王女3
前世の乙女ゲーム。
つまり、この世界、『ときめき王女の1日』のプロローグは王立学院、ドゥロア学院の入学式から始まる。
ヒロインである王女が、悪役令嬢から宣戦布告をいただくのだ。
いやいや、最初はメイン攻略メンバーとの出会いじゃないの⁉︎
とは、前世での私の心の声であり、ネットでも騒然となった話題である。
そして私はこの時思った。
……このゲーム、普通じゃない。
と。
実はこのゲーム。何を思ったか、運営はとことん敵役の末路に力をいれた。
とことん落として更に落としてその上落とすのだ。
もはや、乙女ゲームなのかこれは。と思うくらいには運営の女性へのストレス発散ゲームになった気がしている…。
正にそれが顕著にあらわれたのがアントワーヌだ。
最初に出て来て、最後に落としに落とす。
というかこれ主役アントワーヌなんじゃないの?
アントワーヌ落としゲーに改名したほうがいんじゃないの?と思うほどに。
そして今、そのアントワーヌが目の前にいる。
まるで貞k…長く伸びた前髪から鋭く光る眼光は今からいうセリフを物語っているようだ。
『私のソレイユ様を返して‼︎』
と。
そして私はそれに誠実に答えようと思う。
どうぞ、と。