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金色の九尾ll アンダーワールド  作者: ブレイブ
最終章金色の九尾
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二十一話

前回までが第一世界編。

ここからは紫龍機関編となります。

数日前メリアが嬉しそうな顔でのんびりと家の掃除をしていた明日奈に会いに来た、するとメリアはシュルクの結婚式は一ヶ月後に行うと伝えて来た、それを聞いた明日奈は最初は驚いたが、すぐに嬉しそうに微笑み彼女に必ず二人の結婚式に出席すると伝えた。



紫龍機関本部


そんな明日奈は現在紫龍機関でボーとしていた、総司令レビルがベルシリオスに打ち勝った明日奈に二週間の休みをくれたのだ、しかし休みを貰っても夫を送り出し、娘達を幼稚園に送り出し、家の掃除を終え、桜との修行を終えれば暇となる。


お暇な明日奈はなんとなく紫龍機関本部に来て、ボーとしているのだ、青葉が出してくれる、お茶を啜りながら。


「姫様、お暇なら、私の任務のお手伝いをしてくれませんか?」


ボーとしている明日奈に明亞が自身の任務の手伝いをしてくれないか?と頼んで来た。


「ええ、良いわよ」


お暇な明日奈は、良い暇つぶしになるだろうと考えて、明亞の提案を受け入れた。


「ありがとうございます!」


明亞は明日奈の返事を聞いて嬉しそうな表情を見せる、明亞は明日奈と紫龍機関の任務を一緒にやりたいと思っていた、それが叶って嬉しいのだ。


「私も行くわ!」


明亞が明日奈と一緒に任務が出来ると喜んでいると、何処かから少女の声がした、明日奈が声がした方向を見るとリリーシャが居た。


「想像は付くけど・・・どうやってここに?」


明日奈は確かここをリリーシャには教えていない筈だと思い、リリーシャにどうやってここに来たのか聞く。


「占い師に頼んであなたの場所を探して貰ってたのよ!」


「・・・そうだと思ったわ」


リリーシャは以前も、リリーシャの国お抱えの占い師に明日奈の居場所を占って貰い明日奈の元に来た事がある、どうやら今回もその方法を使ってここに来たようだ。


「それで?どうなの?連れて行ってくれるの?くれないの?」


何故かドヤ顔なリリーシャは二人に連れて行ってくれるのか、連れて行ってくれないのか聞いて来た。


「私は良いけど、明亞はどう?」


今回の仕事は明亞の仕事だ、メンバーの決定権は彼女にある。


「はい、大丈夫です、一緒に来て下さい、リリーシャさん」


明亞はリリーシャの参加を認めた。


「やった!それじゃ今日はよろしくね!明日奈!明亞!」


任務への参加を認めて貰ったリリーシャは、嬉しそうに明日奈と明亞の手を取りブンブンと振る。


「ええよろしく、リリーシャ」


「よろしくお願いします、リリーシャさん」


「うん」


こうして明日奈とリリーシャ、そして明亞の三人での紫龍機関でのお仕事が始まった。




任務1巨大ウサギを追え!


一つ目の任務は巨大なウサギを確保である、突然巨大化した全長三十メートルの巨大ウサギがとある世界の平原でぴょんぴょん飛び回っており、周辺の町にとっては危機的な状況だ、その為紫龍機関がどうにかする事になった。


この任務、明日奈達三人のうち誰かがウサギにお札を貼り、紫龍機関の危険生物管理局に送れば完了となる。


「待ちなさい!」


ピョーン、ドーン!明日奈がお札を貼り付けようとするが、ウサギは跳ねて避けた、そした降り立った場所にクレーターを作る、平原を見渡すと他にもクレーターがある、どう考えてもこのウサギが作ったものである。


「前からです!」


キキキ!ピョーン、ドーン!、明亞が真ん前から仕掛けるが、ウサギは急ブレーキをすると、後ろに向けて跳んだ、巨大ウサギが作り上げたクレーターがまた一つ増えた。


「なら上から!」


キラン!リリーシャは上から仕掛けた、しかしウサギは目を光らせるとリリーシャに強烈な蹴りを放つ。


「グハッ!」


ウサギに蹴られたリリーシャは彼方に向けて跳んでいく、いざ行くぞ地平の彼方へ。


「・・・」


「・・・」


明日奈と明亞は飛んで行ったリリーシャを見なかった事にし、左右から仕掛ける。


「キュー!」


するとウサギは左に向けて飛ぶと明日奈の後ろに降り立つ、左右から仕掛け、出会い頭にぶつかりそうになった明日奈と明亞は、ゆっくりとウサギが降り立った方向に振り返る。


「キュッキュッキュッ」


するとウサギは笑っていた、物凄くニヤついて、物凄く腹立つ満面の笑顔で。


「あ、あはは?」


それを見た明日奈は可愛らしく首を傾げ、ウサギに許して?と笑いかけてみるが、ウサギは首を振り、ウサギ流?クラウチングスタートの体勢をとる、位置について、よーい。


「キュー!」


キュー、ウサギは猛烈な勢いで明日奈と明亞に向けて走る。


「イヤァァァァ!」


「きゃぁぁぁぁ!」


走って来るウサギを見た明日奈と明亞は全力で逃げる、叫びながら必死に。


「キュー!」


ウサギは逃げる二人を追いかける、主に金色の尻尾を持つ明日奈を目標にして。


「・・・」


ウサギの視線を見た明亞は試しにスッと左に避けてみた、するとウサギは明亞を追いかけず、明日奈を追いかけて行く、やはり明日奈が狙いであるようだ。


「明亞の裏切り者ぉ!」


明日奈は裏切った明亞逃げる文句を言いつつ、涙目でウサギから逃げる、ピョーン!


「キュー!」


「わっ!?とっとっと!」


ウサギは飛ぶと明日奈の目の前に降り立つ、全力疾走していた明日奈は止まり切れずウサギのモフッモフの毛に突っ込む。


「キュッキュッキュッ」


ウサギは突っ込み慌てて反転し逃げようとしている明日奈を掴むと、持ち上げる。


「離しなさい!」


明日奈は離せともがく、今お札を貼れば良いのに焦っているせいで、お札の存在を忘れている。


「キュー」(ええやろ?ちょっとだけや・・・ええやろ?)


そしてウサギはフーフーと何やら興奮し始める、どうやら明日奈の綺麗な尻尾を見て発情しているようだ。


「ちょっ何?嫌!」


明日奈はそれを見て拒否する、しかしウサギは更に発情する。


「帰って来た!私は帰って来たわ!」


リリーシャは来た、明日奈の絶体絶命の危機を救う為に。


「キュッ」


しかしウサギはまたリリーシャを蹴った、リリーシャはまた彼方に飛んで行く、もう一度いざ行くぞ、地平の彼方へ。


「はい、終わりです」


そして明亞がウサギの頭の上に飛び乗るとお札を貼る、するとウサギは紫龍機関の危険生物管理局に送られた。


「・・・」


ウサギから解放され地面に落ちた明日奈は、ホッとした様子で地面に座り込む。


「終わりましたね、姫様」


無事任務を成功させた明亞は明日奈に近付いてくると、ポンとその肩を叩く。


「・・・」


明日奈はそんな明亞の頬を無言で抓る。


「怒ってます?」


コクリ


「許してくれます?」


フリフリ


「・・・」


頬を膨らませプリプリ怒る明日奈に困った明亞は、メリアに聞いたとある作戦を実行してみることにする。


「なら、これから何か美味しいものを奢ります!それで許して下さい!」


そしてガバッ!と明亞は頭を下げた。


「良いわ!許してあげる!行きましょう!」


美味しいものは正義だ、食いしん坊明日奈は明亞の手を取ると早く!早く!と行った感じで、明亞を急かす。


「はい、ご案内します」


明亞はそんな明日奈を見てクスリと笑うと、明亞が知っている、美味しいチョコパフェを出す店に向けて転移した。




五分後


「また、私は帰って来たわ!地平の彼方から!」


ヒュー、しかし誰も居ない。


「なんでよ!」


ウサギが作ったクレーターだらけの平原にリリーシャの声が虚しく響く。

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