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小さな変化。  作者: 雨宮ちとせ
【 1章。 】
5/9

5話。


「2人とも、行くよ」

「はーい」

「はぁい」


小さな男の子と女の子と、それより少しだけ大きな男の子が、3人で家から出てきた。


「今日はどこに行くの? 秀也兄ちゃん」


小さな男の子が聞く。


「今日はいつもの公園より少し離れた公園に行こう!」

「ほんとか!?」


笑って答えた「秀也兄ちゃん」と呼ばれた少し大きな男の子の言葉に、目を輝かせる小さな男の子。


と、突然…


「…へぶっ!」

「?」


少し後ろから変な声が聞こえた。

振り返ると、小さな女の子が転んでいた。


「大丈夫!?」


慌ててかけよる。


「うぅ…」


ケガは特に無いようだ。


「ばかじゃねぇのっ。なんで何にもないところで転ぶんだよっ」

「~~~~~っ」


小さな男の子の言葉に、小さな女の子がむくれる。


「こらっ!そんなこと言わないの!」


少し大きな男の子が止めに入ると、小さな女の子はその背中に隠れる。

そして、隠れたまま顔をひょこっと出して、小さな男の子にべーっと舌を見せた。


「なっ!?」


ぎょっとする小さな男の子。


「秀也兄ちゃん!こいつ、べーって!!」

「してないもーん!」

「もー…梳晴も依真も、ケンカしないの!」



====================


「―――るっ…梳晴っ…」


誰かに肩を揺さぶられている。


(・・・?)


「起きろーーー!」


ゆさゆさゆさ。


(なんだ…何事…)


梳晴がうっすら目を開けて起き上がると、目の前に依真がいた。


「あ、やっと起きた」

「…依真…」


肩をゆさぶってたのは依真だったようだ。


「ほら、早く荷物の用意してっ」

「…遠くの公園…」

「え?何…?」

「公え…ん…」


だんだん意識がはっきりしてきて、ハッと我にかえる。

どうやら、いつからかはわからないが、机に突っ伏して寝て夢を見ていたようだ。

夢に見ていたのは、小さいころの記憶。


「何て言ったの?」

「…なんでもないっ」

「あ。梳晴、寝ぼけてたんでしょー」


依真がニヤニヤしている。


「違うし」

「…ふぅーん。まぁいいや。早く行こう?

せっかく奏汰くんが掃除代わってくれたんだから」

「…どこに?」

「忘れちゃったの? 秀也の所に行こうって…まだ眠い?」

「あぁ…大丈夫。覚えてる」


まだ少しぼんやりしている頭を働かせるため、梳晴は立ち上がった。

バッグに荷物をつめながら依真に話しかける。


「平坂は?」

「柚稀は今日から部活だって言ってた。 奏汰くんも?」

「あぁ。言ってた気がする」

「…準備できた?」

「OK」

「じゃあ行こう!」



====================



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