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金色の九尾ll アンダーワールド  作者: ブレイブ
四章一部九尾と歌を探す旅
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六十八話

ラデガ山中腹

ここはラデガ山の中腹にある洞窟だ、気絶して眠っている明日奈を抱いて空に飛び立った黒いロボットは飛びながら明日奈を寝かせる事が出来る場所を探し、そしてこの洞窟を見付け、この洞窟で明日奈を寝かせる事にしたのだ

黒いロボットは明日奈を地面に降ろすと彼女が目を覚ますまでその場で彼女を見張る事にした



「ん・・・」

気絶していた明日奈の瞳がゆっくりと開く

「ここは?」

目を覚ました明日奈は痛む頭を押さえながら辺りを見渡す

「!」

辺りを見渡し目に入った者に驚いた明日奈は立ち上がり剣を抜き構えるが、体のダメージのせいか立っていられず片膝をついてしまう、それでも明日奈は黒いロボットに剣を向けているが勝ち目は全く無いと言っていいだろう

「落ち着け俺はお前と戦うつもりは無い」

剣を向けて警戒する明日奈を安心させる為に黒いロボットは戦うつもりは無いと言った

「そう、でも何故あなたは私を助けてくれたの?」

黒いロボットの言葉を聞いても信用するつもりは無い明日奈は警戒を解き剣を鞘に収めるつもりは無いようだ、そして黒いロボットに何故自分を助けてくれたのか聞く

「何故助けたか?それは無の巫女であるお前に死んでもらっては困るからだ」

「な!?何故それをあなたが知っているの!?」

黒いロボットの言葉に驚いた明日奈は何故自分が無の巫女だと黒いロボットが知っているのか質問する

「ふん魔道通信だ、我々はお前達が使っている通信機に小型のロボットを潜り込ませその小型のロボットの盗聴機能によりお前達人間の会話を監視していた、数日前のお前とこの大陸のギルドマスターの会話、あれを信じるのならお前が無の巫女である事は確実だ」

(・・・ギルドマスターの馬鹿!)

明日奈は脳内でギルドマスターの迂闊な言動に怒りながらこの黒いロボットの目的は何なのか考える

(まぁ十中八九私を連れ去るつもりよね、ここで私を寝かせたのは気絶している私をあんまり動かすのは不味いと判断したからでしょうね)

明日奈は連れ去るつもりならどうにかして連れ去られ無いようにする方法を考えようとしたが何も思い付かない、魔力が有るのなら転移して街に逃げれば良いが先程の戦闘で魔力を使い切っている為転移も出来ない

「俺は、今は、お前を我々の世界につれかえるつもりは無い」

そんな明日奈の考えを読んだのか黒いロボットは明日奈を自分たちの世界に連れ帰るつもりは無いと言った

「それじゃあ私に死なれては困るからここに連れて来たってだけなの?」

「そうだ」

「そう・・・」

明日奈は黒いロボットが自分を連れ去るつもりは無いのなら一先ずは安心出来ると思い少し気を抜いた、しかしまだ剣は鞘に収めはしない

「それじゃあ、あなたはここに何しに来ているの?」

「お前がここに来た理由と一緒だと言っておこう」

どうやら黒いロボットもこの山の頂上に現れた魔力反応の調査にやって来たらしい、つまりは目的は同じと言う事だ

「それなら私の邪魔をするつもり?」

「いや、しない、寧ろこの山ではお前を守り動くつもりだ、死なれてはこちらも困るからな」

黒いロボットは明日奈の邪魔をするのでは無く明日奈を守り動くつもりのようだ、つまりはこの山に居る間は彼が敵になると言う事はないと言う事だ

「あなたが私を守ってくれるの?」

「そうだ」

「ふん、余計なお世話ね」

明日奈はそう言うと剣を鞘に収め洞窟の壁に背中を付けて体を休める事にした、一先ず休んで動けるようにならないとどうにもならないからだ




翌日、疲れのせいかいつの間にか眠っていた明日奈は慌てて剣に手を触れたが黒いロボットは洞窟に居なかった

フゥと息を吐き心を落ち着かせた明日奈は立ってみる、すると中々立つ事が出来ず、壁に手を触れながら何とか立つ事が出来た、どうやら昨日のダメージは相当大きかったらしく、明日奈ので体のダメージは殆ど回復していないようだ

「魔力も体が勝手にダメージ回復に回してるせいで殆ど戻ってないか・・・これじゃ転移も出来ないわね」

明日奈は自分の体の状態に溜息を吐くと壁に手を触れながら震える足を無理矢理動かしながら洞窟の外に向かう、そして洞窟の入り口から外の様子を見てみた

「確かにここなら安全でしょうね」

洞窟の入り口から上下左右を見渡してみると山の勾配がかなり急になっている事を確認出来た、この急な斜面を登ってこの洞窟に入って来る魔物など飛べる魔物しか居ないだろう、つまりはこの洞窟はラデガ山の中でかなり安全な場所と言えるだろう

「それならゆっくりと休ませて貰いましょう、まずは動けるようにならないとね」

明日奈はそう言うと洞窟の中に戻り横になった



そしてまた眠ってしまい、目を覚ますと何やら巨大な装置が目に入った

「・・・何それ?」

明日奈は巨大な装置を持って来た張本人にその装置が一体何なのか聞いてみる

「俺もお前にいつまでも付き合うつもりは無いのでな、人間にも使えるメディカルポッドを持って来てやった、これを使えばお前は明日には完全に動ける体になっている筈だ」

「安全なの?私の体に何か仕込んだりしない?」

明日奈はこの装置が自分の怪我を治すだけでは無く何か仕込んだりするのでは無いかと思い、何か仕込んだりしないか聞いてみた、何もしないのであればこの機械を使うつもりである

「何もしない」

「そう何もしないのね、信用するわよ?」

「あぁ」

「分かったわ使う」

明日奈は黒いロボットを信じる事にしメディカルポッドを使う事にした、一応の保険として脳内でホワイトローズに何かあったら自分の体を勝手に動かしてでもポッドから脱出するように言っておいた

「それでは裸になって中に入れ」

「分かった・・・見ないでよ」

「・・・分かっている」

黒いロボットは装置の蓋を開けると背を向けた、それを見た明日奈は服を脱ぎ裸になると装置の中に入る

「中に緑色のボタンがあるだろう?それを押せば扉が閉まり治療が始まる」

「分かった」

明日奈は黒いロボットに言われた通り緑色のスイッチを押した、すると扉が閉まり青色の液体が足元から出て来た

「その液体の中では問題無く息をする事が出来る、だから安心して眠るといい」

「ええ」

液体が満たされると眠気に襲われた、明日奈は息が出来る事を確認してから目を閉じた




次の日、ピーと音がして装置の蓋が開いた、蓋が開く1分前に目を覚ましていた明日奈は蓋が開ききると装置の外に出て、ホワイトローズに体の状態を確認する

(何かされてたりしない?)

『問題無しです、マスター』

(そう)

明日奈は自分の体に何もされていない事を確認すると鞄の中からタオルを取り出し体を拭くと新しい服に着替えた、そして剣を振るい体の状態を確かめてみた

「うん、問題無し!いける!」

「体は良くなったようだな」

「ええ、ありがとう」

「ふん」

黒いロボットは装置に近付くと装置に手を触れた、すると装置は消えた、どうやら自分の世界に送り返したようだ

「頂上に行くんでしょ?」

「ああ」

「なら乗せてよ、良いでしょ?」

「乗れ」

黒いロボットは左手を差し出すと乗れと言った明日奈はそれを飛び乗る

「飛ぶぞ」

「はーい」

明日奈を左手に乗せた黒いロボットは頂上に向けて飛び立った

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