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金色の九尾ll アンダーワールド  作者: ブレイブ
四章二部地球よ私は帰って来ちゃった!?
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七十四話

明日奈が悩むお話

ワールドセイバー地球支部、病院

明日奈は地球支部の病院に居た、そこでお腹の中にいる子供達の様子を見てもらって居る

「うん、問題は無さそうよ、このまま無事に成長すれば元気に産まれてきてくれるでしょう」

「そっか・・・良かった・・・」

明日奈はお腹の中にいる子供達が無事に産まれてきてくれるだろうと聞き安堵した表情を浮かべ、そして愛おしそうに自分のお腹を撫でる

「でも私は医師として貴女に言わなきゃいけない事があるわ、貴女はその子達が産まれるまでもう戦うのは止めなさい、その子達に元気に産まれてきて欲しいのならね」

「・・・」

明日奈は医師の言葉を聞き俯き何も言えなくなった、明日奈も分かっているのだ、子供達が無事に産まれるまではもう戦うべきでは無いと

しかしアンダーワールドにずっと閉じ込められている人々の事を知り、そしてその人達を救えるのは自分だけと知った今この地球に何時までもいる事は明日奈には出来ない

「先生・・・この子達は後何ヶ月位で産まれてくるの?」

「後四ヶ月ね、そして次の次元の狭間が現れるのは今から一ヶ月と少し後と私は聞いたわ、子供が産まれる二ヶ月前の女性をそんな危険な世界に行かせるだなんて私には出来ないわ、だから明日奈さん、せめてその子達が産まれてからあちらの世界に行って頂戴、優秀な私達ワールドセイバーのエージェント達なら貴女が来るまでの間確実にロボット達を止めてくれる筈よ、だから貴女はその子達が産まれるまでは絶対にあっちの世界に行っては駄目」

医師は明日奈の両手をギュッと握り締めると明日奈の瞳をしっかりと見て明日奈に言葉を伝える、明日奈は医師の言葉を聞いてまた俯いた

「・・・少し考えてみます」

明日奈は立ち上がるとドアの方に向かう

「正しい選択を貴女が選ぶ事を私は期待しているわ」

明日奈は医師の最後の言葉を聞きてから部屋を出た




ワールドセイバー屋上

いつかウィリアムと共に座った事があるベンチに座り明日奈は空を眺め考えていた、子供達の為にこの世界に残るのか、それともアンダーワールドに閉じ込められた人々やウィリアムやメリアやシュルクと言う仲間達の為にアンダーワールドに戻るのかを

「・・・はぁ、私だけじゃこんな事決めきれないな・・・」

明日奈は溜息を吐いてからそう言うと立ち上がり、転移した



アースフィリア首都

アースフィリアの首都に転移して来た明日奈はとある人物に会う為、アースフィリア首都の王城にやって来た、アースフィリアとは数日前レビィや鈴と共に依頼を受けたグラン王国の隣の国である

「こんにちは、アリシアさんは居る?」

王城前の衛兵に明日奈はアリシアが王都に居るかどうか聞いた

「はい、いらっしゃりますよ、案内しましょうか?」

ちなみに王都の衛兵達は明日奈が以前来た時にこの国の王アリシアに明日奈の顔を覚えるよう言われている為、割と簡単に通してくれる、勿論他の者は非常に厳重な手順を通してからでないと通してくれない

「ううん良いの、自分で行く」

「分かりました」

明日奈はアリシアに会う為、城の中に入った



アリシアの部屋

明日奈はアリシアの部屋の前までやってくるとノックをする、すると中からどうぞと聞こえて来たので中に入る

「こんにちは、明日奈、貴女の魔力はさっきから感じていたわ、それで今日はどうしたの?」

エルフの国の女王兼、万屋の店長アリシアは明日奈がこの王城にやって来た理由を早速聞いた

「うん、ちょっと悩んでる事があってね、アリシアさんに相談に来たの」

「そう、良いわ話してみなさい」

「うん・・・」

明日奈はアリシアに悩んでいる事を話し始めた




「・・・そうね、私もその先生と同意見かしらね、これから産まれて来る尊い命をわざわざ危険に曝す事に賛成なんて出来ないわ」

「でも・・・私は・・・」

「貴女はその子達の母親になるのよ?そんな貴女が産まれて来る前の子供達を危険に曝してどうするの?それにワールドセイバーのエージェント達がそのアンダーワールドに向かうのでしょう?その人達を信じて任せた方が良いと私は思う、貴女は何よりその子達を無事に産むのが母親として優先すべき事よ」

アリシアはこれから母親になる残るべきか戻るべきか悩む明日奈を優しく抱きしめながら優しく言葉をかける

「それに貴女の夫の彼だって、出来ればここに残って元気な子を産んで欲しい筈よ」

「・・・」

明日奈はアリシアの言葉に出たウィリアム、彼がここにもし居たとすれば何と言うのか考えてみた

『俺がどうにかしてやる、だから心配しなくても大丈夫だぜ?明日奈』

(そうね貴方ならこう言うでしょうね)

明日奈はアリシアから離れ立ち上がると転移の準備をする

「それでどうするの?」

「最後にお母さんの意見を聞いてみるつもりそれから決めようと思う、ありがとね?アリシアさん」

「そう、それじゃあ、またね明日奈」

「うん、また」

明日奈はアリシアに挨拶を返すと天上界に向けて転移した




天上界、神狐の館

明日奈は天上界にやって来ると母の部屋に向かった

「それでどうしたら良いと思う?お母さん」

「そうじゃのう・・・ワシは残って元気な子を産んで欲しいと思う、お前はどうしたいのじゃ?」

「俺は残るべきだと思うぞ、うん」

「お主は黙っておれ」

母にどうしたいのか聞かれた明日奈はこれまでの人達の意見を聞き母の意見を聞き決めた答えを話す為、口を開けた

「うん、私は・・・」




二ヶ月後、第256世界ナナイの丘

ここは256世界のナナイの丘である、これからこのナナイの丘に巨大な次元の狭間が現れアンダーワールドにワールドセイバーのエージェント達が向かう予定である

大分お腹が大きくなった明日奈はこのナナイの丘にやって来ていた

「それじゃお願いね?ギル」

「おう、お前が来るまでの間ちゃんとお前の代理をしてやるから安心しな」

明日奈は悩んだ結果、子供達の為に地球に残る事を選んだ、そしてギルダーツにウィリアムに描いた手紙を今渡した

「この手紙は必ずあいつに届けるから安心しろ」

「うんお願い、それとこれも持って行って」

明日奈は左手に持っていたホワイトローズをギルダーツに渡した

「良いのか?この剣を持って行っても」

「うん」

「誰に渡せば良い?ウィリアムか?」

「ううん、ウィリアムと一緒に居るメリアって子に渡してくれる?」

「メリアだな、分かった」

明日奈は自分が見込んだメリアならホワイトローズを使えると信じてホワイトローズをギルダーツに渡したのだ、ホワイトローズの力は確実にメリアの力になってくれる筈だ

「それじゃ離れろ、もうそろそろ次元の狭間が開く時間だ」

「うん」

明日奈はギルダーツに手を振り離れると少し2分ほど歩いた地点で振り返りアンダーワールドに向かう彼らの無事を祈る歌を歌う

「綺麗な歌だな」

「あぁ力が湧いてくるよ」

ギルダーツとミランダがそう言うと次元の狭間が発生した、次元の狭間はギルダーツ達、ワールドセイバーのエージェント達を吸い込むと消失した

「みんな・・・お願いね」

明日奈は歌を歌うのをやめるとこの場所に一緒に来ていた、レビィと共に自宅に戻って行った



アンダーワールド

アンダーワールドに無事到着したギルダーツは部隊を指揮し情報を集めつつ、ウィリアムと無事会う事が出来た、そして明日奈から渡された手紙をウィリアムに渡す

「・・・そうか、待ってるぜ明日奈」

ウィリアムは手紙を大切に鞄の中にしまった、手紙を渡す前にメリアとは誰かを聞いたギルダーツはメリアの元に向かい彼女にホワイトローズを渡す

「・・・」

ホワイトローズを受け取ったメリアはホワイトローズを鞘から抜き取り、数回振ってからまた鞘に戻した

「私、明日奈の思いに絶対答えてみせるから、だから早く帰って来てね?明日奈」

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