四十話
港町オカフ
朝、ショッピングに行かないと言う荷物持ちシュルクを無理矢理部屋から連れ出した明日奈とメリアは港町オカフを歩いている
「なぁ、俺が着いて行ってさ良いこと有るのか?」
シュルクは自分が着いて行って良い事が有るのかを女二人に聞いてみる
「そうねぇ・・・私達の役に立てるわ!」
「私達が楽できるよ!」
「・・・」
シュルクの質問に女二人が答えその答えにシュルクは黙った、後で覚えとけよと思いながら
「さてメリア、何処から行く?」
「取り敢えずあそこ!」
明日奈がメリアにどの服屋から入るのか聞くとメリアは三人で泊まっていた宿のすぐ近くにある服屋を指差した
「分かった行きましょ」
三人は服屋に入る
服屋
女二人は店の中に入るとキャーキャー言いながら服を選び始めた、これ可愛いこんなの欲しかったのなど嬉しそうな声を上げている
「メリアにはこう言うのが似合うわね」
明日奈はメリアに似合いそうな、フリルの付いた黄色いワンピースを棚から取ると、メリアに合わせてみる
「でも子供っぽいよぉ」
メリアは十六歳、そろそろ大人っぽい服装をしたくなる年頃だ、だから子供っぽいデザインのこのワンピースは恥ずかしいと感じる
「良いじゃない、可愛いんだから着てみなよ」
「えー・・・分かった」
そして明日奈はワンピースをメリアに押し付け着てみろと言う、メリアは少し迷った後、あっ可愛いと思ってしまったので着ていることにした
「それじゃちょっと待っててね」
「うん」
メリアはワンピースを胸に抱えると試着室に入る、実際に着てみて明日奈とシュルクに似合うか聞いてみるつもりのようだ
「シュルク、ちゃんと似合ってるか似合ってないか言ってあげてね?男の子の意見って参考になるんだから」
「へいへい」
そして試着室にのカーテンが開き黄色いフリルの付いたワンピースを着たメリアが現れる、それを見た明日奈はやっぱり似合うわねと思い、シュルクはふーん良いじゃんと思った、等のメリア本人はやっぱり子供っぽいよぉと思っているが
「どうかな?」
「うん、可愛いわ、似合ってる」
似合ってるか聞いて来たメリアに明日奈は似合っていると言い、シュルクに向けてほらなんか言えと視線を送る
「良いと思うぜ」
「そうかなぁ・・・二人がそう言うのなら買おうかな」
メリアはワンピースを着た自分を鏡に映し悩み始める、そして一つ頷いた
「うん、買おう、可愛かったら子供っぽいなんて関係ないよね!」
「そうそう、可愛いは正義よ」
どうやらメリアはワンピースを買うことにしたようだ、ワンピースを買うことにしたメリアは元着ていた服に着替えるからと言試着室のカーテンを閉め、服を着替え試着室から出て来る
「選んでくれてありがと、次は私が明日奈の服選んであげるね?」
「ふふふ、ありがと、選ばせてあげるわ」
試着室から出て来たメリアは嬉しそうな顔で選んでくれてありがとうと言うと今度は明日奈に服を選んであげると言った、明日奈はその誘いを喜んで受け入れる
「それじゃここで待っててね」
「ええ」
メリアは明日奈の服を選びに行った、明日奈はどんな服をメリアが選んでくれるのか嬉しそうに待つ
「お待たせー」
そして十分後、メリアが一着の服を持って戻って来た
「・・・それって」
「うん!メイド服! 妖狐のメイドさんって可愛いだろうなぁって思ったから持って来たの!」
メリアはこの店の何処にあったのかメイド服を持って来た
「・・・着なきゃ駄目?」
「うん!」
明日奈がメイド服を着なきゃ駄目と聞くとメリアはキラキラした目で返事を返す
「分かったわ着る、でも買わないからね?そこは分かってよ?」
「うん良いよ」
メリアのキラキラした目にやられた明日奈はメイド服を着ることにした、正直恥ずかしいのだがあんな目で見られたら仕方ない
「それじゃちょっと待ってて」
「はーい」
そして明日奈は試着室に入った、そしてフリルがフリフリしているカチューシャまで付いているのに驚いた
「おい、面白いから持って来たんだろあの服」
「・・・」
明日奈が着替えている間、シュルクがメリアに思った事を聞いてみたがメリアはそれを目を逸らして無視した
そしてシャーと音と共にカーテンが開きフリフリメイド服を着た妖狐が出て来る、その顔は恥ずかしいのか赤い
黒と白のメイド服に金色の尻尾が加わる事でその魅力が倍増している、そして恥ずかしくてペタンとなっている狐耳もポイントである
「どう?」
「うん、可愛いです、買ってあげたいくらいです」
明日奈はこのメイド服を持って来たのメリアに似合っているか聞く、聞かれたメリアは似合っていると言いながら何故か鼻を抑えている
「いやいや買わなくて良いから、それじゃ脱ぐから」
「えー」
メイド服を脱ぐと言った明日奈に対してメリアは残念そうな声を上げるが明日奈は無視してカーテンを閉めた
そして暫くこの店で服を選んだ後三人は店を出た、メリアだけが遅れて店から出て来たが何をしていたのかは不明である
この後も何件か服屋を回り明日奈はスカートおズボンとチェックのブラウスに長袖のTシャツ、メリアもスカートとズボンに少し大人っぽいデザインのワンピースを買ったようだ、その服達が入った袋を持っているのは勿論シュルクだ
「ふう買った買った、暫くは新しい服を買わなくて良さそうね」
「そうだね、お腹空いたし何か食べようよ」
「飯か良いな」
三人は何か美味しいものを食べれる店はないかと町を歩く、ちなみに一番積極的に店を探しているのはシュルクだ
「おっ!ハンバーガーだってよ、近くの農場で取れた肉を使ってるらしいぜ、あれにしようぜ」
シュルクはハンバーガーの屋台を見付けこの店にしようと言う
「そうねあれにしましょう、久しぶりにハンバーガー食べたいし」
明日奈もアンダーワールドに来て以来一度もハンバーガーを食べれて居ないので良いと言う
「私も良いよ」
「それじゃ決定だな、俺が買って来るよ」
シュルクはどうやら明日奈とメリアの分のハンバーガーも買ってくれるようだ、明日奈とメリアは奢ってくれるのならと思い何も言わない
この後三人仲良くハンバーガーを食べると暫く町を観光し三人は宿に戻った




