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金色の九尾ll アンダーワールド  作者: ブレイブ
二章タバーア地方の九尾
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二十七話

第八遺跡

明日奈達は地下五階にたどり着いていたここがこの第八遺跡の最深部である

明日奈達の目の前には立派な装飾が施された扉があり、この扉を開けば世界脱出の方法を記したプレートを守るダンジョンボスとの戦いになるだろう

「・・・ねぇ明日奈中から誰かが戦ってるが聞こえない?」

扉の中からは戦闘音が聞こえて来ている、誰かが戦っているのかもしれない

「ええ、聞こえるわね」

「俺も聞こえる・・・つまり今回は俺たちの報酬は無しってことかぁ」

遺跡やダンジョンの攻略の際、先に最新部まで辿り着いた者が最深部にある宝石や武器やクエストクリア報酬の獲得権を得る、つまり今回の場合先に扉の中で戦っている者が居る為その者がダンジョンボスに勝利した場合は、明日奈達には報酬は無しだ

「まぁ取り敢えず中に入りましょう、どんな人が私達より先に最新部まで辿り着いたのか見てみたいわ」

「賛成、悔しいけど私も見たい、中に入ろう」

明日奈達は先に最新部まで辿り着いた者を見る為扉を開けて中に入った




第八遺跡最深部

明日奈達が中に入るなり入り口の扉の横の壁にドーンと音と共に何かが叩きつけられた

「なに!?」

三人が音をした方向を見ると巨大な猿の恐らくはダンジョンボスが壁に叩きつけられて絶命している

「おいおいこんなデカイ奴を壁に叩きつけるなんてどんな奴だよ・・・」

ダンジョンボスを壁に向けて吹っ飛ばした者は現在砂煙に包まれており見えない、明日奈達は砂煙が晴れるのを待つ

「・・・やっぱりね、こんな事が出来るのは奴等しか居ないと思ったのよ」

そして砂煙から現れたのはロボットだった、そしてそのロボットは明日奈が始めて戦った黒いロボットだ

彼も砂煙が晴れるのを待っていたようで、砂煙が晴れた今ダンジョンボスが絶命したのか確認しているようだ、そしてそのダンジョンボスのすぐ横に立っている明日奈達にも勿論気付いたようで、戦闘態勢を取る

「俺達も殺る気みたいだな」

「そうみたいだね」

「二人とも気を引き締めて!あいつは本当に強いわよ!」

一度あの黒いロボットと戦った事のある明日奈の警告が部屋に響いたその直後ロボットが明日奈達に飛び掛かって来る

「ホワイトローズ!範囲エンチャントホーリー!」

『Yes』

明日奈はようやく名前を決めた範囲エンチャントでメリアとシュルクに光属性のエンチャントを掛ける、そして自分の剣にもエンチャントを掛けると、ロボットの爪を剣で受け止めた

「くっ!やっぱり重い!」

「うらぁ!」

ロボットの攻撃の重さに明日奈は片膝を着く、シュルクは明日奈がロボットの攻撃を止めていられる間にロボットの胴に思いっきり斧を叩きつけたが

「効いてない・・・」

この黒いロボットとは別のロボットには効いたエンチャントによる攻撃が黒いロボットには効かなかった、ロボットの装甲には傷一つ付いていない

「やぁぁ!」

メリアがロボットの腕を台にして飛び上がり、ロボットのモノアイに剣を突き出したがモノアイには剣は突き刺さらず弾かれた、そして徐々にロボットの腕力に押されている明日奈はロボット爪から後ろに転がって逃れるとすぐに立ち上がるが、既にロボットの足が目の前にあり蹴りに命中してしまった、蹴られた明日奈は壁に向かって飛んで行き壁に叩きつけられる

「明日奈!」

「メリア!前を見ろ!」

メリアは吹っ飛ばされた明日奈の方を見るがシュルクが前を見るように言う、メリアはシュルクの言葉を聞き前を見ると爪が迫って来ていたので横に大きく飛んで爪をかわした

『マスター、先程受けた攻撃のダメージレベルは中です、シュルク様とメリア様があの攻撃を受けた場合耐えれる回数は二回、マスターの場合は五回です』

「そう・・・本当ヤバイわねあいつ」

明日奈はダメージレベルは中だと言うダメージを受けた体に鞭をうち立ち上がると今度はシュルクを狙い攻撃しようとしているロボットに先にホワイトローズをブレイカーモードに変形させると後ろから斬りかかる

「くそっ!」

だがブレイカーモードにより威力の上がった斬撃もロボットには通じず弾かれる、そしてロボットは明日奈の攻撃に振り返りもせずシュルクを殴りつけ殴られたシュルクは地面を転がって行く

「メリア!動いて!」

シュルクを殴ったロボットの次の狙いはメリアだ、巨大な爪を振りかざしメリアに接近する

「きゃっ!」

メリアはロボットの攻撃をギリギリでかわした、攻撃をかわされたロボットの爪は地面に突き刺さった

「今なら・・・!メリアそこから離れて!」

「うん!」

メリアは地面から爪を抜こうとしているロボットから慌てて離れた、そしてメリアが離れたのを確認した明日奈はホワイトローズをブラスターモードに変形させると、チャージする時間が無かった為無理矢理魔力を送りチャージしたホーリーブラスターをロボットに放つ

「ホーリーブラスター!」

ホーリーブラスターは丁度爪を地面から抜いたロボットに命中した、そしてホーリーブラスターの照射が終わると埃が舞い散り部屋が白く染まる

「やった!」

「・・・当たったけど、どうかしらね・・・」

やがて埃が晴れるとロボットが余裕そうな面持ちで立っている、そのダメージは少々装甲が焦げた程度のようだ、ホーリーブラスターの威力はロボットの周りの地面を抉る程の威力だったのにだ

ロボットは焦げた自分の装甲を暫く見つめた後、焦げ跡を作った張本人である明日奈は暫く見つめた後背を向けプレートがある台座の方に向かい、プレートを回収した

「貴様面白いな、もっと強くなれ、もっと強くなったお前を俺が殺してやろう」

そして回収し明日奈の隣を通り過ぎる際にこう言うと最深部の部屋から出て行った

「見逃してくれたのね、また・・・」

明日奈は自分の命があった事にホッと溜息を吐くとヘナヘナと地面に座り込んだ

明日奈達の始めての世界脱出依頼は失敗と言う結果に終わってしまった

この後依頼を失敗してしまった明日奈達はサボールに戻り依頼を失敗した事をギルドに伝えると宿に戻った


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