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金色の九尾ll アンダーワールド  作者: ブレイブ
最終章金色の九尾
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五話

第一世界ドドババ市


明日奈は第一世界で警戒任務に当たっていた、敵がいつどこに攻撃して来るのか分からない為、レビル司令は第一世界各地にエージェントを配置し警戒させている、明日奈はその中の一人である。


「暇ね、あなた」


「まぁな」


明日奈の隣には暇そうなウィリアムがいる、この日は夫婦仲良く警戒任務なのである。


「お茶飲む?」


「おう」


とあるビルの上で仲良く銀色の尻尾と金色の尻尾が揺れていた。



「!」


あまりに暇だからとウィリアムに膝枕して貰っていた明日奈が急に飛び起きる、ウィリアムは顎に迫る明日奈の頭をギリギリの所で躱し大きく後ろ仰け反った。


「っと、なんか来たのか?」


明日奈のピン!と立っている尻尾を見たウィリアムは彼女が何か感知したのだろうと思い質問する。


「ええ、あっち!行くわよウィリアム!」


そして明日奈は何かを感知したらしい、南方方向に向けてビルを飛び降りて行く。


「!、おう」


ウィリアムは久し振りに明日奈が自分の事をウィリアムと呼んでくれた事を懐かしく思いながら、明日奈を追って、ビルを降りる。



ドドババ市南地区


ここはドドババ市南地区市役所前、謎の集団は市役所前に突然現れると機械の軍勢のロボットを用い、市役所をロックオンする、どうやら市役所に対し爆破テロを行うつもりのようだ。


「まーちーなーさい!」


市役所前の近くのビルの上に降り立ち、そしてロボットの方に飛び出した明日奈は、一気にロボットに迫ると蹴り飛ばす。


勢いを付けてドン!と蹴り飛ばされたロボットは吹っ飛びズザザと地面を滑る。


「ふぅ、さて行くよ、ホワイトローズ」


『Yes、マイマスター』


地面に降り立った明日奈は息を吐くとロボットを見据えつつ、落ち着いて剣を構える。


「相変わらず無茶するなぁ、お前は」


ウィリアムはそんな明日奈の横に降り立つと、明日奈を守るように明日奈の前に立つ。


「・・・」


明日奈に蹴り飛ばされたロボットは無言で立ち上がると、背中に備えている大剣を引き抜くと構える、どうやら先に二人を倒し、その次に市役所を破壊するつもりのようだ。


「さぁ、来るわよあなた、準備は良い?」


明日奈はウィリアムの剣にロボットの装甲を斬り裂けるようにとエンチャントを掛けつつ彼に準備は良いか聞く。


「あぁ、いつでも行ける、行くぜ!明日奈!」


ウィリアムは振り返らずに明日奈の言葉に答え、頷くと後ろに向けて拳を突き出す。


「ええ!」


明日奈がウィリアムの拳に拳を合わせた所でロボットがこちらに向けて飛び出して来た。


「ふっ!」


ウィリアムは双剣を交差させ、足にしっかりと力を入れると、ロボットの大剣を受け止める。


「セェイ!」


明日奈は夫が大剣を受け止めている間にロボットの顔を蹴り飛ばす、するとまたロボットは吹っ飛んで行く、しかし今度は背中のハッチを開けるとミサイルをこちらに向けて撃ち出して来た。


明日奈はそのミサイルを全てガンモードのホワイトローズで撃ち抜くと、明日奈がミサイルを撃ち抜いている間に前方に向けて飛んでいた、ウィリアムがロボットの左腕を斬り落とした。


「やるわね!」


「まぁな!」


腕を蹴り落とされたロボットは地面に足を付けるとすかさず、ウィリアムに向けて蹴りを放って来た、その足はウィリアムの隣に降り立った明日奈が斬り落とす。


ドーンと足を斬り落とされたロボットは地面に倒れる、明日奈とウィリアムはロボットが飛んで逃げる前にコクピットハッチがある場所に登ると、パイロットを引き出す為に剣でこじ開けようとするが、ロボットが突然光を放った。


「ッ!明日奈!」


「ひゃっ!?」


その光を見たウィリアムは明日奈を抱えると、近くのビルの陰に向けて飛んだ、そしてウィリアムが丁度ビルの陰に隠れた所でロボットは爆発した。


「大丈夫か?明日奈」


ロボットの爆発から明日奈を守り、彼女を地面に降ろしたウィリアムは、彼女の無事を確認する。


「うん、大丈夫」


怪我など何処にもしていない明日奈は、守ってくれたウィリアムにへの感謝の気持ちとして、その頬にキスをする。


「・・・、色々聞きたいことがあったのにね」


ウィリアムの頬にキスをした後、ロボットの残骸の元に向かった明日奈は、自爆し自らの命を絶ったパイロットの冥福を天に祈る。


「そうだな」


ウィリアムは悲しそうな表情を見せる、妻の肩を叩く。



チーム29


警戒任務を終えた明日奈とウィリアムはチーム29に戻って来た、現場を離れた明日奈とウィリアムの代わりにギルダーツとミランダが同じ場所の警戒任務に当たる。


「襲撃があったと聞いているが、その様子だと何事も無く倒せたようだな」


二人の警戒地域に敵の襲撃があったと聞いていたワトソンは、怪我が無さそうなウィリアムと明日奈の姿を見て安心する。


「うん、なんとかね」


「だな、なんとかだ」


流石にあの自爆は危なかった、その為夫婦はなんとか倒せたと言い合い頷き合う。


「何があった?」


ワトソンはあまり良い返事を返さない二人に何があったのか聞く。


「あいつらね自爆したの、私達がパイロットを捕虜にしようとした所でね」


「あぁ、あいつらには捕まりたくない、何かがあるのだと思います」


「ふむ、上に報告しておく」


他のエージェントがあのロボットを倒し切ったとしても戦闘の際に敵の自爆を喰らい、怪我またはその命を失ってしまう事は何としても防がなくてはならない事、その為ワトソンにはすぐに上に敵が自爆をする可能性があると報告する義務があるのだ。


「お前達は報告書を書いておけ、今回は出来るだけ詳細にな」


「りょーかい」


「分かりました」


部屋から出て行き上層部に報告に向かうワトソンを見送った二人は、早速報告書の作成に取り掛かる。



明日奈の自宅


明日奈とウィリアムは共に家に帰って来た、すると娘達がリビングから飛び出して来てウィリアムに抱き着く。


「元気か?未来、今日香」


ウィリアムはそれぞれ抱き着いて来た娘達を抱き上げる。


「うん!」


「元気!」


未来と今日香は元気良くウィリアムの言葉に返事を返す。


「そうか、なら今日はいっぱい遊んでやる」


「やった!」


「わーい!」


ウィリアムは娘達を肩の上に乗せると機嫌が良さそうにリビングの中に入って行く。


「ふふふ」


明日奈はそんな三人の様子を微笑ましげに見守りながら、三人の後を追ってリビングの中に入る。




リビング


ウィリアムは遊び疲れた娘達と一緒に眠ってしまった、久し振りにウィリアムに甘えようと思っていた明日奈は少し残念そうにソファに座っていた。


「明日奈おねーさん、かーわいい」


そんな明日奈を床に寝転がりスマホを弄っていたシーワがからかう。


「大人をからかわないの」


明日奈は少し頬を膨らませつつ、シーワの元に近付き側に座ると頬を抓る。


「痛い痛い!ごめんなさい!」


「よろしい」


明日奈をからかい、そして頬を抓られたシーワは頬を摩りながら小声で文句を言いつつ二階に上がって行く、そんなシーワに代わるように、お風呂上がりのレビィが部屋に入って来た。


「お風呂上がったよ、お姉ちゃん」


「うん」


レビィの次に風呂に入る明日奈は、ソファの上に置いていた着替えを手に取ると風呂場に向かおうとする。


「ねぇ、お姉ちゃん」


そんな明日奈をレビィが引き止める。


「ん?」


レビィに引き止められた明日奈は立ち止まり振り返ると、レビィの顔を見る。


「今日は私が一緒に寝てあげよっか?」


「・・・ええ、今日は一緒に寝ましょうか、レビィ、昔みたいにね」


「うん!」


この後姉妹は仲良く同じベットで沢山の思い出を語り合いながら眠りに就いた。

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