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金色の九尾ll アンダーワールド  作者: ブレイブ
無編六章戦争と九尾
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五話

天上界


明日奈は愛奈の遺体を抱き抱えると飛鳥と共に天上界にやって来た、本当は孤児院の近くの墓地に埋葬してあげたかったが今存在する世界は改変世界だけである為出来ない、だからこの世で一番神聖な場所と言われている天上界に愛奈を埋葬する事にした。


神狐が作り出した立派な墓に愛奈の遺体は棺桶に入れられそして穴に埋められて行く、明日奈と飛鳥が棺桶を穴に埋めて行った。


「どうか、安らかにな、愛奈」


「安らかに・・・」


明日奈と飛鳥は愛奈の冥福を天に祈る。





ゼーナア川中流


明日奈に跳ね飛ばされた無の意思は戦場を漂っていた、復活の為に必要な新たな奴隷を作る為に。


『見・つけ・た・・ぞ』


そして無は一人の人物を見つけるとその者に闇の気を注ぎ込んで行く、気絶していたその者は気絶していた為あっという間に無の力に取り込まれてしまう、そして瞳を開き立ち上がったその者は周りにいた者を気絶させ薄く微笑むとシュタゼーリ王都に向けて転移した。




フロストゼーラ船長室


明日奈の埋葬を終えた明日奈は飛鳥と共にフロストゼーラに戻って来た。


「姫様、我々の取り調べは丁度終えました、我々は彼女を信頼します」


明日奈は天上界向かう前に東世界軍の司令官達ととメリアを引き合わせた、そして驚く司令官達にメリアの事情と無の存在についてを彼等に教えた、そして明日奈が天上界に行った後メリアは彼等の信頼を得る為に覚えているシュタゼーリの情報を全て彼等に話したのであった。


「分かった、ありがとう、メリアを信頼してくれて」


「事情が事情ですから」


「それでもありがとう」


「はい」


そして明日奈はメリアと向かい合う。


「メリア、私はあなたには私達と一緒に戦場に出て貰うわ、良いかしら?」


最大戦力であるベアトリーチェが消えたとは言え、シュタゼーリ王都にはまだまだ膨大な戦力が残っている、洗脳から解放されたばかりとは言えメリアの力を頼りにしないと勝てない可能性がある。


「うん!私協力するよ!明日奈!」


メリアは洗脳されていたとは言え自分の命令で沢山の人々をシュタゼーリの兵に殺させてしまった、だからこそ自分の手でシュタゼーリを終わらせるつもりである。


「ありがとう、メリア」


「うん」


そして明日奈とメリアは拳を合わせ合う、明日奈とメリアの最強コンビの復活である。


「大変よ!明日奈!」


明日奈とメリアが拳を合わせ合っているとアーシェが慌てて部屋に入って来た。


「どうしたの?アーシェさん」


明日奈は慌てて入って来たアーシェに何事か聞く。


「お母さんが居ないの!」


「!?」


アーシェの知らせに胸騒ぎを感じた明日奈は仲間達と共にアリシアを探し始めた。



明日奈達はアリシアを探し回ったが見つからなかった、フロストゼーラに集まった明日奈達は暗い表情で椅子に座っている。


「ひ、姫様!これを!」


そこに一人の兵士が携帯型の魔道映像機を持って部屋に入って来た、そこにはシュタゼーリの公共放送が流れている。


「これは?」


「内容を見たら分かります!」


内容を見ろと兵士に言われた明日奈は放送内容を見る、そしてその放送内容を見て目を見開いた。


『我はシュタゼーリの新たな王アリシア!シュタゼーリを指揮しこの世界を支配する者である!』


魔道映像機には黒いシュタゼーリの軍服を来たアリシアが演説をしていた、そしてアリシアはこの世界を支配すると言い放った。


『さて、現在我が帝国には東世界軍が存在している、私は愚かな東世界軍を我がシュタゼーリ王都で迎え撃つ、かかって来い!愚かな東世界軍よ!』


そしてアリシアは東世界軍に宣戦布告をすると、演説は終わり、魔道映像機の機能は停止した。


「メリア、これは・・・」


明日奈は思う、今のアリシアの状態は先程までのメリアと同じだと、だから本人に確認する。


「うん、私と同じだよ、アリシアさんは私と同じで無に洗脳されてる」


明日奈の質問にメリアはアリシアは自分と同じ状態だと答えた。


「それでね?明日奈、今思い出したもっと不味い情報があるの」


メリアは洗脳され混乱している記憶の中から思い出した情報を明日奈に話そうとする。


「何?」


明日奈は彼女にそれは何か聞く。


「無の封印地点はシュタゼーリ王都の地下なの、そしてアリシアさんは多分・・・」


「無を復活させようとする?」


「うん、復活の無の巫女は無をいつでも復活させる事が出来るから」


つまり急ぎシュタゼーリ王都に向かいアリシアを止めないと無が復活する、そして復活した無は世界を何も無いゼロの世界にしてしまうだろう。


「急がなきゃならないって事ね」


「そう言う事」


「分かった、船長室に行って来る」


明日奈は情報を教えてくれたメリアに感謝すると部屋を出て船長室に向かう、明日奈の話を聞いた船長は最大船速でシュタゼーリ王都に向けて東世界軍の船団を発進させた。



シュタゼーリ王都王城地下


ここはシュタゼーリ王都の王城の地下、巨大な扉には厳重な封印が施されている。


「さぁ我が君よ、復活の時です」


そしてアリシアは復活の歌を歌い始める、明日奈がこの場で歌う筈だった封印の歌の対となる歌を。


「!、ふふ、来たのね」


アリシアが歌を歌い始めると地面が揺れる、どうやら東世界軍がこの王都に侵攻してきたようだ。


「こちらも急がないとね」


アリシアは無の復活の瞬間を想像して笑うと、再び復活の歌を歌い始める。

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