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金色の九尾ll アンダーワールド  作者: ブレイブ
四章二部地球よ私は帰って来ちゃった!?
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七十一話

明日奈の自宅

朝、スースーと気持ち良さそうに寝息を立てて明日奈は眠っている、時折狐の耳や尻尾がピクリと動いている

「んー?」

目を覚ました明日奈はムクリと起き上がる、欠伸をして伸びをしてから目を開け

「ヒャァァ!」

左を見た明日奈は驚いた叫び声をあげた、なぜ叫び声をあげたのかと言うと明日奈が眠るベットの左隣に何者かが立っていたからだ

「おはようございます、明日奈さん」

「・・・うん、おはよ」

明日奈の左隣に無言で立っていたのは鈴だった、鈴は明日奈のお付きであり、明日奈の母神狐のお付きである玲狐の娘である

明日奈のお付き鈴は明日奈がこのアパートに住み出してからはたまに転移で部屋の中に侵入してきて明日奈を驚かせるのだ

「さぁ朝御飯を用意してますよ、食べて下さいね」

「うん」

毎回の事でもう玄関から入りなさいと言う気力も無くなっている明日奈は鈴に手を引かれリビングに向かった



「それで?今日はどうしたの?」

モグモグと嬉しそうに鈴が作った朝御飯を食べている明日奈は鈴が何をしにやって来たのか聞いた

「はい、お母様から明日奈さんが帰って来たと聞きましたので、久し振りにお世話がしたいと思いここに来ました」

「そう」

ここに来た理由を話した鈴は机の上にあった櫛を取ると明日奈の髪の毛を解き始めた、明日奈はモグモグと満足気な表情で朝食を食べる

「はい出来ました」

髪を解き終えた鈴は明日奈にまた机の上にあった鏡を取り明日奈に渡す

「ん、ありがとって・・・何でツインテール?」

鈴から鏡を受け取った明日奈は鏡に写った自分の姿を見て、鈴に何故この髪型にしたのか聞いた

「ふふふ、答えは単純です、可愛いからです」

「そう」

「どうですか?何時もと違う髪型にしてみて」

「悪く無いわね」

明日奈は鏡に写る自分を見て、何時もはストレートで通しているがたまには髪型を変えてみようかと思ったのだった




レビィとC1が起きて来た、二人は鈴を見ると朝の挨拶をしそのまま作られている朝食を食べ始めた、鈴は明日奈が居ない間もこのアパートによく来ていた、その為二人はもう鈴が勝手に部屋の中に入って来ているのを見ても驚かないし何も言わないのだ

「慣れたものね、二人とも」

「うん」

「いつもの事だよ、明日奈お姉さん」

「そうね」

そして二人が朝食を食べ終わったのを見張らかってから三人にこの日何をしたいか聞く為口を開いた

「ねぇ三人とも、今日何かしたい事ある?」

「何かしたい事ですか・・・」

「うーん」

「私は家でゴロゴロしたいです」

鈴とレビィは明日奈が聞いた事に対しこの日何をしたいか考え始めたが、C1は何もする気は無いようだ

「何も無いなら、グラン王都の冒険者ギルドで何か依頼を受けようと思ってるんだけど」

グラン王都とは明日奈が一番最初に旅をした世界第57世界にあるグラン王国の王都だ

「私はそれで良いよ」

「私もそれで大丈夫です、また考えて来ますね」

「分かった、それじゃグラン王都に行って何か依頼を受けましょう」

こうして明日奈とレビィと鈴はグラン王都の冒険者に向けて転移した、C1は手をヒラヒラと振って転移する三人を見送った後、ソファの上で眠り始めた




グラン王都

二人の妖狐と一人のまだ幼さの残る少女はグラン王都に転移して三人はギルドに向かって歩き始めた

「あっ・・・美味しそう」

ギルドに向かう道中、美味しそうなトウモロコシの醤油焼きを焼いている露店を早速見付けた明日奈は露店に向かって吸い込まれて行く

「ダーメ、まだお昼じゃ無いんだよ?お姉ちゃん、だから我慢」

レビィは露店に吸い込まれて行きそうな姉の尻尾を掴むと我慢するように言った

「えー、良いじゃない一本だけ、一本だけ食べさせてよぉ〜レビィ」

「ダーメ」

どちらが姉なのか分からなくなる光景である

「ほら行くよ、お姉ちゃん」

「・・・はーい」

不満そうだが妹の言う事を明日奈は素直に聞く

「ふふふ」

鈴はそんな姉妹の様子を微笑まし気に見つめていた




冒険者ギルド

冒険者ギルドにやって来た三人はクエストボードの前に立っていた、そして三人でどの依頼を受けようかと話し合っている

「ライオットライオンの討伐、Sランククエストで報酬は20万ゴールドだって、これ良さそうだよお姉ちゃん」

ライオットライオン、高温の火炎放射を吐き、爪から火の斬撃を繰り出すAランク相当の魔物だ

「プリザードベアーの討伐も良さそうよ?」

プリザードベアー、氷のブレスを吐き、爪から氷の斬撃を繰り出すAランク相当の魔物だ

「ライジングホークの討伐にしませんか?報酬も中々です」

ライジングホーク、雷撃のブレスを吐き、爪から雷撃の斬撃を繰り出すAランク相当の魔物だ

三人はそれぞれ別の依頼書を選んだようだ、そしてどの魔物を選んでもあまり難易度の差は無さそうである

「うーん皆別々の依頼を選んだのね、どうする?」

「私はどれでも良いですよ」

「ならジャンケンで決めようよ!」

「良い考えねレビィ」

ジャンケンなら誰が勝っても恨みっこ無しの公平な選択となる、その為レビィの提案は良い提案である

「それじゃ、ジャンケン始めるよ」

「うん」





マーム平原

グラン王都の北西に位置する平原であり、常に雷が落ちている危険地帯だ、雷が降り注ぐライジングホークか好みそうな平原に三人が来たと言う事はギルドでのジャンケン勝負の勝者は鈴だったらしい

「尻尾がビリビリするわね、ここ」

「はい、私の尻尾はバチバチします」

二人の妖狐の尻尾はこの平原に流れている雷属性の魔力に反応しているようだ

「ライジングホーク、何処にいるのかな?」

「依頼書によると平原の高台に巣を作るみたいよ」

「高台ですか・・・あれですかね?」

高台に巣を作ると聞いた鈴は平原を見渡し、雷がこれでもかと降り注いでいる高台を見つけたので指をさした

「・・・お姉ちゃん、あそこに行くの?私あれは嫌だよ?」

「私もあれは行きたくないです、と言うかあれ魔物よりあの場所の方が危険だと思います」

「・・・でも行かないとライジングホークを倒せないわよ?」

そうライジングホークを倒し依頼を完遂する為には雷が降り注ぎまくっている危険すぎるあの高台に行かなくてはならないのだ、そんな危険な場所に行きたくないのは人間としては普通の事だ、しかし危険な場所だとしても依頼を完遂させる為には危険な場所に行かなくてはならないのが冒険者である

「そうですね、行かないと倒せません、なら勇気を出すとしましょうか」

「ええ、レビィはどう?行ける?」

「・・・うん、お姉ちゃんどう一緒なら大丈夫だよ」

勇気を出した鈴と違ってレビィは不安気な表情を浮かべている、それでも大好きな姉が居るのならレビィは勇気を出す事が出来るのだ

「良し、それじゃ行くよ、それと私の側から離れちゃ駄目、良いわね?レビィ」

「うん!」

三人は雷が降り注ぐ危険すぎる高台に向けて、歩いて行った




マーム平原高台

高台にやって来た三人は走っていた早くライジングホークを倒し、この高台から離れる為に

雷は明日奈が三人の頭の上に張ったシールドで防がれて居るが、雷がシールドに落ちて来る光景はかなり恐ろしいものである

「怖すぎるよぉ!お姉ちゃん!」

「私も怖いです!」

「私も怖いわ!レビィ、だから早くライジングホークを見付けて倒すわよ!」

雷にビビっている明日奈と鈴の耳はペタンとなっている

「居ました!多分あれです!」

鈴が依頼書に描かれたままの姿をしたライジングホークを見付けたようだ、どうやらライジングホークは眠っているようである

「良し!よく見つけたわね!鈴、一気に倒すよ!」

「はい!」

三人は武器を抜くとライジングホークにかなりのスピードで近づいて行く、ライジングホークは三人が走る音を聞いて目を覚ましたのか立ち上がりこちらを向いて威嚇をして来ている

「ごめんね!攻撃はさせないわ!ホーリーソード!」

まず最初に攻撃を仕掛けたのは明日奈だった、光の斬撃を発動させた剣を構えた、明日奈はそのまま突撃し剣をライジングホークに突き刺してから、剣を抜くともう一撃斬りつけた

「ストリームクロス!」

レビィは風を纏わせたダガーによる斬撃を放ち、ライジングホークの羽にダメージを与えた

「炎属性の魔法弾、発射!」

鈴は魔導スナイパーライフルに炎属性の魔法弾を装填すると頭に向けて発射した、走りながらでも正確な射撃はライジングホークの頭を貫きライジングホークは絶命した

「良し!ここから離れるよ!」

「はい!」

「うん!」

ライジングホークを討伐した証拠品として羽を一枚剥ぎ取った明日奈は二人と共に急いでこの高台から離れた

この後三人はギルドで報酬を貰い、明日奈の自宅に向けて転移した、そして明日奈はちゃっかりトウモロコシの醤油焼きを買っていた




明日奈の自宅

夜、レビィとC1のお休みの挨拶に返事を返しリビングでテレビを見ながらコーヒーを飲んでいる、明日奈の元に風呂から出て来た鈴が近付いてきた

「あの、明日奈さん」

鈴は明日奈の隣に座ると少し恥ずかしそうにモジモジしながら明日奈に話しかけた

「ん?なぁに?」

「今日は明日奈さんと一緒のお布団で寝たいです、良いですか?」

「良いよ」

今日は明日奈と一緒に寝たいと言った鈴の顔が明日奈から一緒に寝ても良いと言われるとパァと明るくなった

「ふふふ、その前に髪の毛を乾かしてあげるわね」

「はい、お願いします」

明日奈が鈴の髪の毛を乾かし終えた後、二人は仲良く一緒の布団で眠くなるまで話した後、眠った

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