五話、アダムの部下達との戦い3
アダルレーゼ、第三区間
「さぁ!」
「行くぞ!」
神楽と鬼摺木が同時に迫る。
「アリーシャさん!フル出力で行くよ!」
『合点承知ですわ!』
「・・・また何処で覚えたの?」
メリアはそういやアリーシャさんテレビ見てたなぁと思いつつ、迫る二人を見て力を全力で解放し、二人を迎え撃つ。
「はぁぁ!」
「ふふふ!」
メリアの全力の一撃と神楽の全力の一撃がぶつかり合い、アダルレーゼが振動する、鬼摺木はメリアの隣を通り過ぎ、シュルクに攻撃を仕掛ける。
「ふん!」
「セェヤ!」
鬼摺木は上から鬼棍棒を、シュルクは下から斧を振り上げ激しい金属音が空間に響く。
「お二人共避けて下さい!、狐火!」
白花は神楽と鬼摺木に向けて青い狐火を放つ、白花の声に反応したメリアとシュルクは大きく避け、鬼摺木は大きく後ろに飛んで躱した、しかし神楽は躱さない。
「残念ね!後輩ちゃん!」
同じ妖狐である神楽には狐火は効かないのである、一度白花の狐火をその身に吸収した神楽は倍にし白花に返す。
「ッ!」
白花は陰陽術の盾を張り狐火を防ぐ、神楽は呪力使用者、魔力を使う白花が神楽がやったようにその力を吸収すればタダではすまないので防御する必要がある。
「白花!」
盾があるとは言え狐火飲み込まれた白花をこのままにする訳にはいかないと判断したメリアは、神楽の横から斬りかかる。
「チッ!」
神楽はメリアの攻撃を上に飛んで躱し、メリアの後ろに降り立つと蹴りを放つ、メリアはガードし、突きを放つが神楽は後退し突きを躱した。
(やはり同じ種族、明日奈の戦い方に少し似てる、なら!)
近接戦を好む妖狐族は四肢全てを使った素早い連続攻撃を好む、それは明日奈も該当し、明日奈も四肢全てを使い激しい連続攻撃を行う、そしてその戦い方には弱点がある。
メリアに再び迫った神楽は次にメリアに向けて左ストレートを放った。
「ッ!」
メリアはその拳をわざと顔で受け止め腕を左腕で掴む、そうこれこそが明日奈と神楽に共通する弱点、もし相手がメリアが行なったように捨て身で攻撃を受け止めた場合、連続攻撃が止まってしまい一瞬の隙が出来てしまうのだ。
「インフェルノソード!」
メリアに腕を掴まれ身動きが取れない神楽はどうにかメリアの攻撃から逃れようとするが逃れる事が出来ず、胴体をメリアに大きく斬られた。
「くぅぅ!この!」
胴体を斬られた神楽はメリアを蹴り飛ばしメリアから離れる。
「大丈夫か?」
シュルクと白花を相手にしていた鬼摺木は二人から離れ神楽の元に向かい、彼女の傷の心配をする。
「大丈夫よ、死ねば治る」
「フン、そうだな」
「ウォラ!」
纏めて二人を蹴り倒そうと考えたシュルクは飛び斬りを放つが、鬼摺木が受け止めた。
「中々のパワーだぞ」
「お前こそな!」
ここ最近メリアと共にトレーニングをし、更にそのパワーを増強させたシュルクは鬼摺木を無理矢理に押し切る。
「氷の槍!」
白花は鬼摺木の後ろから氷の槍を放つ。
「チッ!」
シュルクに押し切られた鬼摺木は棍棒で氷の槍を破壊するが。
「行くぜ!パワーアックス!」
後ろから迫るシュルクに対応しきれず、シュルクにその背中を大きく斬られた。
「チッ!」
背中を大きく斬られた鬼摺木は鬼火をシュルクに向けて放ち、シュルクは命中してしまった。
「シュルク!このぉ!」
神楽と斬り合いをしていたメリアは、先程行なった戦法を再び行い、神楽の攻撃を止めると神楽を鬼火を放つ鬼摺木に向けて蹴り飛ばした。
「むっ!?」
蹴り飛ばされた神楽は鬼摺木とぶつかり二人は地面に倒れた。
「シュルク!大丈夫!?」
そしてメリアは愛する彼に駆け寄り心配をする。
「大丈夫だ、そんな事よりも今だ!一気にトドメをさせ!メリア!」
「うん!アリーシャさん!インフェルノブラスターフルドライブ!」
『行っけぇ!インフェルノブラスターですわ!』
「・・・」
メリアはインフェルノブラスターのチャージを開始する、しかしその間に鬼摺木と神楽は立ち上がろうとするが。
「拘束の陣!」
白花の拘束術により拘束され身動き出来なくされた。
「ありがと!白花、インフェルノブラスター!フルドライブ!」
そしてメリアはインフェルノブラスターを放った。
「くぅぅぅぅ!?」
「ツゥゥゥ!?」
鬼摺木と神楽はインフェルノブラスターをモロに喰らう、しかしその肉体の一部が燃え残り、再び再生しようとしていた。
「メリア!炎を貸せ!」
「へっ?えーとうん!」
もう一撃インフェルノブラスターを放とうとしていたメリアは炎を貸せと言うシュルクに向けて炎を放つ。
「良し!インフェルノアックス!」
シュルクはその炎を斧で受け止め炎の斧を作り上げると、インフェルノアックスを放つ、燃え盛る炎の斧は神楽と鬼摺木を焼き尽くし、消滅させた。
「やったな」
「うん!」
「はい!」
勝利を喜び合うメリア達は、先に行った仲間達を追いかけ、先に進む。
アダルレーゼ、第四区間
明亞達を先に行かせた、ギルダーツ、ミランダ、響の三人は骸骨のような外見を持つ人物と対峙していた。
「我が名は死神、ライズ、貴様ら侵入者をこれから地獄に案内するしよう」
ライズはそう言うと、一礼をし大鎌を構える。
「地獄には行けん、息子が居るんでな!」
ギルダーツは魔法銃を構えると二発発射する。
「ククク」
しかしライズは透明となりそれを躱すとミランダの後ろに現れる。
「くっ!」
ライズの攻撃をミランダとライズの間に入った響が受け止めた。
「すまん!」
ミランダは自分の背を背中を守ってくれた響に礼を言うと、槍をライズに向けて突き出すが、ライズは再び透明となり消え、槍は空を斬る。
「厄介だな」
「そうだね・・・」
ギルダーツ達は背中を合わせ合い透明となったライズがいつ現れても良いように周囲を見渡す。




