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金色の九尾ll アンダーワールド  作者: ブレイブ
一章新たな冒険の始まり
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二話

平原

馬車はのんびりと平原を行く、明日奈は風景をボーと眺めている、すると遠くの方に先程のゴブリン達の仲間らしきゴブリン達が見えたが、ゴブリンはこちらには来ず森の中に入って行った

「あの明日奈さん」

そしてメリアが話掛けて来た、明日奈はこの子鈴に似てるなぁと思いながら少女の方を向く

「なぁに?それと明日奈で良いよ」

「それじゃ明日奈って呼ばせて貰います、それで明日奈は次の町で冒険者登録するんですか?」

メリアは冒険者登録するのか聞いて来た

「そうね、登録するわ、ふふふ案内してもらえる?」

明日奈は少女の様子から助けてもらったお礼に明日奈を町の冒険者ギルドへ案内したいのだろうと思い少女に案内を頼んだ

「はい!分かりました!」

少女は明日奈の頼みに笑顔で返事を返した



町まで十分程度で着きそうな距離まで馬車は進んでいる、メリアはまたボーと風景を眺めている明日奈に話し掛ける

「そう言えば明日奈は妖狐なのですよね?」

メリアは明日奈の頭の上の狐の耳と現在一本だけ出している綺麗な尻尾を見てこの質問をする

「そうよ」

「それじゃ明日奈は何尾なのですか?」

どうやらメリアは明日奈が何尾なのか気になったようだ

「私は九尾よ」

明日奈は別に隠す事では無いので正直に答えた、そして実際に九本尻尾をだす、しかし明日奈の隣に座っている客の迷惑だ、お腹が空いて注意力が散漫となっている明日奈は迷惑となっている事に気付かない

「うわー本当に九尾です!だからあれ程強いのですね!」

妖狐は尻尾の数だけ強くなる、メリアは明日奈の尻尾の数を見てその強さに納得が行った

「まぁ今の強さになるまではかなり努力したのよ?剣の素振なんて何回したか分からない位だしね」

明日奈は元の素質の良さも有るが、今はしていないがメリアと同じ歳の頃は毎日素振りをしていた、その頃の努力が現在の強さの基礎となり、明日奈の強さを確立しているのだ

「やっぱり強くなる為には努力が必要なのですね」

メリアは明日奈の話を聞いてもっと努力をしようと思った

「そう、それと強くなっても自分の実力を過信しては駄目よ?足元掬われるから」

「はい!」

メリアは明日奈の言葉に元気良く返事を返した、そして馬車は町に着いたようだ、停車所に向かって行く



ララネの町

このララネの町は冒険者が集まる町である、それはこの町に大きな冒険者ギルドがあるからでこの周辺の町には小さなギルドしかない為大した依頼は来ない、その為大きなギルドが有るこの町に冒険者達は集まるのだ、メリアもこの町のギルドを活動の拠点としている為、有る程度ならこの町の事は分かるのだ

「明日奈、早速ギルドに行きますか?」

馬車から降りたメリアは早速ギルドに行くかどうか聞いて来た、だが明日奈は首を振る

「メリア、私わね恥ずかしくて言いにくいんだけど、お腹が凄く空いてるの、先に何か食べましょう、絶対に食べましょう」

冒険者登録などよりも現在のお腹が空いている明日奈にはそのお腹を満たす事が先決である

「明日奈お腹空いてたんですか、うーんならあそこが良いですね、着いて来て下さい」

メリアは暫く考えた後着いて来てくれと言った、明日奈はその背中に着いて行く



メリアが明日奈を案内したのは冒険者を相手にした、屋台群であった、様々な安く美味しい食べ物がここにはあり、正直あまりお金の無いメリアも良く利用している

「あー、美味しそうな匂いね!」

お腹が極限まで減っている明日奈は屋台達から匂う美味しそうな匂いに嬉しそうな表情を浮かべる

「はい、美味しそうです、でも明日奈はこの世界に来たばかりなのですよね?お金無いですよね?」

メリアにお金は有るのかと聞かれた明日奈はメリアの顔を見てハッとした顔をしている、そう明日奈が持っているのはアメリカのドルやら日本円だ、この世界では当たり前だが使えない、つまり明日奈は無一文である

「あはは・・・無いわ・・・」

そして明日奈は非常に残念そうに肩を落とすと名残惜しそうに屋台群から背を向けて歩いて行こうとする

「明日奈!待って下さい、お金が無いのなら私がさっき助けて貰ったお礼として奢りますから!」

そしてメリアが引き止めた、そのメリアの言葉を聞き振り返った明日奈の表情は非常に嬉しそうだ

「本当?」

「はい本当です、でも私もお金余り無いので、多くは食べれ無いと思います」

メリアが持っているのは後五日分の宿代とご飯代で有る、そろそろ大きな依頼を受けないと生活が苦しくなりそうであるが助けて貰ったお礼はちゃんとする、メリアはそんな子なのである

「お金無いって、なら私に奢っている暇なんで無いんじゃない?」

明日奈もメリアの誘いは嬉しいがお金が無いのに無理やり奢って貰うつもりは無いのである

「確かにお金は有りません、だからここで奢る代わりに明日奈、あなたに私のパートナーになって貰いたいんです」

メリアは始めて明日奈の戦いを見てからずっとパートナーとなりその横で明日奈の戦い方を見て自身の成長に活かしたいと思っていた、後はそれをいつ切り出すのかが問題だったが、今が丁度良かった

「奢って貰う代わりにあなたとパートナーになるか・・・良いわよ、あなた良い子だしね」

明日奈は短い間だがメリアと話して友達になりたいと思っていた、なのでパートナーになって欲しいと言うメリアの誘いを受ける

「本当ですか!?」

メリアは明日奈の言葉に嬉しそうに聞き返して来る

「うん本当、ご飯食べたらギルドに行かないとね」

「やった!嬉しいです、それじゃ何食べますか?明日奈」

メリアは本当だと言う明日奈に嬉しそうに抱き着くと何を食べるのか聞いて来た、何を食べるのかを聞かれた明日奈は既に目を付けていた

「あのホットドッグが食べたいわ」

ホットドッグを食べたいと言った

「分かりました買ってきます」

メリアはそう言うと明日奈の腕から離れホットドッグを買いに行った



そして現在二人はホットドッグを食べながらギルドを目指している所である

「これ美味しい、本当ありがとうメリア、生き返るわ」

明日奈は腹が満たされて行く度に活力が出て来るのを感じている、ホットドッグを奢ってくれたメリアには感謝しか無い

「どう致しまして」

メリアは助けて貰った明日奈に感謝されて嬉しそうである

「それで?ギルドはどの建物なの?」

ララネの町は一見して同じような形の木造の建物が多い、始めて来た明日奈にはどれがどの店や施設なのか分からないのでメリアにどれがギルドなのか聞く

「見えますか?右側のここから十件目の建物あれがギルドです、正面から見ればギルドのマークがあって目印にはなるんですけどやっぱり分かりにくいですよねこの町」

「確かにね、よーく見たら、建物の形は違うんだけどボーと眺めたら分かりにくいわね」

なのでこの町に始めて来た者は大抵迷う、そう言う者を相手にした町の案内を商売にした者がいる位だ

「そうなんです、私も始めて来た時は泣きそうになりました、それで一時間探し歩いてようやくギルドのマークに気付いてギルドに入れたんです」

「大変ね・・・一人でこの町に始めて来る人は、私にはメリアが居て良かったわ」

明日奈はメリアの話を聞いてメリアご居て本当に良かったと思った、メリアが居なかったらホットドッグを食べれなかったし、空いたお腹をグーグー鳴らしながら、ギルドを探して迷う事になって居ただろう

そして二人はギルドの前まで来た、メリアが先に入り明日奈が後に続く、二人はもうホットドッグは食べ終わっていた




ララネの町、冒険者ギルド

ギルドの中に入ると中はかなり賑わっていた、依頼が張られている掲示板には沢山の依頼が張られており、その前にはかなりの数の人々が居る

明日奈とメリアはギルドの中の様子を眺めながら空いているカウンターに近付いて行きギルド職員に明日奈が話し掛ける

「冒険者登録をしたいの、出来るかしら?」

「出来ますよ、このプレートに触れてもらえますか?それで登録完了です、後は冒険者カードが出来るまでの間に説明をさせて貰います」

明日奈は随分簡単だなぁと思いながらプレートに触れたするとプレートが光る、ちなみに名前もどういう訳だがこのプレートは分かるらしく出来たカードには名前が記載される

「はい、登録完了です、次に説明をさせて貰います、まず一つ聞かなくてはならない事が有ります、あなたは異世界からこの世界に落ちてきた人ですか?違いますか?」

「落ちて来たわ」

受付嬢の質問に明日奈は素直に落ちてきたと答えた

「分かりました、なら落ちてくる前は冒険者でしたか?もし冒険者をしていらっしゃったのなら通常の冒険者としての活動は同じなのでその質問は省く事が出来ますが」

通常の冒険者の説明とは依頼の受け方やら、掲示板の見方などやらだ

「冒険者だったわ」

「分かりました、なら通常の冒険者としての説明は省かせて貰いまして、世界脱出クエストの事を説明させて貰いますね?」

受付嬢は一度そこで話を切ると話し始める

「世界脱出クエストとは文字通りこの閉じられた世界アンダーワールドからの脱出を目指すクエストです、ランクはHからSです、この世界のダンジョンの奥地にはこの世界の脱出のヒントが書かれた石碑がありその石碑は触れると、その内容が書かれたプレートとなります、世界脱出クエストはプレートを手に入れギルドに提出するこれが目的となるのです」

受付嬢はまたここで一度話を切りまた話し始める、そして世界脱出クエストの脱出のヒントはクエストランクが高い程より大きなヒントとなる

「そしてその石碑がある部屋には必ず強力なダンジョンボスが居ます、ですので必ず充分な準備が整ってから挑戦して下さいね、ちなみに世界脱出クエストはかなり報酬が高いです、なので一攫千金を目指すのならオススメです、何か分からない事はありますか?」

そした受付嬢は何か分からない事は無いかと聞いて来た、明日奈は今の質問で大体理解したので

「ううん無いわ、ありがとう」

分からない事は無いと答えた

「分かりました、そしてギルドカードが完成したのでお渡しします」

そしてギルドカードが受付嬢から明日奈に渡される、明日奈は受け取りそれを見てみると、ランクH、名前久城明日奈と書いてあるシンプルな物だった

「間違いはございませんか?」

「うん、無いわ」

明日奈はランクは兎も角何故名前が分かるのかと思いながら間違いは無いと答える

「それではこの世界からの脱出を目指して頑張って下さい、私達ギルド職員一同であなたを応援させて貰います」

「答えれるか分からないけど答えてみせるわ」

明日奈はそう言うと少し離れた所で待っているメリアの元に向かう

「終わりましたか?」

「ええ、終わったわ」

メリアが説明は終わったかと聞いて来た、明日奈は終わったと答える

「それでメリア私一文無しだし宿にも泊まれないし、早速依頼を受けようと思うのだけれど付き合ってくれる?」

流石にパートナーとなったと言えどこれ以上奢って貰うのは悪いなのでメリアに一緒に依頼を受けてくれないかと頼む

「良いですよ、依頼受けましょう」

「ありがとね、メリア」

そして二人はクエストボードの方に歩いて行った

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