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金色の九尾ll アンダーワールド  作者: ブレイブ
最終章金色の九尾
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三十一話

無は明日奈の知らない所で更にイブとその友に封印されていた部下を復活させて行く、現在無が居る遺跡が封印された部下が眠る最後の遺跡である。


「目覚めたか、リルよ」


「うむ、とても良い目覚めじゃ」


吸血鬼のリルはそう言うと無の目の前で片膝を着き頭を垂れる、それを見た無は満足気にリルの髪に触れる。


「さて、共に我が城にへと向かおうぞ」


「うむ」


最後の部下を復活させた無は、リルと共に彼の城にへと転移して行く。




第8世界


全ての部下を復活させた無は早速、その力を人類に見せ付ける、突然第8世界にアニューを含む七人の部下と共に現れたかと思うと、攻撃を開始した。


第8世界は無の突然の襲撃に驚き、なんとか抵抗しようとするが、無の七人の部下の力は強大であり、第8世界はたった2時間で滅ぼされてしまった。



第8世界にやって来た明日奈は死の世界となった、世界の様子を見て涙を流す、人も動物も自然も燃やし尽くされ、この世界に存在するのは灰だけだ、明日奈は思うこの世界に再び命が宿る事は無いだろうと、そして一年後無は世界から命を奪うどころか、全てを消し去り存在すら奪おうとしているのである。


「・・・」


流れる涙を拭った明日奈は、暗い表情のまま地球に向けて転移して行った。




ワールドセイバー本部


ワールドセイバー本部では無とその七人の部下についての対策会議が行われている、たった2時間で一つの世界を終わらせる事が出来る敵は強大で勝ち目など無いのでは無いかと思ってしまう、しかし勝たなければ世界が終わる、だからワールドセイバーは第8世界から逃げて来た者の話などを聞き、七人の部下についての分析を行っている。


「天界の協力は?」


「得られました!」


無と七人の部下達が封印されたのはまだ多重世界が産まれて間もない頃、そんな時代の記録が残っているのは天界しか無い、その為ワールドセイバーは天界に協力して欲しいと申し出た、ワールドセイバーの頼みを受けた天界は協力してくれるようである。


「良し!早速、何人か天界に向かわせろ!」


「分かりました!」


早速ワールドセイバーから何人か天界に向かう、天界に向かった者達は無の部下達について記されていそうな文書を集め、手当たり次第ここに持って来るのが仕事である、そして本部に居る者達が文書の解析を行う。




地球支部


地球支部に戻って来た明日奈は、チーム29に向かう、文書収集や解読に協力している支部は第2から第5支部、それ以外の支部は通常業務を行っている為、地球支部の様子は普段と変わりない。


「ただいま」


チーム29に戻った明日奈はチームメンバーに挨拶する。


「お帰り」


レビィとワトソンと共に部屋に居たギルダーツは明日奈の頬の涙の跡を見て、第8世界の様子を察し、ただ明日奈にお帰りとだけ言う。


「明日奈、世界的な緊急事態状態であり帰ってきたばかりのところ悪いのだが、任務だ、第三世界に向かえ」


ワトソンは帰ってきたばかりの明日奈に任務書を渡す、今の精神状態的に止まるよりは動いていたい明日奈は頷くと、何も言わず第三世界に向けて転移した。


「レビィちゃん、明日奈の側に居てやってくれ」


「うん、分かった」


明日奈の表情を見たギルダーツはレビィに明日奈の事を任せる、レビィはギルダーツの言葉に頷くと、姉が貰った任務書をもう一枚コピーして貰ってから姉の後を追い、転移する。




第三世界


「マスター?大丈夫ですか?」


気分が優れない様子の明日奈を見たホワイトローズが明日奈を心配する、明日奈はホワイトローズの言葉に答えず任務書を確認する。


明日奈が確認した任務書の内容によると、今回の任務は違法に武器を密輸している組織の逮捕である。


「・・・」


組織が所有する倉庫の前、明日奈は倉庫の扉に手をかけると開け放つ、するといきなり扉が開き驚く中の者達が見える、明日奈はホワイトローズを構えると、次々と彼等を気絶させて行く。


「喰らえ!」


組織の男の一人が棚からビームバズーカを取り出すと発射する、明日奈はそれを右に大きく飛んで躱し、ビームバズーカを銃弾で撃ち抜き破壊し、持ち主を殴り気絶させた。


『マスター、後ろです!』


「ッ!?」


その時だった、ホワイトローズの警告が明日奈の頭の中を走る、警告を聞いた明日奈が後ろを見ると物陰から男が斬りかかって来ていた、そしてもう躱せる距離では無かった。


「お姉ちゃん!」


そこで倉庫に辿り着いたレビィが男を蹴り飛ばし気絶させる。


「レビィ!?」


滅びた第8世界を見て悲しみ戦闘に集中出来ていなかった明日奈は、驚いた声で妹の名を呼ぶ。


「うん!」


姉に名を呼ばれたレビィは返事をし、更に明日奈の後方から攻撃を行おうとしている男を、近くの箱を投げて顔に当てる事で気絶させた。


「お姉ちゃん、私に教えてくれたよね?戦闘中に油断しちゃ駄目だって、私にそう教えてくれたお姉ちゃんがなんでそんな風に油断してるの?」


そして姉の手を引き、二人で物陰に隠れたレビィは、心ここに在らずと言った感じの明日奈に対し怒る。


「・・・ごめん、レビィ、あなたにそう教えた私が油断しちゃダメね、ごめんなさい」


レビィに怒られた明日奈は妹に頭を下げてから、一度ギュッとその手を握ってから立ち上がる。


「行こう、レビィ、この戦闘を終わらせるよ!」


「うん!」


そして妹の言葉により悲しみから立ち直った明日奈は、姉妹で協力し、一気に戦闘を終わらせた、その後気絶した者達をワールドセイバーに送り、武器もワールドセイバーに送った、明日奈は妹を抱き締める。


「ありがとうレビィ、助けてくれて」


「ふふ、私はどんな時でもお姉ちゃんを助けるよ、だって私達は家族、だからね」


姉の感謝の言葉を受けたレビィは愛情のこもった笑顔を浮かべつつ、気持ちを素直に伝える。


(あの小さかった子が本当に大きく成長した、そして成長したからこそ色々気付かせてくれる、ありがとうレビィ)


レビィの素直な言葉を聞いた明日奈は、優しく微笑むと更に強くレビィを抱き締めてから、レビィの手を引き地球支部にへと帰って行った。

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