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金色の九尾ll アンダーワールド  作者: ブレイブ
最終章金色の九尾
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三十八話レーヴァテイン編7

十一階


鬼摺木はクリスティとフォードを標的に選んだようだ、神楽と対峙する明日奈と鈴とレビィを遮るように炎の壁を作る。


「お前達は面白そうだからな、神楽にはやらん!」


鬼摺木はそう言うとフォードに近付き棍棒を振り上げ、振り下ろす。


「ふっ!」


フォードはそれを受け止め力と力の押し合いに入る。


「ほう、俺の棍棒を受け止めたか!」


鬼摺木は自分の攻撃を受け止めたフォードを見て感心した表情を見せると更に力を込めてフォードを押し込んでいく、力負けし鬼摺木の棍棒を支えきれなくなったフォードは剣を逸らし鬼摺木の棍棒から逃げる。


「撃鉄!」


クリスティは地面に刺さった棍棒を引き抜こうとしている鬼摺木に殴りかかる。


「鬼火」


しかしクリスティの攻撃は鬼摺木の鬼火に遮られ、そして鬼火はクリスティの体に纏まり付く。


「くっ!くそ!」


鬼火にまず服から焼かれて行くクリスティは焦って炎を消そうとするが消せない、その間にも鬼火はクリスティを焼いて行く。


「ウォーターブレイド!」


それを見たフォードはウォーターブレイドを発動させ水をクリスティにかける、するとクリスティの体に纏わり付いた炎は消えた。


「すまねぇ!」


「良い!そんな事よりも来るぞ!」


「あぁ!」


クリスティがフォードにお礼を言っている内に鬼摺木が迫っていた、フォードの言葉により鬼摺木を見据えたクリスティは鬼摺木の棍棒を躱し、懐に潜り込むと一撃、腹に喰らわせる。


「グッ!」


腹を殴られた鬼摺木は怯む、フォードは怯んだ鬼摺木に迫り一太刀喰らわせた。


「やったな、フォード」


「うむ」


フォードの攻撃を喰らい体を大きく斬り裂かれ倒れた鬼摺木を見てフォードとクリスティは拳を合わせ合う。


「ククク、まだ終わらんぞ」


しかし鬼摺木は体を大きく斬り裂かれており内臓が見えていると言う状態なのに立ち上がる、そして立ち上がるのと同時にフォードが斬りつけた切り口が繋がっていき、元の綺麗な肌に戻ってしまう。


「何!?」


「嘘だろ!?」


倒した筈の敵が起き上がったのを見てフォードとクリスティは驚いた声を上げる。


「さぁ、続きを、更なる戦いを」


蘇った鬼摺木はフォードとクリスティに向けて再び攻撃を仕掛ける。




「クリスティ!フォード!」


明日奈は鬼摺木が放った鬼火を越え彼等の援護に向かおうとする。


「行かせないわ」


しかし神楽が立ち塞がり、明日奈に向けて尻尾を放つ。


「お姉ちゃん!」


明日奈は八本の尻尾は躱したが残り一本は躱せそうに無い、それを見たレビィが残り一本の尻尾を弾き、姉を守る。


「ありがと、レビィ」


「うん」


明日奈とレビィはハイタッチをし、神楽を見据える、鈴は既に神楽を狙い銃を構えている。


「ふふふ、さぁ戦いましょうか!」


明日奈達を見て笑う、神楽は尻尾をバッと広げると明日奈とレビィに向けて放つ。


「レビィ避けるよ!」


「うん!」


明日奈はレビィを助けつつ神楽の尻尾を躱し、鈴が銃弾を放つ、しかし神楽は尻尾で防ぎ、防いだ尻尾で鈴を攻撃する。


「セイ!」


明日奈は鈴を狙う尻尾を下から斬り上げ鈴を守ると前に向けて走る。


「レビィ!鈴の援護を!」


「分かった!」


姉に鈴の援護を任されたレビィは下がり鈴の射撃の邪魔にならない位置に立ち迫る尻尾を弾く、明日奈は妹が下がる間に神楽に迫り接近戦を仕掛ける。


「プラチナソード!」


「虐月」


明日奈は光の剣、神楽は刀を月に見立てた紅の斬撃を放ち、白金と紅がぶつかり合い弾け合う。


同時に離れ地面に着地した明日奈と神楽は再び接近する。


「ッ!」


神楽に迫った明日奈はフェイントとして立ち止まり、神楽の斬撃が明日奈の目の前を通る、神楽の斬撃が目の前を通った次の瞬間明日奈は突きを放つ。


「チッ!」


神楽は体を回転させるのと同時に尻尾で明日奈の斬撃を防ぎ、次に回転斬りを放つ。


「くっ!」


明日奈は鎧の小手の部分で刀を止めると剣を上から振り下ろす、神楽は明日奈の剣を刀で止め蹴りを放つ。


明日奈は神楽の蹴りを足で受け止めると、左ストレートを放つ。


「凄い・・・」


「はい・・・」


飛び交う斬撃の速さに鈴とレビィは只々感心する。


「やるね!」


「まぁね!」


左ストレートを逸らした神楽と言葉を交わしあった明日奈は一番威力が出せる為気に入っている、横斜めからの回転斬りを放つ。


「チィィ!」


明日奈の斬撃を受け止めた神楽の足が浮いた、それを見て好機だと判断した明日奈は剣に光を灯し神楽の上を取り斬撃を放つ。


「ふふ」


絶体絶命だと言うのに神楽は笑った。


「!」


神楽の笑い声を聞いた明日奈は悪寒を感じ止まる、すると神楽の左手からは呪力で作られた剣が持たれていた、あのまま突っ込んで居たらあの剣に腹を貫かれていただろう。


「惜しかったわね」


神楽は明日奈を殺せなかった事に残念そうな表情を見せると手を振るう、するとレビィと鈴の真後ろに陣が現れ爆発する。


「レビィ!鈴!」


二人の後ろに現れた陣が爆発したのを見て明日奈は二人の名を呼ぶ。


「大丈夫です!」


「大丈夫だよ!」


すると爆炎の中から二人が飛び出して来た、どうやらどこにも怪我はしていない様子である。


「私はこんな事も出来るのよ?お嬢ちゃん?油断しない事ね」


「そうみたいね!」


神楽が言葉を言い終わった瞬間明日奈の足元に陣が現れる、明日奈はバックステップで躱し、銃弾を放つが、神楽は尻尾で防ぐ。


「喰らって下さい!」


それを見た鈴は貫通能力のある魔法弾ニードルショットを放つが、神楽は体を逸らしてそれを躱し、尻尾を放って来る。


「やぁぁ!」


レビィが迫る尻尾を弾き明日奈と鈴を守った。


「明日奈さんどうしますか?これでは近付けません」


「そうね、ちょっと無茶な方法を使ってみましょうか」


明日奈はそう言うと神楽に向けてプラチナローズをブラスターモードで構える。


「お姉ちゃんがやろうとしている事は分かった、チャージが終わるまで守るね?」


「ええ」


「チャージを終えた後は私が」


「お願い」


「何をしようとしているのか知らないけど、させないわ!」


明日奈が何をしようとしているのか理解した鈴とレビィは協力して明日奈を守ると言った、明日奈がやろうとしている事に悪寒を感じた神楽は尻尾と陣を放つが尻尾はレビィが、陣は鈴が魔力で打ち消した。


『チャージ完了です、マスター』


「分かったわ!プラチナブラスター!」


チャージが終わったと聞いた明日奈は、プラチナブラスターを後ろに向けて放つ、プラチナブラスターを後ろに放っ事で強烈な推進力を得た明日奈は物凄い速さで神楽に迫る。


「なっ!?この!」


それを見た神楽は焦り陣と尻尾を放つが、陣は明日奈の速さに追い付けず、尻尾は鈴の銃弾に阻まれる。


「モードツインセイバー、そして!ツインプラチナブレイド!」


『Yesツインセイバーモード、そしてプラチナブレイド!』


明日奈は更にツインセイバーモードに変身し更なる速さを得る、その速さに反応出来ない神楽は大きく後ろに飛ぶが明日奈は余裕で追い付き、ツインプラチナブレイドを命中させた。


「よし!」


速すぎて着地に失敗した明日奈はゴロゴロと転がりつつ、神楽に攻撃を命中させた事を喜びガッツポーズをする。


「やりましたね!」


「やったね!」


「ええ!」


レビィと鈴も勝利を喜び駆け寄って来て明日奈を立たせる。


「まだ喜ぶには早いんじゃない?」


しかし勝利を喜ぶ明日奈達の声を遮り神楽の声がした、明日奈達が驚き声がした場所を見ると、明日奈の斬撃により真っ二つに切断された筈の神楽の体がくっ付き彼女は蘇っていた。


「嘘・・・」


明日奈は蘇った神楽を見て口を押さえて驚く、これまでこのように立ち上がって来た敵など見た事が無かったからだ。


「ふふふ、驚いているわね、アダム様の力をこの身に宿す私達はこう言う事が出来るのよ、鬼摺木!帰るわよ!」


驚く明日奈を見て笑う神楽は鬼摺木を呼ぶ。


「帰るのか?」


「ええ、もう疲れたし、あの子もいるみたいだしね」


「分かった」


クリスティとフォードとの戦いを楽しんでいた鬼摺木は神楽の言葉を聞いて戦いをやめた、そして神楽に近付く。


「それじゃあ、またね」


そして神楽は明日奈に手を振ると転移して行った。


「明日奈見たか?奴等」


「ええ、復活出来るのね・・・厄介だわ」


明日奈は復活して来る敵の対処法を考えつつ、十二階にへと続く階段を仲間達と共に登る。




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