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金色の九尾ll アンダーワールド  作者: ブレイブ
三章狼と狐の追い掛けっこ
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五十六話

ダーマフィール山脈

妖狐の里を後にした明日奈達はダーマフィール山脈を降りている所だ、山脈を降りた後は麓に広がる森を抜けこの国の首都グランラミスに向かう

「この山早く降りたいね」

「そうね、森も越えなきゃいけないし」

麓の森はかなり広くしかも休む事の出来る宿も無い、なので急ぐに越した事はない

「森を越えた先に宿が有るので急ぎ森を越えた後はそこで休みましょう」

森を越えた先には白花の言う通り宿がある、山を降りて来た旅人達はその宿で休むのだ

「滑って転けないようにしねぇとな」

明日奈達は急ぎ山を降りて行く



明日奈達は中腹辺りまで降りて来た、急いでいるおかげかまだ昼前と言う時間だ、これなら昼の二時前迄には山を降りれそうだ

「見てください!姫様!ウサギですよ!」

白花はこちらの様子を伺うウサギを見て興奮した様子で明日奈の肩を叩く

「そうね、イルカはイルーカなのにウサギはウサギなのね、可愛いわ」

ウサギを見た明日奈はウサギを怖がらせないよう、身を屈めゆっくりと近付いて行く、ウサギは若干身を引いた様子だが逃げない

ウサギの側に来た明日奈はウサギの頭を撫でて優しく抱いた、ウサギは嫌がる様子も無く明日奈に抱かれている

「ふふふ、大人しい子ね」

「そうだね、可愛い」

「私に抱かせてください!」

明日奈はウサギを抱きたいと言う白花にウサギを渡した

「あっ!」

だが興奮気味な白花が怖かったのかウサギはピョンと白花の腕から飛び出すと茂みの中に入ってしまった

「あぅ・・・逃げられてしまいました・・・」

白花はウサギに逃げられてショックを受けた様子だ、尻尾が股の間に入ってしまっている

「そりゃ、あれだけ鼻息が荒かったらウサギも身の危険を感じて逃げたくなるさ、次はもっと落ち着いた方が良いと思うぜ」

「はい・・・」

そして四人はまた歩き始める、白花はまたウサギが居ないかとキョロキョロしているが、そんな白花にウサギ達は身の危険を感じたのか一匹も見当たらない

「・・・ウサギは諦めます」

「あはは、旅をしてたらまた他の動物を触れる機会があるよ、落ち込まないでね白花さん」

「はい・・・」

四人は山を降りて行く


現在時刻昼の一時四十七分、四人は山の麓まで降りて来た、目の前には広大な森が広がっており山から伸びていた道は森の中にも続いている

「ここからは魔物が出ます、気を引き締めましょう」

「さっき迄の道に掛けられていた魔物避けの術がこの先の道には掛けられていないのね?」

先程までの道には魔物避けの術を妖狐の里の者達が掛けていたので魔物はい襲って来なかった、中には突破して来る強い魔物も居るには居るが、なので術が掛けられていないのこの先の道からは魔物に襲われる危険性が大きくなる

「はいそうです」

「なら気を付けないといけないね、教えてくれてありがとう、白花さん」

「ふふふ、仲間なら当たり前です」

白花はメリアに感謝されて嬉しそうだ、尻尾が機嫌よさげにゆらゆらと揺れている

「さぁ次は森越えよ、道なりに進みさせすれば五時間も歩けば越えれるみたいだし頑張りましょう」

明日奈の号令で四人は森に向け歩き始める


森の中を進んで行くと徐々に少し残っていた、雪が消え始め気温も高くなり始め暖かくなって来た

雪の消えた歩き易い道を進んでいると妖狐二人の耳がピクンと反応した

「明日奈、白花さん、何か居るの?」

二人の耳が反応したのを見ていたメリアが二人に何か居るのかと聞く

「居るわ、ね?白花」

「はい、徐々に近付いて来ています」

「耳が良いと便利だよな、さぁ戦闘準備だ」

四人はこれから現れる魔物と戦う為武器を構える、白花の武器は陰陽術と弓だ、今回は弓を構えている

「白花、あなたの弓の腕前見せて貰うわね」

「はい任せて下さい、姫様」

白花は背中の矢筒から矢を抜くとこれから魔物が現れるであろう茂みの方向に弓を構える

そして魔物、ゴーレムが現れると

「ヤッ!」

正確にゴーレムの頭に付いている弱点である、コアを狙い撃った、白花の矢はコアを砕きゴーレムは機能停止し倒れる

そして倒れたゴーレムの後に続く様に十五体のゴーレムが現れる

「シュルク、メリア、前を頼むわね、私が二人の援護をするわ」

明日奈はそう言うとブラスターモードにホワイトローズを変形させ構える、明日奈は白花がした様にコアを狙い撃つつもりなのだ

「分かった!任せて」

「援護、頼むぜ」

明日奈苦手前衛を任された二人は武器を構えて走って行く

「白花は二人の援護をせずに正確にあいつらのコアを狙い撃ってね?良い?」

白花の弓の腕を見た明日奈は信頼出来ると判断し、白花にコアを狙い撃つよう頼む

「分かりました、やります」

白花は早速矢をつがえると発射する、また矢は正確にコアを貫く

「凄いよ!白花さん!」

メリアは白花の弓の腕を褒めると迫るゴーレムの腕をかわして飛び乗り腕を駆け上がって行きコアを突き刺した、コアを突き刺されたゴーレムは機能停止し倒れる

「お前の運動神経もスゲェよ・・・」

シュルクはゴーレムの攻撃をかわすとフルスイングの斧による一撃をゴーレムの足に喰らわせ足を破壊すると、斧でゴーレムのコアを頭ごと破壊した

明日奈はそんな二人を狙うゴーレムの胴体を撃ち、ゴーレムの動きを封じる、優先的に狙うのはシュルクとメリアの近くにいるゴーレムだ

この後四人は何の苦もなくゴーレム達を倒して行き、戦闘は誰も怪我をする事なく終わった




宿

現在時刻は七十三十二分だとホワイトローズは言っている、ゴーレムとの戦闘の後は特に戦闘も無く歩く事が出来、四人は無事森を超える事が出来た

現在、部屋を取り食事を取った明日奈とメリアと白花はお風呂に入っている

「・・・」

頭を洗い体を洗い湯船に浸かるメリアがジト目で見つめているのは白花の胸である

「えっと・・・メリアさん、どうかしましたか?」

「いや、白花さんも大きいなぁって思ってさぁ〜」

そうメリアがジト目で見ると言う事は白花も立派な物を持っていると言う事だ、立派な物が欲しいメリアにとって、立派な物を持っている者は敵だ

「確かに大きいわね、私よりちょっと小さい位かしら?」

「はい、多分その位です」

どうやら明日奈よりは少し小さいようだ

「なんて羨ましい会話!襲ってやる!」

慎ましい胸部を持つメリアは立派な物を持つ、妖狐二人に襲いかかった



男湯

「・・・」

明日奈達が騒ぐ声を聞いているシュルク、無言で湯船に浸かっている

「あいつら楽しそうだな・・・次は男の仲間が欲しいぜ・・・」

男の寂しい呟きが男湯に響いた

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