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短編、明日奈と愛奈の十二月三十一日
孤児院
この日は十二月三十一日、一年で最後の日である、明日奈と愛奈は他の子達と共に院長が用意した美味しい料理を食べていた。
「美味しいね!愛奈ちゃん!」
「ええ!」
孤児院は普段は質素な料理を出す、その為机の上に並ぶステーキやピザ、チキンなどは普段食べれる物では無い為、二人は嬉しくて仕方ない。
院長室
そして孤児院の中にあるテレビルームで年末の番組を見ていた明日奈の元に院長が来て、一緒に来て欲しいと言われたので明日奈は院長と共に院長室にやって来た。
「・・・」
院長室に入るとそこには帝が居た、帝は入って来た幼い明日奈に近付くと、一枚の封筒を渡す。
「お年玉だ、大事に使え」
帝は明日奈にそう言い残すと去ろうとする。
「ありがとう!お爺ちゃん!大事に使うね!」
「・・・」
明日奈の嬉しそうな声を聞いた帝の顔は綻んで居たのだが帝はそれを隠し去って行った。
この後明日奈は帝に貰ったお年玉を孤児院の子供達の為に使う、明日奈が買って来たもの、それは立派なケーキだった。




