア、慰められ元気が出て来たメリアは仲間達の前に出た。

「皆ありがと!、さぁ頑張ろっか!」

グッとガッツポーズをするメリア、その足元でゴトッ!っと音がしたのでメリアは下を見るとどうやら左足で何やらスイッチを押してしまっているようだ。

「え、エヘヘ」

メリアは笑って誤魔化した。

「「「「・・・」」」」

『まぁそのメリア、足元には注意です』

笑って誤魔化していたメリアは仲間達の呆れた表情に耐え切れなくなり、泣きながら更に増えた魔物達に突っ込んで行った。

「ごめんなさーい!」


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