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金色の九尾ll アンダーワールド  作者: ブレイブ
二章タバーア地方の九尾
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十一話

ザーアの町

シュルクが仲間になった日の翌日、明日奈とメリアはビプホ山を越える為の準備中である、食料を買ったり新しい靴を買ったり準備は順調に進んでいる

シュルクは明日奈達と同じ宿に泊まっていたので朝、明日奈が山越えの準備に一緒に行かないかと誘いに行ったが、部屋の中から準備は出来てるとの眠そうな声が聞こえて来たので居ない

「食料充分、水も五日分、テントも買ったしオッケー、新しい靴も買った、準備完了かしら?」

明日奈は自分の鞄の中に入っている山越えの為の品々を見てメリアにこれで準備完了かと聞く

「うん、大丈夫だと思う、買い物はこれで終わりにしてギルドに行こうよ」

「そうね」

山越えの準備を終わらせた明日奈とメリアはこの町のギルドに向かった



ザーアの町簡易ギルド

ザーアの町のギルドはすぐに見付かった、だがかなり小さい、受け付けのお姉さんすら居ない、クエストボードの脇に依頼を受ける為の機械があり、それに依頼書を入れギルドカードを入れると依頼を受ける事が出来るようだ

「一応綺麗にしているみたいだけど、ここでわざわざ依頼受ける人居るのかしら?」

「居ないと思う・・・」

ここで受けるのならララネの町の大きな冒険者ギルドで依頼を受けた方が良いだろう、実際この簡易ギルドの中には明日奈とメリアしか居ない

「明日奈、どうする?」

メリアとしてはお金は充分有るし依頼を受けなくても良いと思っているが

「私としてはねメリア、この機械を使って見たいの、だから受けるわよ!」

明日奈は機械を使ってみたいらしい、現に尻尾がピンと張られており興味津々といった様子が尻尾から分かる

「あはは、分かった、何にする?」

メリアはその尻尾を見てナチュラルに触り、どの依頼を受けるのか聞く

「そうねぇ・・・これにしましょう」

明日奈が取ったのはビプホ山でのファイアリサード二十体の討伐依頼だ、ファイアリサードは退治しておかないとどんどん増えて行き山を燃やすので定期的に討伐依頼が出る、その姿はまさしく大きなトカゲである

「はーい、で、これどうやって使うの?」

メリアには機械の使い方はパッと見て分からない

「うーん・・・多分こう」

明日奈はその機械のプリンターのような形を見て依頼書を機械の上の受け口から入れる、すると依頼書が吸い込まれて行き、機械が受ける人数分のギルドカードを入れてくださいと言ったので、カードを入れる場所を探す

「入れろ言ってるけど、何処なんだろ?」

「多分これ」

明日奈はぱかっと開きそうなカバーを見付けたのでそれを開ける、するとカードの受け口が見えたので明日奈とメリアのカードを入れた

「シュルクは良いのかな?」

「良いんじゃない?居ないんだし、来てない奴が悪いのよ」

そうシュルクが依頼を受けれないのは山越えの準備は終わってるし眠いからと来なかったシュルクが悪い、なので後で文句を言われても明日奈としては知ったこっちゃ無い

そしてピーと音と共に機械の下の口から依頼書が出て来て、ちゃんと冒険者ギルドのハンコが押されている、明日奈はそれを確認すると依頼書を鞄に仕舞い宿に向かって行った




明日奈とメリアはのんびりと宿に向かって歩いている、そして後三分程で宿に着けると言う所で何やら大きな声が聞こえたのでそちらを見る、そこには厳つい男達五人が二人の女性を囲んで脅していると言う光景があった

「オラ!一緒に来いって言ってんだよ!」

どうやら美人な女性二人を何処かに連れ込もうとしているらしい、女性達は怯えて何も言えなくなっているようだ

「メリア鞄持ってて」

「え?うん」

明日奈はメリアに鞄を渡すと男達に近付いて行く

「ねぇ」

そして近付くと話しかける

「なんだよ」

男達のうち一人が明日奈の方に振り返り何の用かと話し聞いて来る

「何してんの?」

「ちょっとな、良いことのお誘いをしてんだよ」

「ふーん」

明日奈は女性達と男の間に入ると女性達に話し掛ける

「逃げなさい」

そして逃げるように言う

「え?でもそんな事をしたらあなたが・・・」

「こいつらは私がどうにかするから大丈夫、行きなさい」

女性達は戸惑うが、明日奈は女性二人の瞳を見て頷く

「ありがとう!」

それを見た女性達はありがとうと良い逃げて行った

「テメェ!何逃がしてんだ!お前が変わりになってくれるのかよ!」

「は?なるわけないでしょ?」

そして明日奈は拳を構える

「あんたらのその顔をぶん殴ってやるのよ、覚悟しなさい」

「やれるもんならやってみやがれ!」

そして獲物を逃がされ怒り狂った男達が一斉に殴り掛かって来た



明日奈はまず一番手前の男の顔をぶん殴り、二人目の拳を受け止めそして三人目に向けて投げる、そして四人目は腹を蹴ってやり、五人目は肘を鼻に喰らわせてやる

「あら?弱いわね、女の私の方が強いってどういう事?」

明日奈はあっという間に尻餅を着いたり倒れたりしている男達をあえて挑発する

「テメェ!タダじゃおかねぇ!」

一人の男がナイフを抜いて迫って来る、明日奈は冷静にそれをかわし腕を掴むと、捻りナイフを落とさせる、そしてまた殴る、ナイフの男は殴られて気絶した

「この路地裏最強の不良って言われた私を舐めんじゃ無いわよ、喧嘩の勘はまだまだ劣ってないつもりなんだから」

そしてこの後結局男達は明日奈に手も足も出ず、ペコペコと謝りながら二人気絶した男の肩を担ぎ逃げて行った

「フゥ」

明日奈はその背中を見送ると大きな溜息を吐いた

「明日奈、武器使わなくても強いんだ」

「まぁね、私の戦い方の元だしね」

明日奈の戦い方は不良時代の喧嘩スタイルに剣を加えた我流である、過去一応正当な剣技を教えて貰いそれをベースに戦っていたのだが、やはり合わないと言う事で元のスタイルに剣を加えて発展させここまで強くなった

「真似しちゃ駄目よ?」

明日奈がこんな戦い方でまともに戦えるのは元々の経験が有るからだ、この戦い方を真似して強くなれる者など殆ど居ないので真似しない方が良い

「分かってる、私は私のお父さんやお母さんに教わった戦い方で強くなるって決めてるの」

「それなら良いわ、じゃ宿に帰りましょうか」

そして明日奈とメリアは宿に帰って行った

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