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金色の九尾ll アンダーワールド  作者: ブレイブ
最終章金色の九尾
235/267

二十六話

天上神、神狐の館


3日後、本の記録を辿り遺跡を回った明日奈は3日のうちにパーツを10個入手しパーツは全部で13個となっていた、そして現在はパーツを神狐の館に置かせて貰っている、明日奈が下界に降りてパーツを探しに行き、明日奈が持って来たパーツを神狐と玲狐が組み立てるのだ、合体出来ないパーツは傍に置かれている。


「ねぇお母さん、先は長そうね」


「そうじゃな」


明日奈は現在肩凝ったから揉めと神狐に言われた為揉んであげている、そんな二人の目の前には少しだけ形になったパーツがあり、合体したパーツはまだ棒状であり鞘らしい形では無い、完成させるまで後40パーツ位必要だろうと明日奈と神狐は予想している。


「さてと、それじゃまた行って来る」


「うむ、肩揉み気持ち良かったぞ明日奈、またしてくりゃれ」


「うん」


明日奈は神狐の言葉に頷くと、尻尾を揺らしながら転移して行った。



???


サクラが見ていた明日奈とイブの会話を無も見ていた、そして無は過去自身を封印したイブを憎々しげに見つめる


「フン、まさかあの娘が我の子孫だったとはな、ククク、ますます殺さなくてはならなくなった」


無にとって、自身を封印し扉の先に閉じ込めたイブとそしてその子孫達、そして無の巫女達の子孫は恨むべき存在だ、だから無はいずれ無の巫女達の子孫の討伐に乗り出すつもりである。


「そして、我を滅する可能性のある、あの鞘を完成させる訳にはいかぬ、しかし我が手を出すのは億劫、さてどうしたものか・・・」


まだ自分自身で動くつもりの無い無は考える、明日奈のパーツ集めの邪魔をする手立てを。


「ククク、思い付いたぞ、我を封印した、無の巫女の子孫を使うとしよう」


無の巫女の子孫を利用しようと思い至った無は早速立ち上がると、自身が利用するに相応しい者の選別に向かった。





第16の遺跡


この日明日奈は更に二つパーツを集めていた、時刻は昼の13時、日が暮れるまでにあと二、三個は集めれそうである。


「さぁ、ここでもゲットよ!ホワイトローズ!」


「Yes」


勢いづいている明日奈は壁に触れると楽しそうに尻尾を揺らしながら中央のスペースに向かって行く、そして中央の台座に近付くとパーツを手にし、パーツを布に包み、鞄に入れる。


「さぁて、次・・・」


明日奈が次の遺跡に向かおうとした所で明日奈の頭上の天井が大きな音を立てて崩れ落ちる、それを見た明日奈は慌てて後ろに飛び瓦礫を避ける。


「なんなの!?」


明日奈は瓦礫が崩れ落ち巻き起こった白い砂埃を見つめる、そして晴れて行くと一人の少女がこちらを見ていた、


「あなたが久城明日奈?」


少女は明日奈を見るなり、明日奈に久城明日奈かどうか聞いて来た。


「そうだけど・・・あなたは誰?」


明日奈は何故、少女が自分の名を知ってるのか?と思いつつ自分が久城明日奈だと肯定し、そしてあなたは誰と少女に尋ねる。


「私?私は無のアダム様の所有物だと言ったら、あなたにとってどんな存在か、分かるんじゃない?」


「ええ、よーく分かった」


少女の言葉を聞いた明日奈は瞬時に理解する、少女が無の部下だと、そして少女がここに来た目的も理解する。


「それじゃ私が何故、ここに来たのか、分かってるわよね?」


「まぁね、でも渡さないわ」


明日奈はそう言うとバックパックを、神狐の館に送る、少なくともこれで16個目のパーツが少女に奪われる事は無くなった。


「あー!ズルイ!・・・まぁ良いわ、今日はあなたの実力と、あのお方に貰った力をあなたで試すためにここに来たのだから、一つくらいパーツが手に入らなかったとしても、良しとしましょう」


コロコロと表情を変える少女は最後に凶悪な表情を見せると拳を構える。


「・・・」


少女から発せられる強い殺気を感じた明日奈は、油断せずに剣を抜き構える。


「私の名はアニュー・メディラ、闇属性の龍拳の持ち主よ」


龍拳それはドラゴンの力を体に乗せ戦う者達の総称、アニューは元は炎の龍拳使いだったが、無に攫われそして呪力を注がれ洗脳された事により、その力は闇属性の龍拳へと変わった。


「私は久城明日奈、ワールドセイバーのエージェント、そして時の神よ」


「ふふふ、よろしくね!時の神様!」


アニューは顔に狂気の笑顔を浮かばせると拳に闇を灯し、明日奈に殴りかかって来る。


「ホーリーストライク!」


明日奈はアニューの拳に合わせるようにホーリーストライクを放つ、すると闇と光の拳は反発しあい、破裂音をスペースに響かせる。


「あはは!やるわね!」


アニューは次に闇を足に纏わせ蹴りを放って来る、明日奈はそれを後ろに回転しながら躱し、振り向きざまに下からの斬撃を放つ。


「そぉれ!闇の拳!」


アニューは更に強く拳に闇を纏わせると強烈な闇の右ストレートを明日奈の下からの斬撃にぶつける、再び闇と光が交わり合い破裂し、パァン!と破裂音を立てる。


「闇の息吹!」


一歩下がり自身の次の動きを探って来る明日奈にアニューは口から闇のブレスを吹いた、明日奈はそれを闇の炎だと判断すると尻尾に聖力を多く込め、防御する。


「馬鹿ね!私の闇の炎は炎が効かないと言われている妖狐の尻尾すら燃やし尽くす!、あなたは私の炎を受けた瞬間に負けが決定したのよ!、あははははは!」


勝ちを確信したアニューは高笑いをする、そしてアニューに力を与えた張本人でありこの戦いを見ていた無も、明日奈の力はこんな物かと落胆する。


「!?」


しかしアニューの狂気を含んだ笑い声はすぐに止まる事となる、突然アニューの炎が消え去ってしまったのだ。


明日奈は闇の炎を防御した後、尻尾の隙間から剣を突き出し、闇の炎をホーリーイレイザーで消し去ったのだ、確かにあのまま防御し続けていれば明日奈の負けだったが、ホーリーイレイザーのおかげで助かった。


「今度は私の番よ!ホーリーブラスター!」


『発射!』


明日奈はホーリーブラスターをアニューに向けて放つ。


「チッ!」


アニューは上に大きく飛んでホーリーブラスターを躱す。


「ハッ!」


ホーリーブラスターは囮、アニューの真後ろに転移で現れた明日奈は手刀を放つ。


「くはっ!」


明日奈の手刀を喰らったアニューは地面に叩き付けられる、地面に叩きつけられたアニューはすぐに立ち上がろうとするが、アニューの目の前に降り立った明日奈はアニューの顔に剣を突き付けた。


「くっ」


「私の勝ちね」


「ッ!まだ!」


明日奈に剣を突き付けられるアニューは何かの力を解放しようとする、明日奈はアニューが何かする前に気絶させようと、アニューの首筋を狙いもう一度手刀を放とうとする。


『アニューよ、もう良い』


「アダム様!?」


力を解放しようとするアニューの頭に無の声が響く、その声を聞いたアニューは力の解放を辞め、明日奈の手刀を避けて後ろに下がる。


『戻れ、まだその力を見せる時では無い』


「・・・分かりました」


アニューにとって無は絶対の存在、そんな無が戻れと言うのならば戻るしかない、アニューは明日奈を睨み付けると、何処かに転移して行った。


『・・・マスターは甘いです、彼女は敵ですよ?』


今転移して行ったアニューは敵、倒さなければならない存在である、だからホワイトローズは明日奈に甘いと言い非難する。


「そうね甘いわね私は、あの子は敵なのに本気になれなかった、でもあの子は無に操られてるだけだと考えたら、どうしても本気になれないの、ごめんねホワイトローズ」


明日奈は自分が甘いのは分かっている、だから今後、アニューが平和に暮らす人々に手を出そうとするのならば甘さを捨て、本気で彼女を倒すつもりだ。


しかしアニューが自分に攻撃を仕掛けて来るだけならば、恐らくは彼女に対する甘さを捨てれないだろうと明日奈は思う、その大きな理由はアニューが明日奈が大切にし、娘達と同じくらいに愛情を注ぐ、レビィと同い年くらいに見えたからだ。


「・・・私はマスターの剣、マスターの考えに従います」


「ありがとね?ホワイトローズ、心配してくれて」


「いえ」


ホワイトローズが心配してくれて嬉しい明日奈はホワイトローズの頭を優しく撫でる、頭を撫でられるホワイトローズは照れたのか顔を赤くすると、明日奈の服の胸ポケットの中に入って行ってしまった。


明日奈はそんなホワイトローズを見てクスリと笑うと、天上界に向けて転移した。





明日奈の自宅


「お姉ちゃん、また何か隠してるでしょ」


明日奈が家に帰って来るなり、速攻で明日奈が何か隠していると読んだレビィが、ジト目で詰め寄って来る。


「な、何も隠して無いわよ」


「嘘、今日何かあったって顔してるもん」


レビィは昨日明日奈からホワイトローズの鞘の話を聞いた、そして素直に明日奈が話してくれた事を嬉しく思っていたのだが、今日はこれだ、自分を心配してくれるのは嬉しいが、すぐに何も話してくれなくなる姉にレビィは少し呆れる。


「はぁ、叶わないわね、あなたには」


明日奈は溜息を吐き、レビィに笑いかけるとレビィはニヤリと笑う、そして明日奈は今日あった事をレビィに話し始めた。



「・・・お姉ちゃん、その子の事私も協力して良いかな?」


話を聞いたレビィは明日奈にアニューの件について協力しても良いかと持ち掛けてきた。


「良いわ、駄目と言っても着いて行くって目をしてるものあなた、だから許します」


「ありがと!」


明日奈に許してもらいレビィは嬉しそうに姉に抱き付く、明日奈は妹を嬉しそうに抱き締める。


「でも・・・」


「無茶はしちゃ駄目、でしょ?分かってる」


「・・・」


明日奈は改めてホント成長したなぁと思いつつ、レビィを更に強く抱き締める。


「苦しいよぉ〜、お姉ちゃん」


「ふふ、レビィ、大好きよ」


「私も大好きだけど、苦しいよぉ〜」

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