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金色の九尾ll アンダーワールド  作者: ブレイブ
最終章金色の九尾
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二十七話

第18の遺跡


明日奈とレビィは一緒に遺跡を回っている、二人で無から救うと決め合ったアニューが現れるのを期待して。


「で?何してるの、おねーちゃん」


「穴にハマったの」


「うん、そうだね、で?」


「出れないの」


「・・・」


レビィと仲良く話ながら遺跡の目の前に転移して来て、流れ作業で壁に触れて、開いた壁から中に入り油断し切っていた明日奈は、足元に突然現れた穴にハマった、先程から必死に抜け出そうとしているが、尻尾が引っかかって出れない。


「尻尾、消したら良いんじゃない?」


「!」


焦って自分がいつでも耳と尻尾を消せると言う事を忘れていた明日奈は、レビィの提案を聞いて、妹をそれだ!と言った感じで指差し、尻尾を消して穴から抜け出す。


「いやー、ごめんね?レビィ、お姉ちゃんドジでさ」


あははーと自分のドジを誤魔化す明日奈を見てレビィはクスクス笑う、そして姉妹で笑いあっていると、なんとなく二、三歩後ずさった明日奈の右足に何かのスイッチを押した感覚がしたガコンと言う音もした。


「・・・」


「・・・」


姉妹は顔を顔を青くし見つめ合う、そして明日奈がそおっと右足を上げると天井が開いた、ブシャー。


「水ね」


「うん、水だね」


二人は天井から降り注いだ水をその身に受けてビショビショになった、明日奈は不機嫌そうな顔に、レビィは涙目になる。


「さっさとパーツ取って帰るわよ、レビィ」


「うん」


ビショビショな二人はさっさとパーツを取りに先のスペースに向かった。





「・・・」


スペースにやって来た二人は固まる、スペースの天井に開いている大きな穴を見たせいもあるが、アニューがトリモチに捕まって、身動きが出来なくなっているのを見つけたからだ。


「・・・取ってあげようか、レビィ」


「・・・」


何やら涙目でトリモチ取ってと目線で必死に訴えかけて来るアニューを見た明日奈は、トリモチを取ってやろうとレビィに言う、レビィはそれを聞いて頷く。


「うう・・・」


アニューに近付いた明日奈は剣を抜くとトリモチを取って行く、アニューは敵である明日奈に斬られるのではないかと思い、不安げな表情をするが、明日奈はそれを無視し、トリモチを取って行く。


「ありがと・・・」


明日奈にトリモチを取って貰ったアニューはそっぽを向いて、トリモチを取ってくれた明日奈にお礼を言う。


「良いのよ」


明日奈はアニューのお礼を聞き頷くと剣を仕舞う、助けて貰っておいて戦う気にはなれないアニューはこちらを向かないまま、転移して行った、


「行っちゃったね」


「そうね」


出来ればアニューと話がしたかった明日奈とレビィだが、行ってしまったものは仕方ない、パーツだけを回収し、天上界にへと戻る。



世界樹


明日奈とレビィはイブが産まれた場所、世界樹にやって来た、明日奈は見てみたかったのだ、自分の祖先が産まれた場所を。


「ここでイブさんは産まれ、桜お婆ちゃんもここで産まれたのね」


「うん」


世界樹を見上げる明日奈は樹に駆け寄り、触れてみる、すると暖かく優しい聖力を感じた、世界樹から発せられる聖力に明日奈の勢力が反応したのか、明日奈は金色に光る。


「なんか、光ってるよ?お姉ちゃん」


「そうね、でも凄く暖かいの、レビィも触れてみなさい」


「うん」


姉に世界樹に触れてみなさいと言われたレビィは、世界樹に触れてみた、確かに何か暖かい力が流れ込んで来るのを感じる。


暖かい力に包まれる明日奈とレビィは上を見上げる、すると明日奈の力に反応してか、金色の林檎が実り、そのうちの一つが明日奈の元に落ちて来る。


「世界樹さん、林檎、頂きます」


世界樹は明日奈に自分の林檎を食べて欲しいのだと思った、明日奈は林檎を一口食べる、その味はとても甘く美味しい。


「ごめんね?レビィ、先に帰って貰っても良い?」


「?、良いよ」


少しここに一人で居たいと思った明日奈はレビィに先に帰って貰っても良いかと聞く、レビィは一度首を傾げてから良いよと言い、転移して行った、行き先は恐らくは自宅だろう。


「ふぅ」


明日奈は林檎を食べながら世界樹に持たれかかり空を見る、この世界樹以外に何もない多重世界の始まりの世界の空はどこまでも青く澄んでいる。


「アダム・・・、あなたもこの優しい力を感じていた筈なのに・・・」


世界樹に持たれかかる明日奈はいつの間にか眠っていた。




明日奈の自宅


眠りから覚めた明日奈は家に帰って来た、すると娘達がリビングから飛び出して来て抱き着いてくる。


「ママ〜」


「おかえり〜」


そして未来と今日香は嬉しそうに母の頬に自分の頬を当てる、明日奈は娘達に愛情を込めた視線を送ると、優しく抱き締める。


「お帰りなさいませ、明日奈様」


リビングから出て来た玲狐が柔らかく微笑みながら、明日奈を出迎えてくれた。


「ただいま、玲狐さん」


「はい」


明日奈は娘達を抱き上げると玲狐と共にリビングに行き、未来と今日香とそして玲狐と共に美味しいご飯を食べる。




夜中


仕事を終えたウィリアムが帰って来た、明日奈は夫を出迎える。


「お帰り、お風呂、ご飯、それともわ」


「それ以上は言わせん」


明日奈が帰って来た夫を迎える妻のお決まりの言葉を言おうとすると、ウィリアムが遮り、明日奈を抱き締める。


「ただいま」


「お帰り」


夫婦は抱きしめ合い微笑み合う、暫く抱きしめ合ったままでいた後、明日奈から離れる。


「ご飯、温めるわね?」


「おう、頼む」


明日奈は夫の頬にキスをすると、ご飯を温めに向かう、ウィリアムは妻の突然のキスに照れながらも、妻の背中を追い、リビングに向かう。

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