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金色の九尾ll アンダーワールド  作者: ブレイブ
二章タバーア地方の九尾
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二十二話

第二タバーア平原

ジーリの町を出た明日奈達三人はのんびりと広い平原を歩いている、目の前には長い長い街道が続いており砦が見える、あの砦を越え五時間程度歩けばようやくサボールだ

「さて、あの砦でお昼を食べて少し休憩して、今日一気にサボールまで行っちゃおうって思ってるんだけどそれで良いかしら?」

現在時刻は十一時、砦で一時間程度休んでも夕方の五時にはサボールに着くことが出来るだろう

「良いよー」

「俺も良いぜ」

二人もどうやら今日一気にサボールまで行ってしまうに賛成のようだ

「良し、ならまずはあの砦に行きましょう」

そうして三人はまずは砦に向かう



ヤーマ砦

ここヤーマ砦は昔はサボールの防衛などに多大な貢献をしていたが現在はアンダーワールドは基本的には平和なので観光地となっている、過去軍が使用していた施設などに無料で入れる為人気がある、勿論有事の場合はちゃんと砦として機能する

「凄い分厚い壁だよね、こんなの破れるのかな?」

砦の壁はかなり分厚い、恐らくこの壁を抜くにはかなりの威力の攻撃が必要な筈だ

「そりゃ、時間を掛けたら行けるだろうけど、一瞬じゃ無理さ」

「そうだよね」

(ホーリーブラスターなら抜けちゃう気がするけど、言っちゃいけない雰囲気ね・・・)

ホーリーブラスターは明日奈の魔力が尽きない限りは威力を上げることが出来る、なので全ての魔力を使えばこの分厚い壁も抜けそうではある

「さて、何処のレストランに入る?どれも美味しそうよ?」

明日奈は二人にどのレストランに入るかを聞く、明日奈としては美味しそうな匂いを漂わせている、三人が立っている地点から三軒目に見えるステーキハウスに入りたいが恥ずかしいので言わない言えない

「そうだねー私はお肉食べたい気分だし、あのステーキハウスが良いかなぁ」

メリアがステーキハウスに入りたいと言った時、明日奈の尻尾が嬉しそうに揺れた

「俺もそれで良いや」

シュルクもステーキハウスで良いと言った時、明日奈の尻尾がピンと立った

「そう、ならあの店に入りましょう」

明日奈は嬉しそうに尻尾をユラユラとさせながらそう言うとステーキハウスの方にウキウキと歩いて行った

「・・・あいつ分かり易いよな」

「うん、そこが可愛いよね」

どうやら二人は明日奈がステーキハウスに入りたいと言う事に気付いていたようである、だが仕方ないのだ犬人は本当に嬉しい時はどうしても尻尾に感情が出てしまう、なのでどうしても何かを強く思った時だけ他人に今どんな心境をしているのかすぐにバレてしまう

「俺たちも行こうぜ」

「うん」

そしてシュルクとメリアも明日奈を追いステーキハウスに向かった



第二タバーア平原

三人は砦で開かれているバザーなどを見て回ったが特に欲しい物はなかったので砦を後にし再び平原を歩いている

明日奈とメリアは女性同士楽しく話しながら平原を歩き、シュルクは平原の風景を眺めながら歩いている

「ん?」

そしてメリアと楽しくおしゃべりをしていた明日奈が頭の上の耳をピクリと反応させ立ち止まる

「どうしたの?」

メリアは突然立ち止まった明日奈に何事か聞く

「いや、なんか何かの声が聞こえたような気がして」

「そうか?居ないぞ?」

シュルクは明日奈が何かの声が聞こえたと言うので辺りを見渡すが近くには何も居ない、遠くの方にはノッソノッソと平原を歩く魔物の姿が見えるがそいつが何かを叫んだようには見えない

「気のせいじゃ無いの?」

「うーん・・・」

明日奈はメリアに気のせいじゃ無いかと言われ目を閉じて頭の上の耳で辺りの音を注意深く聞く

「上?」

そして何かの声は上から聞こえるという事を頭の上の耳は聞き当てた、明日奈は上を見てみるそこには

「あぁ・・・鳥さんが居るわ、それもデッカいのが・・・」

巨大な鳥の魔物が上空にいた、どうやら明日奈の狐の耳は上空の魔物の鳥の羽の音を聞いたようだ

「あれ多分私達を狙ってるんだよね?」

「多分な」

魔物の鳥は明日奈達の上を旋回している、恐らくはそろそろ降下して来て攻撃を仕掛けて来る筈だ

「来るわよ、二人とも準備」

「おう」

「うん」

三人が武器を抜いた所で魔物の鳥は降下して来る、その姿は巨大なカラスのようである

「フン!」

シュルクが降下して来た巨大カラスのクチバシを受け止めカラスの動きを止めた

「良いよ!シュルクさん!」

シュルクがカラスを受け止めたのを見たメリアがカラスの上に飛び乗ると剣を逆手に持ち突き刺した、この攻撃はかなり効いたようでカラスは怒りの声を上げながら飛びメリアを振り落とす

「よっと」

だが明日奈は尻尾を九本出してからグッと踏ん張ると上に飛びカラスの真横まで飛び上がり宙で体を一回転しつつかかと落としをし、カラスを地面に突き落とした

「よっしゃ!トドメだ!」

そして落ちたカラスにシュルクの強烈な一撃が命中カラスは息絶えた

「ふう、さてこれどうしましょうか・・・」

勝ったのは良い、だがこのカラスは余り強くなかったがデカイ、息絶えたカラスは全力で街道を塞いでいる、その為他の者の邪魔になる、なので退かさないといけないのだが

「退かすの俺たちだけで行けるのか?」

「うーん・・・」

そうこのカラスはかなり重そうである、たった三人で動かせるか疑問しかない

「頑張りましょう、こいつが道を塞いでるのは倒した私達にも責任が有るんだから、ホワイトローズ身体強化お願いね?」

『Yes』

「はーい」

そして三人でカラスの体に手を触れると押し始める、カラスの体は重いが上手く転がってくれたので動かす事が出来た

「ここら辺で良いだろ?」

「そうね、ここなら街道から充分離れてるし大丈夫でしょう」

三人はカラスをゴロゴロと転がし街道から少し離れた地点まで転がして来たここなら邪魔にはならないだろう

「フゥ、重かったぁ」

「そうね」

この後三人は再び街道に戻りサボールにへと続く道を歩いて行く




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