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金色の九尾ll アンダーワールド  作者: ブレイブ
最終章金色の九尾
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一話

ゼナバリバド山洞窟


明日奈はゼナバリバド山の洞窟にやって来た、ここに桜が全ての世界を見て見つけた最高の素材があるらしい、ちなみにその素材桜がたった今見つけた素材なので名前は無い。


「さてと、あなた無しじゃ心許ないけど、さっさと採っておばあちゃんの家に帰るわよ、ホワイトローズ」


「Yes、マスター」


明日奈は刀身が半分に折れた為、小さくなった妖精モードのホワイトローズと共にゼナバリバド山の洞窟の中を歩いて行く。




「よっと」


前方から斬りかかって来たリザードマンを真横を流れる川に蹴り落とした明日奈は、まだまだ先が有りそうな道を見て溜息を吐く。


「先は長いわねぇ」


「そうですね」


小さくなった為、長く飛べなくなったらしいホワイトローズは明日奈の服の胸ポケットに入った、明日奈はそんなホワイトローズの頭を指先で撫でてやると前に進む。




進んでいるとゴブリンの集落が見えて来た、それを見た明日奈は戦闘を覚悟し集落の中に入って行く。


「ブッ!」


集落の中を通っていると集落の中を歩いていたゴブリンが挨拶をして来た。


「こんにちは」


明日奈は顔を引きつらせながら挨拶を返し、ゴブリンの傍を通り抜ける、あれおかしいぞ?と思ったゴブリンは首を傾げ振り返り今通っていった者の姿を確認しようとするが、明日奈は既に走り去っており、既に居なくなっていた。


「・・・、?」


ゴブリンは今見た者の姿はどう考えても人間だったが、居ないのなら気のせいだと思い、自分の家に向けて歩いて行った。


「・・・通れちゃいましたね」


「うん」


そんなゴブリンの様子を岩の陰から見ていた明日奈はホッと息を吐くと、更に洞窟の奥へと進んで行く。



「デカイわね・・・」


「ですね・・・」


明日奈の視線の先には巨大なワイバーン型のドラゴンがいる、彼の上には穴が開いており彼はそこから外界にへと狩りに出掛けるのだろう。


「でも寝てますね」


「なら、そおっとあいつの後ろに回って、あの鉱石を掘り出しちゃいましょう」


そう彼は今お休みの時間らしくスヤスヤと眠っている、その為音を立てずに彼の後ろに回り、キラキラと光っている、鉱石を掘り出し持ち出せば、此処での目的は完了する筈だ。


「行くわよ」


明日奈はそおっと音を立てない様に歩き始める。


「気を付けて下さいね」


ホワイトローズはそれを手を振って見送る。


「あなたも行くの!」


明日奈はそんなホワイトローズを掴むと胸ポケットに入れ、再びそおっと歩き始める。


そおっとそおっと歩く明日奈の真横にはドラゴンの顔がある、明日奈は強い魔力を感じるこのドラゴンにビビりながらも先に進みドラゴンの体の横までやって来た。


そこで、明日奈の頭上の岩が崩れドン!と音を立てる。


「ぐー?」


その音に目を覚ましたらしいドラゴンは瞳を開けて左右を見渡す。


「!、!」


明日奈はそんなドラゴンの視線に入らない様に、ドラゴンの前足の真後ろに鱗に触れない様にして、縮こまって隠れていた。


「グー」


そしてドラゴンは再び眠りの世界に旅立つ、彼が眠った事を確認した明日奈ははぁーと息を吐くと鉱石に向けて歩いて行く。


「着きましたねマスター、どうやって掘り出すのですか?」


「これよ!」


ホワイトローズにどうやって鉱石を掘り出すのか聞かれた明日奈は、冒険者の古くからの装備であるピッケルを取り出した、初めて旅に出た際に買って以来一回も使っていない、ほぼ新品の代物である、明日奈は依頼を受けるのなら討伐依頼を好み採取依頼には行かない為、現在まで使う必要が無かったのである。


「音立ちますよ?」


「!」


ホワイトローズに音が立つぞ?と言われた明日奈はそれを忘れていたと言った表情でホワイトローズを指差す。


「・・・」


音を立てれば後ろで寝ている彼は確実に目を覚ますだろう、しかし音を立てないと鉱石は掘り出せない。


「やっちゃいましょう!掘り出しちゃいましょう!マスター、多分大丈夫ですよ!」


さっき明日奈に掴まれ胸ポケットに入れられた事に怒っているホワイトローズは明日奈に鉱石を掘り出しちまえと言う。


「い、嫌よ、あいつ起きちゃうじゃない!」


「多分大丈夫ですよ、多分」


嫌がる明日奈にホワイトローズはニヤニヤしながら多分大丈夫だと言う。


「分かったわよ、やるわよ」


明日奈は渋々とピッケルを強く握ると鉱石を掘り出し始める、キン!キン!と鉱石を掘り出す音が洞窟の壁に反響し大きな音を立てる。


「グルルー?」


その音に反応したドラゴンは体を起こし音がする方向に向く、するとそこには美味しそうな人間が居た。


「グァァ!」


丁度お腹が空いて居たドラゴンは明日奈に近付くと大きな口を開けて噛み付こうとする。


「嫌ぁぁぁぁ!」


明日奈はそれを横目で見て後方にシールドを張ると大慌てで涙目になりつつ鉱石を掘り出し始める、キンキンキンキンとピッケルが鉱石を叩く音が断続的に洞窟に響く。


「グァァ!ガァァ!」


ドラゴンは明日奈を食うのに邪魔なシールドに何度も牙を打ち付ける。


「もう良い!?まだいる!?」


明日奈の足元には既にかなりの量の鉱石が掘り出せている、明日奈はホワイトローズに鉱石はまだいるのか聞く。


「そうですね、もう少し必要です」


実はもう必要十分な量があるのだが、必死な明日奈を見てイタズラ心に火が付いたホワイトローズは、もう少し必要だと言う。


「そう!なら十分な量になったら言いなさいよ!?」


「はい、マスター」


この後ホワイトローズはシールドに限界が来るまで、イタズラを継続した。



桜の館


「・・・多過ぎますが、これだけあれば最高の剣が作れるでしょう、ホワイトローズを貸して貰えますか?明日奈ちゃん」


桜は明らかに必要十分な量を越えている鉱石の山を見て首を傾げつつも、明日奈にホワイトローズを貸して欲しいと言う。


「えっとぉ、ちょっと待ってねーおばあちゃん」


明日奈はホワイトローズの頬を両手で引っ張っていた、あの時は焦っていたので分からなかったが、この鉱石の量は明らかに多過ぎる、だからホワイトローズにイタズラされたのだと思った明日奈は笑顔でホワイトローズの頬を引っ張っている。


「いふぁいですマふター」


「聞こえなーい」


「ふふふ、時間がかかりそうですね」


桜は明日奈とホワイトローズの様子を見て微笑むと、鉱石の中の余分な成分を取り出す作業を開始した。



「さて、それでは始めます、どんな形の剣が良いですか?」


桜はホワイトローズをどんな姿の剣にするか、明日奈に聞く。


「うーん」


明日奈は暫く悩んだ後、一つの案を思い付き、桜にその案を話す、桜は明日奈の案をその力を使い現実の物とする。




桜の館庭


「それでは、模擬戦です、いつでも打ち込んできなさい、弟子よ」


「はい、師匠!」


新たな姿となった、まだ鞘に入っているホワイトローズを腰に装備した明日奈はホワイトローズを鞘から引き抜くとゆっくりと構える。


「さぁ行くわよ、ホワイトローズ」


『Yes、Myマスター』


ホワイトローズと意識を交わし合った明日奈は桜に向けて斬りかかる、桜はそれを受け止める。


(此処までは今までのホワイトローズと同じ、でもここからが違う)


すぐに来る桜の次の攻撃を避ける為に後退した明日奈は、ソードモードのホワイトローズを変形させる、そして銃弾を撃った。


「ッ!」


他のモードへのモードチェンジよりも早い変形に反応し切れなかった無かった桜は、シールドを張り銃弾を防ぐ。


「これが銃と剣を合体させた隙の無い攻撃が出来る、新たなホワイトローズの姿ですか、明日奈ちゃん」


ホワイトローズはガンブレードとなった、これにより銃撃と斬撃が一瞬で切り替えられるようになり、ソードモード使用時の隙は更に無くなったと言える。


「前進する時はソードモードで斬り掛かり、そして攻撃を避けた後または後退中はガンモードで攻撃、これが私の新しいスタイルよ」


そして最高の素材で作ったホワイトローズはかなりの強度と圧倒的な切断能力を持つ、これで武器は無に対抗出来るようになったと言えるだろう。


「後は明日奈ちゃんの実力を引き上げる、だけですね」


「うん」


時間はまだ一年ある、明日奈は勝てないとまで思わされた無に打ち勝つ力を手に入れる為、桜との模擬戦に集中する。

ホワイトローズバージョン3ソードモード


桜の手により進化した新たなホワイトローズ、今までのソードモードにガンモードが加わり、斬撃と銃撃が融合した隙の無い新たなスタイルを明日奈は取れるようになった。


ガンブレードとなったホワイトローズはその強度と切断能力が増しており、多重世界に存在する剣の中では最高の一本と言えるだろう。


他のモードは今までと同じ姿であるが、その能力は数倍に強化されている。

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