表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
金色の九尾ll アンダーワールド  作者: ブレイブ
最終章金色の九尾
233/267

二十四話

今回から遺跡探索編となります。

明日奈の自宅


娘達を幼稚園に送り出した明日奈は外に出る準備をしていた。


「思い出して良かった、これがまさか奴に関しての本だったなんてね」


準備を終えた明日奈はかつて天空城で手に入れた本が握られている、その本は無に関して記した本だった。


朝偶々この本の事を思い出した明日奈は鞄から取り出しどうせ読めないだろうと思い読んでみた、すると読めた、どうやら無の巫女になった事で読めるようになったらしい。


「早速、この休みを使って、出来るだけ多くの遺跡を回ってみましょう、何か分かるかもしれない」


明日奈は本を鞄に仕舞い直すと本に記されている一つ目の遺跡に向けて転移した。




第一の無の遺跡


第一の遺跡に来た明日奈は遺跡を見上げて尻尾を揺らす、目の前の遺跡は小さいが立派な造りをしている。


「ねぇホワイトローズ、一通りさ辺りを回ってみたんだけど、どう見ても入り口ないよね?これ・・・サーチしてみて?」


明日奈は興味津々と尻尾を楽しげに揺らしながら遺跡の周りをクルリと回ってみたのだが、どう考えても入り口が無い、その為ホワイトローズにサーチを頼む、これで入り口っぽい場所を見つけたら、壁を突き破って中に侵入するつもりだ。


「Yes」


明日奈にサーチを頼まれたホワイトローズはサーチを開始する。


「マスター・・・確かに中に空間がある事は確認出来ましたが、入り口らしきスペースはありません」


「そう・・・」


ホワイトローズのサーチ結果を聞いた明日奈は顎に手を当てて中に入る方法を考えながら、遺跡の壁にへと近付いて行きもたれ掛かる。


「きゃっ!?」


もたれ掛かり壁に手が触れた瞬間だった、突然明日奈の背中の壁が消え、壁にもたれ掛かっていた明日奈は上向けに倒れる。


「・・・どうやら無の巫女であるマスターが壁に触れる事で、開く仕組みのようですね」


「イタタ・・・みたいね」


ゴンと音と共に後頭部を強く打った明日奈は後頭部をさすりながら立ち上がる、そして振り返り現れた空間の様子を確認する。


「通路ね」


「Yes、この先に一つスペースがあるようです」


「行ってみましょう」


明日奈は現れた通路を歩き、この先にあると言うスペースに向かう。




遺跡の中心部のスペースに来た明日奈は中心に置かれている何かのパーツを手に取る。


「何これ?」


「不明」


パーツを手に取った明日奈はパーツを見渡してみるが、これが何か分からない。


「痛っ!」


パーツを触っていると明日奈の指が切れた、どうやら明日奈が触った部分は刃となっているらしい。


「大丈夫ですか?」


「うん」


明日奈は切れた指を治療の歌で治し、もう一度パーツを見る、そしてある仮説を立てる、これは完成させれば何かの武器となるのではないかと。


「ホワイトローズ、これを集めてみましょう!何か凄い物になる予感がするわ!」


「はい!」


明日奈はそう言うと、パーツを鞄の中に入っていた布で包むと、急ぎ遺跡の外に向かう。


(・・・このパーツ何か感じる、何でしょうか?)


ホワイトローズは手に入れたパーツに確かに何かを感じていた。




去って行く明日奈達を見送る白い光がある、それは遠くなって行く明日奈の背中を見て優しく微笑んだ。



第二の無の遺跡


明日奈は二つ目の遺跡にやって来た、今回は辺りを回らず最初から壁に手を触れる。


「開いた、中に入りましょう」


「Yes」


先程の遺跡と同じく小さな遺跡に明日奈達はウキウキワクワクと入って行く、そして中心のスペースにやって来た。


「・・・」


「・・・」


中心のスペースにやって来るとデカイ生物が出迎えてくれた、それは通常の個体よりもデカイケロベロスだった、ケロベロスは明日奈を見るなりグルルと唸り威嚇して来る。


「デカイね・・・」


「Yes・・・」


「帰ろっか・・・」


「駄目です」


「えー・・・」


明日奈とホワイトローズが仲良く帰る帰らないで騒いでいるとケロベロスが明日奈に向けて前足を突き出して来た。


「ッ!」


明日奈は前に飛び迫る前足を足場にして更に飛ぶ事で躱した、飛んだ先で着地すると今度は多重の棘が装着された尻尾が明日奈に迫る。


「こぉんのぉ!」


迫る尻尾を見た明日奈は、剣を両手で持ち思いっきり振るう事で弾き飛ばした。


「グァァ!」


明日奈に尻尾を弾き飛ばされたケロベロスは三つの顔から炎の弾を放つ、明日奈はそれを九本の尻尾を前に出す事で防御する。


「アチチ!」


『尻尾で防御するからですよ・・・』


妖狐の尻尾の毛は炎に焼かれても燃えない、その為、今明日奈がやったように炎属性の攻撃の防御に使えるのだが、熱いものは熱いらしい。


そしてケロベロスは熱がる明日奈に三つの顔による同時噛み付き攻撃をして来た、明日奈はそれを回転斬りで牽制し、後ろに飛ぶ。


「喰らいなさい!ホーリーバレット!」


後ろに下がった明日奈は更に後退しつつケロベロスの三つの頭を狙い光の弾丸を放つ、ケロベロスはそれを宙返りしながら上に飛んで躱し、天井を蹴り速度を上げると明日奈に伸し掛かり攻撃をして来る。


「くっ!」


明日奈はそれをブラスターモードにしたホワイトローズから軽いブラスターを放つ事により得た制動力で無理矢理に躱す、ブラスターを撃ち終わりズザザと地面に着地すると、伸し掛かりを避けられ地面に仰向けになっているケロベロスの上に飛び乗る。


「消え去りなさい!ホーリーイレイザー!」


ケロベロスに飛び乗った明日奈は彼に剣を突き刺しホーリーイレイザーを発動する、すると何もかも消し去る斬撃はケロベロスを消し去った。


「ふぅ、勝ったわね」


「Yes」


ケロベロスに勝利した明日奈はふぅと息を吐く、ホワイトローズは妖精モードとなると明日奈の頭の上に乗り、狐の右耳にもたれ掛かる。


「出て来たわね」


「ですね」


明日奈が耳にもたれ掛かるホワイトローズの頬を指先で撫でていると部屋の中心から台座がせり出して来た、そして台座の上には先程と同じくパーツがある。


「2個目ね」


「Yes」


明日奈はパーツを手にし、そして鞄から先程のパーツを取り出すと合体しないかと試してみたが、合体しない。


「合体しない、完成したらどんな形になるのかしらね?」


「分かりません、ですが、楽しみです」


「そうね!さて、次行くわよ!」


明日奈は二つのパーツを別々の布に包むと三つ目の遺跡に向かって行った。


そんな明日奈を白い影が見守っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ