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金色の九尾ll アンダーワールド  作者: ブレイブ
一章新たな冒険の始まり
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四話

宿

明日奈とメリアが出会いパートナーっとなった日から三日後の夜中、メリアはふと目を覚まし明日奈が寝ているであろうベッドの方を見るが明日奈は居ない

それを不思議に思ったメリアは明日奈を探して部屋を見渡す、すると明日奈は窓の側に椅子を置いてそこから夜の町並みを見ている

メリアは体を起こし明日奈に寝ないの?と話しかけようとしたが、明日奈の頬に涙が伝っているのを見て話し掛けるのをやめた

「ウィリアム・・・レビィ・・・会いたいよ・・・」

明日奈はそう言うとウィリアムから貰った首に掛ける為紐を通した結婚指輪と青い宝石の付いたネックレスを胸に抱き締め静かに泣き始める

メリアはそんな明日奈に話し掛ける事も出来ず寝ることも出来ず、ただ目を瞑り明日奈が啜り泣く声を聞いていた




翌日、夜中の事もあり少し眠れなかったメリアが目を覚ますそして隣のベッドを見てみると、明日奈は体を起こし服を着替えようとしている

そして明日奈はメリアが起きたのを見ると笑顔で

「メリア、おはよう」

と言って来た、メリアは夜中の事は私の夢だったのかな?と思いながら挨拶を返そうと身を起こしたが、明日奈の頬に涙の跡が付いているのを見た、メリアはそれを見なかったことにし自分も笑顔で

「うん、明日奈、おはよ」

と挨拶を返した

「うん今日も頑張りましょうね?メリア」

「うん」

そして二人は服を着替え下の階の食堂に向かう




食堂

外の井戸で顔を洗ってから食堂にやって来た二人は早速朝食を注文する、明日奈はベーコンに目玉焼きと食パンを頼み、メリアは目玉焼きと食パンを頼んだ

二人は空いてる席に座ると、朝食が運ばれて来るまでこの日はどんな依頼を受けるのかと話し始める

「ねぇ明日奈、今日はどんな依頼を受ける?今日も討伐依頼?それとも採取依頼?」

「うーん、そうねぇこの三日間でちょっとお金の余裕も出来たし今日は少し楽して採取依頼も良いかもしれないわね」

この三日間で明日奈とメリアは三回依頼を受けた、その報酬は二人合わせて15000G贅沢をしなければ当分の間この安くて綺麗な宿に泊まれる程度は二人は稼いでいる、それでも上のランクの冒険者は一日で最低でも50000Gは稼ぐので貧乏な事には変わりない

「それじゃ今日は採取依頼にする?」

「ええ、そうしましょう」

二人はこの日は採取依頼を受ける事に決めた、そこで朝食が運ばれて来た、ちなみに運んで来たのはこの宿のコックさん兼女将の夫である

「残すんじゃねーぞ」

「「はーい」」

二人はコックさんの残すなよとの声に元気良く返事をすると朝食を食べ始めた



平原

ギルドでポーションの元となる薬草採取の依頼を受けた二人はこの平原の木の陰などに生えている薬草を採取しながらのんびりと歩いている

遠くの方ではゴブリン数体と戦っている他の冒険者達がが見える、彼等は特に問題無くゴブリンを仕留めると次のゴブリンを探してか何処かに歩いて行った

「平和ね」

「平和だね」

この広い平原では魔物も人間が近くに来ない限りは襲って来ない、つまり魔物に近付きさえしなければ安全に平原を歩くことが出来るのだ

そして平原のあちこちに点在している林を見付けると二人はその中に入って行き、木の根元を見ながら林の中を歩く、林の中は平原の外よりも済んだ空気をしており心地よい

「二十枚は集まったわね、ノルマは何枚だったかしら?」

「四十枚だよ」

今回の依頼は四十枚薬草を集めて来てくれとの物だ報酬は二人合わせて2000G、それ以上集めて来た場合は五枚に付き一人につき100Gが追加される

「それじゃ後二十枚か、楽勝ね」

「うん楽勝、ほらまたあった」

メリアはそう言うと背負っているバックパックの中に見付けた薬草を入れた、これで二十一枚だ


二人はこの調子でどんどん薬草を見付けて行き、一時間がいつの間にか過ぎていた

「ざっと数えて見たけどいつの間にか七十枚も集めてたのね」

知らない間に500G分の薬草を見付けていた

明日奈は二人のバックパックの中に束となっている薬草を見て少し引く

「もうこれ以上は入んないし、帰ろうよ明日奈」

「そうね、帰りましょう」

十分すぎる数の薬草を集めた二人はのんびりと町に向けて歩いて帰って行く



ララネの町

薬草をギルドに提出し報酬を貰った二人はのんびりと町の様子を眺めながら、二人楽しく喋りながら歩いている

「あっ、見て明日奈、あれ美味しそうだよ?」

メリアが指を指すその先そこには焼き鳥屋台があった、それを見た明日奈の耳と尻尾がピーンとなった、焼き鳥は明日奈の大好物の一つなので有る

明日奈はメリアを置いて焼き鳥を買いに行くと六本買って来て三本メリアに渡す

「この前奢って貰ったお礼よ、食べて」

「ありがとう」

メリアはお腹が減っている、なので明日奈に貰った焼き鳥を有難く頂く

「うーん、美味しい」

「確かに美味しいね」

二人はモグモグと焼き鳥を食べながら宿に向けて町を歩く、そして途中でメリアが剣を見たいと言ったので二人は武器屋に入る

メリアは中に入ると飾ってある剣を一本ずつ見ている、明日奈はホワイトローズが無言の圧力をかけて来るので叩いてそれを辞めさせた

「ねぇ明日奈、これとかどうかなぁ」

メリアは気に入った赤い鞘に赤い柄の剣を手に取ると明日奈に見せて来る、明日奈はそれを受け取り抜いてみる

「中々良いじゃない」

明日奈はそう言うと軽く振るう、ブン、ブゥンと剣を振るう音が武器屋に響く

「でも高いわよ?買えるの?」

この剣の値札には五万Gと書かれている、今のお金の無い明日奈には勿論買えないしメリアも

「無理・・・でも近いうちに絶対に買うって私ね?決めてるの」

無理なようだ

「そう、ならパートナーとしては協力してあげる」

「うん、お願いします」

メリアは名残惜しそうに剣を壁に戻すと明日奈と共に武器屋を出た、そして二人は宿に戻って行った



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