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金色の九尾ll アンダーワールド  作者: ブレイブ
最終章金色の九尾
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二話

明日奈の自宅


世界は平和である、人々は世界が改変されるのと同時に消滅したいた者も居る、しかし人々はその事を知らずに今も平穏に暮らしている、世界は一年後明日奈が勝つ事が叶わず敗北すれば無に帰す、それでも世界は平和である。


「ママー」


まだ復活したワールドセイバーにも紫龍機関にも顔を出していない明日奈が、ボンヤリとそんな事を考えていると庭で遊んでいた未来が、家の中に入って来て明日奈の膝の上に飛び乗った。


「んー?」


明日奈はそんな未来を抱き上げる。


「えへへ〜プレゼント!」


母に抱き上げて貰った未来は笑顔で手に持った花の輪を明日奈の頭に乗せる。


「あら、ふふふ、ありがと」


明日奈は娘からのプレゼントに喜び未来をギュッと抱き締める。


「私も抱っこ!」


そうしていると庭で遊んでいた今日香が明日奈の側にやって来て抱っこをせがむ。


「ふふふ、おいで」


明日奈は右手で未来を抱くと左手で今日香を抱く、そして二人同時にギュッと抱き締める。


(そう、私はあなた達の為にも世界を守る、絶対に・・・)




天上界


翌日、明日奈は愛奈の墓乗せる前に一人でやって来て手を合わせていた、愛奈の墓の前には明日奈が供えた生前の愛奈が好きだった、菓子や果物が供えられている。


「愛奈、私ね、全部が終わったらいつかどこかの森に家を建てようと思ってるの、そこにあなたのお墓も移そうと思うの、良いかしら?」


明日奈は答えが返ってくる筈のない質問を愛奈の墓に問いかける。


「!」


すると愛奈の墓がキラリと光るのを明日奈は確かに見た。


「ふふふ、分かったわ、このお墓より立派なお墓を作ってあげるから期待してなさい、それじゃ行くわね」


明日奈は愛奈の墓に笑いかけると母の館に向けて歩いて行く、そんな明日奈をキラキラと光る白い光が見守っていた。



神狐の館


この日は桜が天界で用事があり修行を付けて貰えず、そして娘達は幼稚園、家の家事も終えている為お暇な明日奈は、神狐に膝枕して貰い縁側で横になっていた、その尻尾の上には妖精モードのホワイトローズが眠っている。


「暖かいのぅ」


「そうねぇ」


のんびりのんびり、常に春うららな気候である天上界の気候に和んでいる親子は、幸せその物の様子である、特に神狐は愛する娘が甘えに来てくれて嬉しく思っている。


「後で変わってくりゃれ?」


「うん」


娘に甘えたくなった神狐は後で膝枕を変わってくれと言う、明日奈はうんと答える。




明日奈と神狐のポジションが二、三回変わった頃、明日奈のワールドセイバーの端末に連絡が入る、明日奈はそれに答え、連絡して来た相手と話す。


「どんな内容じゃ、教えてくりゃれ」


明日奈に膝枕をして貰っている神狐は娘の頬に手を触れると、電話の内容を教えて欲しいと頼む。


「無の事についてよ、ワールドセイバー本部で私が戦って感じた、無の戦闘能力について教えて欲しいんだって」


ワールドセイバーは無の存在を認識している、そしてその力を一番よく知る明日奈に話を聞くつもりだったが、明日奈が中々出勤して来ない為、電話をし明日奈を本部に呼び出したのだ。


「そうか、行くのじゃろう?」


起き上がった神狐は明日奈の気持ちを理解している、自分が勝てないと世界が滅びるかもしれないと言う重みに負けそうになっている明日奈の気持ちを、だから明日奈が行きたくないと言うのなら引き止め、抱き締めるつもりだ。


「うん、行って来る、また来るわ、お母さん」


そして明日奈は立ち上がる母に笑いかけ母に手を振り、転移して行った。


「・・・儂はお前にその重みを背負って欲しくないから、あの時儂から離し地球に送ったのじゃ、明日奈、それなのに・・・」


神狐は世界を救う重みを背負った娘の事を案じ涙を流す、アシュレイは涙を流す神狐を後ろから抱き締める。




第一世界、ワールドセイバー本部


ここはワールドセイバー本部、全てのワールドセイバー支部を総括する、世界を股にかけ世界の平和を守る、ワールドセイバーの総本部である、明日奈はこの本部の最上階、総司令レビルの部屋で無の戦闘能力についての話をワールドセイバーの幹部やレビルに説明している、この会議はワールドセイバー全支部に向けて中継されている。


「彼は圧倒的な呪力量を誇ります、その為彼に出来ない事はない筈です、あれ程の呪力量ならば望んだ攻撃を全て実現出来るでしょう」


明日奈は感じていた、無が望むいかなる戦法を実現出来る力を持っているのだろうと、しかし明日奈との戦闘の際それをしなかったのは明日奈の実力が全く及ばず、それをする必要が無かったからである。


「つまり、話に聞いている改変世界でシュタゼーリと言う国が作り出した、衛生兵器級の攻撃も、彼が望めば引き起こせると?」


「そうなります」


明日奈が感じた呪力量、それは恐らくはシュタゼーリが長い時間をかけて衛生兵器にチャージしたと思われる魔力量よりも遥かに大きかった、恐らくは衛生兵器級の攻撃を数十回連続して引き起こせる程に。


「久城君、そんな者に君は勝てるのかね?」


幹部の一人は明日奈に本当に勝てるのかと聞いて来た。


「・・・分かりません」


明日奈は幹部の質問に分からないとしか答える事が出来ない、無と自分の差は圧倒的、勝つつもりで修行していた自分が馬鹿だと言いたくなるほどの差だ、それでも勝つ為に修行をしているが、一年で自分をそこまで高める事が出来るのかは疑問である。


「・・・ふむ」


幹部は明日奈の言葉を聞いて暗い表情を見せる、一度世界を救った存在である明日奈でも分からないとしか答えれない程の存在なのかと。


「久城君、君一人ではなく、戦闘に皆が加われば、どうだ?」


レビルは数で当たれば勝てるのでは?と思い質問する。


「それでも厳しいです、衛生兵器級の攻撃を一度でも落とされれば、こちらは終わりですから」


「ふむ・・・」


明日奈に質問をしたレビルは明日奈の答えを聞き、椅子に身体を沈ませる。


「とにかくだ、我々が勝つ為には無の力を弱らせる方法を探るしかないだろう、ワールドセイバー総司令レビルがワールドセイバー全支部に指令を授ける、無の力を弱らせる方法を探せ、これは何よりも優先すべき事項である」


レビルは全支部に指令を出した、無の力を弱らせる方法を探す、全支部共通の任務を。


「「はっ!」」


それに全支部のエージェントと敬礼をし答える、ワールドセイバー全支部はこの日から世界を股にかけ無の力を弱らせる方法を探し始めた。


「久城君、君も地球支部に戻り、彼等とともに方法を探せ、良いな?」


「はい」


レビルから直接命令を受けた明日奈はレビルに敬礼をすると、地球支部に向けて転移した。

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