七十話
ワールドセイバー地球支部
ワールドセイバー、様々な世界が重なった世界、多重世界の平和を守る為の組織だ、とある世界の軍や警察機関が対象仕切れない犯罪者の逮捕やとある世界の戦争に介入しその戦争を止める、この二点がワールドセイバーの主な仕事だ
妹と母との再会を果たした日の翌日、明日奈はワールドセイバーにアンダーワールドの事を報告する為ワールドセイバー地球支部にやって来た
ワールドセイバーに入った明日奈は受け付けの友達に挨拶をしエレベーターに乗り込み地球支部の明日奈をワールドセイバーにスカウトした人物である佐藤の元に向かった
佐藤の部屋
明日奈は佐藤の部屋の前にまでやって来るとノックをする、すると中から入れと聞こえて来たのでドアを開けて中に入った
「!、情報部が消えていた君の魔力反応が現れたと言っていたが本当に帰って来ていたのか!」
佐藤が情報部の者から明日奈の反応が現れたと聞いたのはこの日の朝の事である
「ええ、昨日帰って来たわ」
「そうか、聞いた話によると君は次元の狭間に吸い込まれ行方不明となっていたと聞いている」
「ええ私は・・・」
明日奈はこの数ヶ月の間に自信が体験した事を佐藤に話し始めた
「つまり次元の狭間の先には封じ込められた世界が少なくとも二つあると言う事だな?」
「うん」
「そして君はその世界を次元の狭間から解放する為に動いていたが、そのアンダーワールドと言う世界に現れた次元の狭間に吸い込まれこの世界に戻って来てしまったと」
「そうよ」
「それで君はこれからどうするつもりだ?またその世界に戻るのか?」
「戻るつもりよ」
明日奈は戻る方法があるのであればすぐにでもアンダーワールドに戻るつもりだ
「そうか、ならばエージェント265君にアンダーワールドの解放と言う特別任務を授ける、そして君にはその任務の最高司令官をやって貰う、良いな?」
どうやら佐藤は明日奈の他に人員を向かわせ、そしてその人員の指揮を明日奈に任せるつもりのようだ
「最高司令官って・・・もしかして私と一緒に部隊をあっちの世界に向かわせるつもり?」
「そうだ、我々ワールドセイバーとしては一度世界を救った君を一人でアンダーワールドに向かわせる事は出来ない、君の命は君が思う程もう軽くは無いんだ、だから君の他にも人員を向かわせる、そして人員を向かわせる事に君の拒否権は無い」
佐藤はデルタムーザと言う世界の危機を撃破した英雄である明日奈を再び行方不明にするつもりは無い、だからアンダーワールドに明日奈と共に人員を向かわせ明日奈が行方不明となる事態の再現を防ぐつもりなのだ
「・・・了解」
「良し、それでは最初の任務を与える、アンダーワールドに向かう方法を探し出せ、そしてその方法を見つけたのならば必ず俺に報告しろ、良いな?」
「りょーかい」
佐藤の指令にやる気の無い敬礼をした明日奈は部屋を出て行った
チーム29
明日奈はチーム29の部屋の前に立っている、明日奈はノックするとチーム29の部屋の中に入った、部屋の中に入ると懐かしい仲間たちワトソン、ギルダーツ、ミランダ、響が全員こちらを見ていた
「「明日奈!」」
仲間達は全員で明日奈の名を呼ぶと明日奈の周りに集まって来た、そしてそれぞれ今まで何をしていたのかやら、ウィリアムはどうしたとか、また胸が大きくなったかなど聞かれた、胸の事を聞いたギルダーツはミランダに殴られていた
そして明日奈はアンダーワールドの事を仲間に報告し、一番初めに響が質問をして来た
「それじゃあウィリアムはちゃんとそのアンダーワールドに行けたんだね?」
「ええとても元気にアンダーワールドに来たわ」
「そうか、良かったよ、無事に次元の狭間の先に行ける保証は無かったからね」
響は明日奈の報告を聞くまでずっとウィリアムを心配していた、そしてこの日ようやくウィリアムの無事を知る事が出来て安心する事が出来た
「それで?お前は暫くはワールドセイバーの仕事をするのか?」
この質問はギルダーツがした
「うんそのつもり」
明日奈は響から既に次元の狭間の現れる周期の話を聞いている、次に次元の狭間が現れる二ヶ月後まではワールドセイバーの仕事をやるつもりだ
「そうか、それでは君とまた仕事が出来るのだな、楽しみだ」
「うん、私も楽しみよ、ミランダさん」
「最初の仕事は私と一緒に行くぞ、明日奈」
「うん」
ミランダと明日奈の会話が終わったところでワトソンが立ち上がった
「諸君早速任務だ」
「了解」
「良し行くぞ、明日奈」
「うん」
明日奈とミランダはあっさりと分かったアンダーワールドに行く方法を佐藤に報告してから、約束通り一緒に任務に向かった
日本、帝の屋敷
ミランダとの任務、麻薬取引組織の逮捕と言う任務を無事に完了させた明日奈は故郷に戻って来ていた、幼い頃からずっと暮らしていた孤児院の様子を見た後、帝にある事を報告する為、彼の屋敷にやって来た
「ジジイ、久しぶりね」
「おう、久し振りだな小娘」
相変わらずの空気の悪い挨拶を交わした二人は暫くは火花を散らしあって居たが、明日奈が引いた
「それで何の用だ?」
帝は明日奈に何をしに来たのか聞いた
「私ね、妊娠したの」
「そうか」
帝は明日奈の妊娠したとの報告を聞くと窓の方に向かった
「相手は誰だ?」
「職場の仲間よ」
「良い男か?」
「ええ・・・とても良い男よ」
「そうか」
帝は窓から離れるとこちらにやって来る、そして明日奈の隣に座るとそのお腹に触れた
「何人居る?」
「二人よ」
「ふむ」
明日奈のお腹を撫でる帝の表情は明日奈が今までに見た事が無いほど柔らかい表情であった、明日奈は意外だった彼もこんな柔らかい表情をするのかと
「元気な子を産め、そして産まれたらお前の子の顔をここに見せに来い、良いな?」
「ええ」
明日奈はこの後、暫くの間帝と話をした
明日奈の自宅
帝の屋敷を後にした明日奈は自宅に戻って来た、インターフォンを鳴らしてから鍵を開けて中に入ると二人の少女が出迎えてくれた
「「おかえり!お姉ちゃん!」」
見事にハモっておかえりの挨拶をしてくれたのは白い少女レビィと金色の髪を持った少女C1だ、レビィとC1は明日奈が帰ってくるまでの間二人で協力してこの家で暮らしていた、この日から暫くのうちは三人で仲良く暮らす事になる
「ただいま、お腹空いたでしょ?すぐに何か作るわね」
「うん!」
「私ハンバーグがいい!」
「分かったそれじゃハンバーグにしましょう、手伝ってくれる?」
二人の少女に料理を手伝ってくれるかと明日奈が聞いてみると
「「うん!」」
二人はまた見事なハモりでうんと答えてくれた
「ふふふ」
明日奈はそんな二人を見て嬉しそうに幸せそうに微笑んだ
次回は黒い狐ちゃんと明日奈のお話です
 




