最終決戦編プロローグ巨大戦艦アダルレーゼ
???
「ふん、神器は完全にあの者の物になったと言う訳か」
「申し訳ありません・・・」
アダムから与えられた神器の回収の任務を失敗したと伝えた、アニューは深く頭を下げる。
「良い、そんな物よりももっと凄い物を見せてやろう、ついて来い」
「?、はい」
アダムはアニューに何かを見せてやると言うと歩き始める、アニューはその背中を追う。
「アダム様、これは?」
アダムに連れられてドックのような場所に来たアニューは目の前の巨大な戦艦について無に質問する。
「これは戦艦アダルレーゼ、我が所有する戦艦だ、これだけで五十万の兵力に相当する、戦力を持つ」
戦艦アダルレーゼ、それは一隻で五十万の兵力に相当する、この多重世界に記録されている戦艦の中でも最強の戦艦である、無は七人の幹部以外兵力を持たない、その理由は一隻で五十万の兵力に相当するこの船を所有しているからである。
「五十万の兵力に相当って凄い・・・」
アニューは五十万の兵力に相当すると言うアダルレーゼが人類の兵達を蹂躙する様を想像して、体を震わせる。
「クク、我は今からこれを使い人類を圧倒しようと思う、アニューよ、ついて来るか?」
「はい!」
「では、行くとしよう」
アダムとアニューはアダルレーゼに乗り込む、数分後アダルレーゼは浮上し、転移した。
アダルレーゼが転移した先は第九世界、巨大戦艦アダルレーゼはその圧倒的戦闘能力を用いて、僅か十分で一つの世界を焼き尽くした。
ワールドセイバー本部
第九世界が滅びたと知らされた明日奈はワールドセイバー本部のレビルの部屋に居た。
「何があったの?」
レビルの部屋に入った明日奈は早速本題を聞く。
「これだ」
明日奈の質問を受けたレビルは一枚の写真を明日奈に渡す、この写真は第九世界滅亡の知らせを受け第九世界の調査に向かったエージェントが、たまたま焼け残っていたカメラから取り出した物である、焼け残ったカメラの持ち主は恐らくは亡くなっている。
「巨大な戦艦?」
「うむ、この写真を見て古文書を調査したエージェントによると、この戦艦はアダルレーゼと言う名らしい」
「アダルレーゼ・・・」
戦艦の名を聞いた明日奈は桜の元に向かおうと思った、彼女なら何かを知っているかもしれないからだ。
「ごめんなさい、少し行かなきゃ行けない所が出来ました、今から行って来ます」
明日奈はそう言うとレビルに背を向け扉に向かう。
「待て、お前は何か新しい力を手に入れたと聞いた、その力でこの戦艦に勝てそうか?」
「・・・分かりません」
まだ桜からアダルレーゼについての詳細な話を聞いていない為、勝てるかどうか聞かれても分からないとしか明日奈は答えれない、しかし。
「でも、必ず勝ちます!」
強い瞳で明日奈はアダルレーゼにも勝つとレビルに伝えた。
「・・・分かった」
その強い瞳にレビルは強い希望を感じた。
桜の館
「お婆ちゃん、こんにちは」
桜の館にやって来た明日奈はまずは桜に挨拶する。
「こんにちは、ここに来た理由は分かっています、アダルレーゼの事を聞きに来たのですね?」
「うん」
桜はアダルレーゼが第九世界を蹂躙する様子を見ていた、その為明日奈がここに何をしに来たのか理解していた、明日奈は話が早いと思いつつ頷く。
「五十万の戦力、そして万の砲門、そして呪力収束レーザー砲、ホント凄い戦艦ね」
戦艦アダルレーゼは船体に万の砲門を備え空から迫る敵を撃ち落とし、呪力収束レーザー砲で地上から迫る敵を纏めて消滅させる、戦艦内部に侵入出来たとしても今度は七人の部下を相手にし討ち勝たないと、アダムが居るアダルレーゼの司令室には辿り着けない。
「幸い、私は相手にする事は有りませんでしたが、お母様はこの戦艦相手に戦ったそうです」
「お婆ちゃん、イブお婆ちゃんがその時はどうしたのか聞いてる?」
「お母様は戦艦は相手にせずに弾幕を掻い潜り、一人で戦艦内部に侵入し、アダムの部下達も打ち倒し、最後にアダムと戦ったそうです」
「イブお婆ちゃん、凄い・・・」
明日奈は一人でアダルレーゼとアダムの部下達とアダム本人まで相手にしたイブの実力の高さを尊敬する、自分にはそこまでの余裕は無い。
「お母様には仲間が居ませんでしたから・・・でも明日奈ちゃんには沢山のお友達が居ます、だから彼らと共に・・・」
「うん、必ず勝つ」
人類を信用出来なくなっていたイブは孤独な戦いを強いられた、しかし明日奈には沢山の友、そしてワールドセイバーや紫龍機関と言う協力者が居る、明日奈は思う、彼等とそしてレーヴァテインの力を手に入れた自分なら必ず無に勝てると。
「はい、必ず勝利して下さい、そして世界に平穏を」
明日奈の言葉を聞いた桜は明日奈に向けて拳を突き出す、明日奈はその拳に拳を合わせ、桜と勝利の約束をすると、師である桜に頭を下げ、天上界を後にした。




