三十六話レーヴァテイン編5
五階
「さて、最初から本気を出させて貰おうか」
明日奈と対峙する明日奈の記憶のデルタムーザは龍人の姿に変身する、そして飛び掛かってくる。
「!」
明日奈はデルタムーザの攻撃を躱し、腹を蹴り飛ばす、明日奈の蹴りを受けたデルタムーザはすぐに体勢を整え、明日奈に黒い弾を放つ。
『マスター!あれに当たらないで下さい!』
「分かってる!」
明日奈は当たった者を跡形も無く消し去る黒い弾を大きく避ける。
「隙が出来たなぁ!」
デルタムーザは黒い弾を避ける事により出来た明日奈の隙を突いて一気に迫って来た、明日奈は下がり切れずデルタムーザに顔を掴まれた。
「くっ!このぉ!離しなさい!」
デルタムーザに顔を掴まれた明日奈は、自分の顔を掴んでいるデルタムーザの左腕に銃口を付けると銃弾を放つが、デルタムーザの鱗はその銃弾を弾いた。
「フハハ!顔を潰してやろう!」
「くあぁ!」
明日奈の顔を掴むデルタムーザはグググと力を入れ、明日奈は苦しそうな声を上げる。
『マスター!』
主人の危機を感じたホワイトローズは自信とリンクしている、まだ不完全なレーヴァテインを操る。
『喰らいなさい!』
そしてデルタムーザの背中を狙いレーヴァテインを放った。
「ほぅ」
背中越しに迫るレーヴァテインを見たデルタムーザは迫るレーヴァテインに向けて明日奈を投げる。
「ちょっ!?」
『大丈夫です!』
迫るレーヴァテインを見て明日奈は焦るが、ホワイトローズはそれをコントロールし、デルタムーザを追わせる、明日奈は周囲の壁を蹴って登り、レーヴァテインとデルタムーザを追う。
「追尾機能持ちか!」
デルタムーザは追って来るレーヴァテインを蹴り飛ばすと、その後に迫る明日奈を迎え撃った。
「あの白金の姿にはならぬのか?」
「まぁね!」
デルタムーザの鍔迫り合いをする明日奈は体を重力に任せてわざと落とすと銃弾を放つ、デルタムーザは羽で銃弾を防ぐと明日奈を踏みつけようとする。
明日奈はそれを空中で体を捻る事で躱すと、デルタムーザの羽を掴み剣を突き刺す、前の戦いの経験から飛ばれるのは不利と判断し、先に羽を潰したのだ。
「フン、もう飛べぬかまぁ良い!」
羽を潰されたデルタムーザは明日奈に黒い弾を放つ、明日奈はバックステップでそれを躱しつつ銃弾を放つ、デルタムーザはそれを躱しながら剣に闇を纏わせ明日奈に迫る。
「ホーリーソード!」
明日奈はホーリーソードでデルタムーザの闇の剣を迎え撃ち、闇と光がぶつかり合い空間が揺れる。
「っ!」
「くっ!」
闇と光は反発し明日奈とデルタムーザは同時に後退してしまう、両者は体勢を立て直すとデルタムーザは手を、明日奈はレーヴァテインを装着したホワイトローズをガンモードで構える。
「レーヴァブラスター!」
「ダークネスブラスター」
青いブラスターと黒いブラスターが同時に放たれた、二つのブラスターはぶつかり合うと衝撃波が発生する。
「くっ!っ!」
「ククク、お前の力はこんなものか?」
最初は互角だった撃ち合いだがデルタムーザが徐々に押し始める、デルタムーザはまだ力を出し切れていない明日奈を挑発する。
「私はこんなものじゃない!、ホワイトローズ!フルドライブよ!」
『Yes!』
デルタムーザの挑発を受けた明日奈は、レーヴァブラスターをフル出力で解放する、そしてレーヴァブラスターはデルタムーザを押し切った。
「フン、アリーシャと同じ魂を持つ者よ、強く心を持て、そうすれば我を討ち取ったように無も討ち取れよう」
レーヴァブラスターに焼かれ消えて行くデルタムーザは明日奈に言葉をかける。
「・・・ええ」
デルタムーザの言葉を聞いた、明日奈は彼の瞳をしっかりと見て頷く。
『勝ちましたね、マスター』
「うん、さぁ先に進もう」
記憶のデルタムーザを倒した明日奈は進む、未来へと。




