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金色の九尾ll アンダーワールド  作者: ブレイブ
二章タバーア地方の九尾
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十九話

ジーリの町

早朝、宿を後にした明日奈達三人は住民に町長の自宅の場所を聞き町長宅の前まで来ていた

三人の中で一番先頭に立っている明日奈が町長宅のドアをノックする

「こんな朝早くに一体どう言ったご用件かしら?」

ノックして暫く経った後に一人の若い女性がドアを開けて出て来た

「この町を滅ぼすと言っている魔物の事で話があって来たの」

明日奈は単刀直入に要件を話す

「・・・入りなさい」

若い女性はそう言うとドアを大きく開けた、入れと言われた明日奈達三人は家の中に入り、町長は三人が中に入ったのを確認するとドアを閉めこっちよとおそらくは客間に案内してくれるようだ

「それであの魔物の何について話に来たの?」

三人にソファに座るように言った町長は三人がソファに座ったのを見てから自分も座り、早速質問して来る

「そうね、私達が倒してあげるって言いに来たの」

明日奈はまた単刀直入に言う

「はっ!?無理よ!あの魔物は様々な軍隊やS級冒険者でも倒せなかったから封印された程強い魔物なのよ!?」

この家には魔物についての様々な文献が保管されている、魔物が現れ去った後町長はそれを読みどう足掻いても勝てないと判断しこの町を放棄する事を決めたのだ、なのでたった三人で魔物を倒すと言っている明日奈達はタダの馬鹿にしか見えない

「そうかしら?」

「そうよ!」

そうかしらと聞く明日奈に町長はかなり怒った声でそうよと言い返す

「私が神様だったとしても?」

「はっ?あなたが神?何を言っているの?」

町長はいきなり自分が神だと言い出した明日奈に呆れた視線を向ける、町長は神がこんな町に来るとは思えないのだ、ちなみに明日奈が神様だと聞いていなかったメリアとシュルクも驚いた顔をしている

「そう私は神様なの、証拠を見せてあげる」

明日奈はそう言うと立ち上がり手を広げる

(ホワイトローズ、ふふふハッタリでも良いからそれっぽくして)

『Yes』

ホワイトローズは明日奈に言われた通りハッタリを実行する、まずは髪の色を白金に変え、背中からは壊れていて飛べないしいつ爆発するか分からない危ない光の翼を発現させる、そしておまけとしてホワイトローズ自身の姿をほぼ意味無しだがそれっぽい杖の姿に変化させた

「はい、これが私の神としての姿よ」

(こんなの、普段とあんまり変わらないけどね)

ホワイトローズはプラチナモードの鎧を装備していない状態のプラチナモードを発動させたのだ、この状態は確かに普段よりは強くなるが些細な差であり、鎧による大幅な能力アップも無いので殆ど意味は無い

「ほ、本当に神様なのね、なら本当に倒せるの?」

どうやら町長はホワイトローズ渾身のハッタリを信じてくれたようだ

「ええ、倒してあげるわ、逆に聞くけど倒しても良いのね?」

そもそも明日奈がこの家に来たのは許可も取らずに倒したら後で面倒臭い事になるんじゃないかと思ったからだ、面倒臭い事になるのなら許可を取った方が良いので許可を取りに来たのだ

「お任せします、どうかあの魔物を倒して下さい!」

町長は任せると言った後、大きく頭を下げた

「ええ任せなさい、それと今から冒険者達にこの町を放棄する事を伝えようとしているみたいだけど辞めなさい、私達が今から倒しに行くんだからそんな事をしても無駄でしょう?」

「分かりました!」

明日奈は町長の返事を聞くと祠の場所を記した地図を町長が渡して来たので受け取りポカンとしているシュルクとメリアを連れ家を出る、町長はシュルクとメリアも天使か何かと勘違いしたようで二人にも頭を下げていた





ジーリの町、住宅街

町長宅から出た明日奈は暫く歩いた所に有るベンチに座ると大きくため息を吐いた、ああ言う神様としての態度はし慣れて居ないので疲れるのだ

「フゥ緊張した」

そして明日奈はポカンとした顔から何か聞きたげな顔に変わった二人に気付く

「何か聞きたいことが有りそうね」

「当たり前だ!神様ってどう言うことだよ!?」

シュルクの叫びにメリアもウンウンと頷いている、まぁ明日奈は二人に自分が神だと伝えていなかったのでこの反応は仕方ない

「だから言ったじゃない私は神様なの、時の神様、私は全ての世界の時の流れを守護する神様なの」

明日奈は時の神である、明日奈が存在することで全ての世界の時は正しく流れ狂うことは無くなる、もし明日奈が死ねば暫くの間は時は正常に流れるがそのうち狂い始めるだろう

「明日奈は時を管理しているの?」

「うん、でも無意識だけどね」

時の神は存在するだけで良い神だ、なので意識して時を管理する必要は無い、時に異常が発生すると違和感を感じるのでその時は力を使い異常を正常に戻す、これが時の神の仕事である

「俺は凄い奴に仲間になってくれって頼んだんだな・・・」

「私なんて神様にパートナーになって欲しいって言っちゃったよぉ」

二人は自分の発言を思い出しオロオロし始める、明日奈はこうなるのは予想できていたので自分が神だとは言いたくなかった

「別に気にしなくて良いの、私なんてシュルクやメリアと何にも変わんないんだし、だから今までのままで良いのよ」

「でもさぁ」

相手は神、本人が気にしなくても良いと言っても気になってしまうのは仕方ない

「良いの、私、神様だからって態度を変えられるの絶対に嫌よ」

「うー、分かった、明日奈は明日奈だもんね、だったら何も変わんないよね」

そう明日奈が神様だったとしても今まで一緒に旅して来た仲間で有ることは変わらない、本人が気にしないと言っているのならメリア達も気にする必要は無いのである

「そうだな、明日奈は明日奈だもんな、食いしん坊な妖狐それが明日奈だ、例え明日奈が神様だったとしてもそれは変わんねぇ」

「そう、何かムカつくけどそれで良いの、それじゃ早速行きましょうか」

「うん!」

そして明日奈達は魔物が潜む祠へと歩き始める




ワールドセイバー地球支部

ここは所変わってワールドセイバー地球支部資料保管庫、様々な本が積み上げられた机の上には一冊の本が開かれて置かれておりウィリアムと響はその本を読む事に集中しているようだ

「やっと見つけたな響」

「あぁ、やっとだよ本当に・・・」

ウィリアムと響はこの一ヶ月の間次元の狭間に関する資料は文献を探し続けていた、そしてようやく見つけたのだ、過去から未来、次元の狭間が現れる場所までを完全に記した本を

「この本によると次の次元の狭間が発生するのは明日だね」

「あぁ、第八十二世界のカーザッツ大遺跡か」

本によると次の次元の狭間は昼の三時四十二分から五十二分カーザッツ大遺跡の最下層で発生するようだ、そこに向かえば次元の狭間を詳しく調べる事が出来るであろう

「行くんだろう?僕も付き合うよ」

「勿論だ、そしてありがとな響」

この翌日ウィリアムと響はカーザッツ大遺跡に向かった


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